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Sasayama’s Weblog「親米か?親EUか? ASEANは、ルック・イーストからルック・ウエストへ」http://www.sasayama.or.jp/wordpress/index.php?p=269
より転載
今回の小泉純一郎首相のインド、パキスタン、ルクセンブルク、オランダの4カ国訪問の狙いには、「米国と歩調を合わせて対インド関係を強化することにより、アジア地域における親米国の連携を構築し、12月に開かれる東アジアサミットの参加国を東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓の13カ国に限定するよう主張する中国に対抗し、インドの参加につなげたい考え」という狙いもあるようだ。
しかし、当のASEAN(ヴェトナム、タイ、シンガポール、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン)は、このところ、中国の主導により、EUとの連携を急速に深めているようだ。
サイトhttp://www.thanhniennews.com/worlds/?catid=9&newsid=6386は、今週水曜日(4月27日)に、ASEANとEUとが、自由貿易協定(FTA)に関する共同のハイレベルの予備調査を行うことに同意したというニュースだ。
日本では、ほとんど無視されたニュースだが、今後のASEANの方向を示す、いい例だ。
EU貿易委員のPeter Mandelson氏によると、EU-ASEAN間にワーキンググループを立ち上げ、今年末までに、特別報告書を纏め上げる予定であるという。
中略
今回のASEAN-EU統合構想も、まさに、中国主導型の構想といえる。
先日、中国の胡錦濤主席は、アジア・アフリカ・サミットの後、4月25日から26日にかけて、インドネシアのユドヨノ大統領と会談し、共同声明に署名し、この中で、中国とASEANとの関係強化について、7つの提案を提示した。
また、胡主席は、これにとどまらず、次の訪問先であるフィリピンにおいても、アロヨ大統領会談、ならびに、フィリピン議会演説で、対ASEAN協力強化を強調した。
これら、中国のASEAN諸国との外交に共通しているのは、相手国と、いかに「win-win situation」を作り出すかということに、意を用いていることであると思われる。
このような動きからみると、日本を取り巻くアジアの変化にもかかわらず、あいもかわらず対米外交を重視し、対アジア外交をおろそかにしてきた小泉外交の優先順位の誤りの後遺症が、ここにきて、モロに現れている感じだ。
しかし、一方、日本の野党にしても、今回、民主党が出した「EUをしのぐ連合体を構築」との触込みによる「アジア太平洋連合(AU)構想」なるものは、完全に時代認識を欠いた、出遅れの「六日のあやめ」そのものであるといえる。
より大きな視野の元での、日本のアジア外交の再構築が急がれる。
2005/04/30 追記 「欧州委員会のピーター・マンデルソン委員(通商担当)が4月29日、シンガポールで開かれた東アジア経済サミット(世界経済フォーラム主催」で行ったスピーチの全文」
省略