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小泉・対米追随は外交オンチ  韓・中との対立は歴史的愚行 (SENKI)
http://www.asyura2.com/0505/asia1/msg/286.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 4 月 30 日 16:31:10: ogcGl0q1DMbpk
 

中国は日本の最大貿易相手国

小泉・対米追随は外交オンチ

韓・中との対立は歴史的愚行

http://www.bund.org/editorial/20050505-1.htm

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 中国で反日デモの嵐が吹き荒れている最中の4月21日、財務省は、2004年度の貿易統計速報で中国が米国を抜いて最大の貿易相手国になったと発表した。対米依存・対米従属から東北アジア共同体形成へ、歴史の趨勢はハッキリしている。偏狭な愛国主義・国家主義を越え連携してく智恵が東北アジアに問われている。

深まる「政冷経熱」

 財務省発表の貿易統計速報によると、2004年度の日本と中国の貿易総額は22兆7141億円で米国の20兆6035億円を上回り、ついに中国が日本の最大の貿易相手国となった。日本の貿易総額に占める日中間貿易額の割合は20・3%。米国は18・4%。一方、2004年(1〜12月)の中国の最大の貿易相手国は米国、2位が日本、3位がEU。日本への輸出は前年比23・7%増の735億ドル、日本からの輸入は同27・3%増の944億ドルで、輸入相手国としては日本が最大となった。  

 こうした日中間の経済的紐帯の深まりの中での反日デモの激発に、日本の経済界は「ノドに刺さったトゲ」(奥田碩・日本経団連会長)と悲鳴をあげている。小泉首相もさすがに事態の深刻さに気付き、ジャカルタで開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)50周年会議で行った4月22日の演説では、1995年の村山首相談話の「植民地支配と侵略によって、多くの国々に多大の損害と苦痛を与えた」、「痛切なる反省と心からのおわびの気持ち」といった表現をそのまま引用。「50年前、アジア・アフリカ諸国の前で平和国家として国家発展に努める決意を表明した志にいささかの揺るぎもない」と表明した。  

 23日深夜には小泉首相と中国の胡錦濤国家主席との首脳会談が実現。小泉首相は、「過去の非をあげつらうのではなく、未来に向かって発展させることが大切だ。歴史を鑑(かがみ)として未来を考えていきたい」と強調したが、胡錦濤主席はあらためて靖国神社参拝と教科書問題に触れ、「歴史問題での反省を実際の行動で示してほしい」と要求。日中間の溝は埋まらなかった。  

 その一方で胡錦濤主席は、これ以上の反日デモの過激化は共産党一党独裁支配と中国経済にとってマイナスと判断。小泉首相としても、中国との関係悪化には経済界からも批判がある上に、常任理事国入りを果たすためには東アジアでの外交的孤立はなんとしても避けたい。会談決裂を回避したい両首脳は、関係改善に向け対話による問題解決と交流の拡大でひとまず一致した。  

 東アジア共同体を形成するためには、日本と中国がEUにおけるドイツとフランスのように、過去の歴史を清算し、新たな信頼関係を構築していくことが是非とも必要だ。日中両国は、「政冷経熱」の現状を一刻も早く修復しなければならない。

共産党一党独裁の崩壊

 4月11日付の英紙「タイムズ」(電子版)は、中国での反日デモが「明らかに中国政府の暗黙の奨励で行われた」としたうえで、次のように事態を分析している。「中国は歴史の苦味を政治目的に利用して、悪化させてしまった。第1は経済的な不平等、失業、汚職、政治的な規制など国内の緊張から注意をそらせるため、第2に、中国との政治的経済的な競合が増えていくときに、アジアにおける日本の影響に制限を加えるためである」  

 急速な経済成長の一方で、中国国内の矛盾は極限的に高まっている。昨年、中国国内で起きた民衆の抗議行動は一昨年から15%増えて5万8000件にのぼり、300万人以上が参加した。現在中国では、都市部と農村部の貧富の格差が1人当りの所得で6倍にまで広がっている。さらに一向に減ることのない共産党幹部や官僚の汚職・腐敗に対する民衆的怒りも高まっている。  

