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中国が反日デモ禁止 関係改善に本腰
【北京=白石徹】中国中央テレビによると、中国共産党中央宣伝部は十九日、北京の人民大会堂に約三千五百人の関係者を集め、「中日関係の情勢報告会」を開いた。李肇星(り・ちょうせい)外相も出席した報告会では、中日関係の重要性が強調され、国民に無許可デモなどに参加しないよう呼びかけた。中国政府と党が全国に向け「反日デモ禁止」を明確に伝えたのは初めてで、中国が日中関係の改善に本格的に乗り出したものとして注目される。
李外相は報告会の中でまず「中日は二千年にわたる長い間、友好的な交流を続けてきた。一九七二年の国交正常化以来、政治、経済、民間交流など各方面で大きな進展があった」と発言。その上で「近年は日本の対中政策に新たな動きがあり、中日関係を複雑にさせている」との認識を示し、日本の歴史問題と台湾問題に言及した。また李外相は「中日関係を適切に処理する重要性を十分に認識しなければならない。党と政府が、国家の根本利益から出発し、対日関係のさまざまな問題を処理することを信じてほしい」と参加者に訴えた。
さらに同外相は国民に向け(1)無許可のデモに参加してはならない(2)社会の安定に影響を与えるようなことをしてはならない(3)愛国の情熱を職場や勉学の場で示してほしい−などと明確に指示し、中国政府が今後、反日デモを断固として取り締まる方針を示した。
四月に入って毎週末、大規模な反日デモが続いてきたが、党宣伝部の方針を受けてデモは収束に向かう可能性が高くなった。また、党と政府が日中関係改善に取り組む姿勢を明確にしたことで、近く日中首脳会談が実現するとみられる。
共産党宣伝部は党の政策や方針、イデオロギーを宣伝、教育する組織で、その報告会は大きな意味を持つ。報告会には党と政府、人民解放軍の幹部のほか、学生やメディア関係者も参加した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20050420/mng_____kok_____003.shtml