 こうした資本主義化に伴う社会的矛盾の噴出の矛先が、1989年の天安門事件のように共産党一党独裁へと向かうことを恐れた江沢民・前政権は、共産主義に変わる国民統合のイデオロギーとして反日愛国教育を徹底した。今回の反日デモでも、中国共産党は当初、「日本の常任理事国入り阻止」の大衆動員として政治的に利用しようとした。  

 ところが反日デモは、そうした中国共産党の思惑を越えて過激化。日本の大使館や領事館さらには日本企業や日本料理店への襲撃へとエスカレートしていく。それを中国公安当局は全くコントロールすることができなかった。日本公館への襲撃等は、「領事機関の公館及び公文書並びに派遣国の利益保護」を定めたウィーン条約に明確に違反する。こうした行為は、中国の国際的信用を大きく損なうこととなった。  

 インターネットや携帯電話の急速な普及によって、もはや中国共産党は13億中国人民を統制・コントロールする力を完全に喪失している。

中国敵視する日米同盟

 胡錦濤主席は、「歴史問題での反省を実際の行動で示してほしい」とジャカルタでの首脳会談で発言。韓国の盧武鉉大統領も3月23日の日本批判の談話で、「侵略と支配の歴史を正当化し、再び覇権主義を貫徹しようとする(日本の)意図をこれ以上黙って見ているわけにはいかない」と語っている。日本の過去ではなく現在が問題なのだ。  

 中国がとりわけ懸念しているのは、ブッシュ追随一辺倒の小泉政権が北朝鮮ばかりでなく中国に対しても敵視政策を強めている点だ。中国を「戦略的パートナー」と位置づけた前クリントン政権に対して、現ブッシュ政権は中国を「戦略的競争相手」と規定。今年2月に行われた日米安全保障協議委員会(2+2会合)の共同文書も、「台湾海峡をめぐる問題」と「中国の軍備増強」を、北朝鮮の脅威と並ぶ日米同盟にとっての「共通戦略目標」と位置づけ、中国敵視を鮮明にした。  

 これに対して中国国営・新華社通信は2月21日、「祖国統一大業を完成する障害」「日米両国による粗暴な行為に断固として反対する」と声明を発表。3月14日には、第10期全国人民代表大会で反国家分裂法が成立した。同法は、台湾独立の動きに対しては、「非平和的方式その他必要な措置を講じて、国家の主権と領土保全を守る」と規定している。台湾独立は武力に訴えてでも阻止するというのだ。  

 しかし中国の対台湾政策は強硬論一辺倒なわけではない。反国家分裂法はもう一方で、「平和的統一に向けた協議の幅を広げ、『ひとつの中国』という原則のもとであれば、いかなる問題も中国と台湾の間の協議の対象となる」とも定めている。「ひとつの中国」という国是さえ維持されるならば、むしろ台湾との経済的交流をより深めたい、とのメッセージも読みとれる。  

 一方、台湾側も、最大野党・中国国民党の連戦主席が4月26日から中国を訪問し胡錦濤主席と会談。関係改善・経済関係強化に積極的に動いている。韓国の盧武鉉政権も、統一コリアの実現にむけて北朝鮮への「対話と説得」と経済援助を続けている。ネオコン・ブッシュの中国・北朝鮮敵視こそが、東アジアの平和と安定を揺るがす最大の脅威なのだ。  

 小泉首相は、ネオコン・ブッシュの尻馬に乗って、いい気になって靖国参拝など中国軽視の外交政策を続ける一方、米陸軍第1軍団司令部のキャンプ座間への移転などの米軍再編を積極的に受け入れたきた。対米追随一辺倒・アジア軽視の小泉外交への不信と懸念が、日本の安保理常任理事国入り問題をきっかけに「反日」という形で噴出しているのだ。  

 ネオコンに支配されたブッシュ政権とどこまでも命運を共にし、世界から、そしてアジアから孤立するのか、それともアジアの一員としてアジアの平和と安定に寄与するのか、21世紀の日本の未来が問われている。


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中国「爆食型」経済成長主義の限界

対中ODAは環境援助に

 『エコノミスト』4月26日号で沈才彬氏(三井物産戦略研究所中国経済センター長)は、「脱『爆食型成長』への政策転換」を提起している。  

 沈氏は、「中国はわずか3年間で粗鋼生産量は8割、鋼材8割強、造船8割、化学繊維8割、自動車1・2倍、カラーテレビ8割、冷蔵庫1・2倍、洗濯機8割弱、エアコン1・8倍、石炭7割弱、発電量5割弱と急増しており、膨張のスピードは我々の想像を超える」と、今や中国は「世界の工場」となったとする。  

 その上で、「中国のエネルギー利用効率は世界平均水準の半分以下、ドイツの5分の1、日本の4分の1に過ぎず、同じ途上国のインドにも及ばない」と、中国経済の発展が素材・エネルギーの「爆食」によってはじめて可能となっていると指摘。「環境破壊も深刻化している。中国のCO2(二酸化炭素)排出量は米国に次ぎ世界2位だが、ほかの汚染物質排出量はいずれも世界1位」「現在、国土面積の3分の1は酸性雨に侵食され、大中都市340市のうち60%は大気汚染に見舞われている。中国は環境汚染の超大国といわざるを得ない」と警告している。  

 13億の人口を抱える中国が、アメリカのような大量生産―大量消費社会を志向するなら、中国はもとより世界は深刻な資源・エネルギー危機によって破滅する。すでに「爆食」型の中国経済成長は原油価格を高騰させている。中国経済もまた、エネルギー効率を高め、環境問題に対処した経済成長の方向へ転換する以外ない。  

 沈氏は「そこに日本企業の新たなビジネス・チャンスが生まれる」とアドバイスしているが、従来、戦後賠償の意味も含めて経済成長のために行われてきた日本の対中国ODA(2003年度で約1000億円)も、新たな環境ODA――省エネやリサイクル技術、汚染除去など――へと振り向けるべきだ。  

 「中国は日本のODAからそろそろ卒業するべき」(昨年11月、ASEAN+3での小泉首相の発言)などというのは、小泉の外交オンチと環境政策への無理解を示してあまりある。「成長の限界」によるカタストロフィーを回避し、持続可能な世界を共に創造していくために日中両国は手を取りあって協力していくべきだ。


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「耐震数値はねつ造」設計担当者が告発

東海地震で浜岡原発は制御不能に

 4月15日、静岡県庁で浜岡原発2号機の設計にかかわった技術者の谷口雅春さん(63)が会見し、「東海地震で浜岡原発は制御不能になる」と告発した。谷口さんは、69年から72年まで日本原子力事業(現・東芝)に在籍。原子炉の炉内構造物の設計に従事していた。  

 谷口さんによると、72年の5月か6月に開かれた設計者代表の会議で東芝社員の耐震計算担当者が、「2号機は持たない。建屋と圧力容器について耐震補強の工夫をしてみたが、空間が狭すぎてうまくいかないのであきらめた」と発言。担当者は原因として「岩盤の強度が弱い」「核燃料集合体の固有振動数が想定地震の周波数に近く共振しやすい」などを挙げたという。  

 ところがこの担当者は、@岩盤の強度を測定し直したら強かったことにする、A建屋の建築材料の粘性を(実際よりも)大きい数値で計算することで振動が減衰しやすいように見せ掛けるなど、データ改竄による「もみ消し策」を提案。了承された。  

 谷口さんは経済産業省原子力安全・保安院に提出した告発文書で、「現在の原子炉の耐震計算は横波(水平方向の揺れ)に対してのみを行っています。しかし、阪神・淡路大震災のような直下型の地震では、縦波(上下方向の揺れ)も強く、建物がつぶれました。この縦波を原子炉について考えると、制御棒の挿入が不可能になり、原子炉は制御不能の状態に陥ることが考えられます」とメルトダウン(炉心溶融)の危険性を警告している。浜岡原発、とりわけ老朽化した1・2号機は絶対に運転してはならない。  

 谷口さんは、浜岡原発の運転中止を求める署名運動が全国的に進められていることを新聞記事で知ったことから、「すべて明らかにすることにしました。それが社会に対する私の責任と考えたからです」と同告発文で書いている。「浜岡原発止めろ」の声を、さらに全国であげていこう。


(2005年5月5日発行 『SENKI』 1177号1面から)

http://www.bund.org/editorial/20050505-1.htm

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