現在地 HOME > 戦争69 > 930.html ★阿修羅♪ |
|
フィリピンが在日米軍の一部受け入れ承諾 沖縄負担軽減に理解 日比防衛会談
【まにら新聞3日=ベリタ通信】フィリピンを訪問した日本の大野防衛庁長官は2日、アロヨ大統領、クルス国防長官と相次いで会談、比政府から在日米軍基地が集中する沖縄県の負担を軽減するため、米軍部隊を比に受け入れる余地があるとの見解を示された。比側はまた、比米合同軍事演習でも比較的規模の大きい演習実施のための施設を国内に建設する計画があることを日本側に伝えた。
今回の比日会談は、比日双方とも公式には認めていないが、比側が演習、訓練の形をとった在日米軍部隊の比への一部移駐を承諾したとみられる。日比を舞台とする米軍再編の大枠は整ったともいえる。
日比関係筋によると、大野長官は比側の対応に感謝し、承諾の見返りに日本政府として危機的状況にある比の財政を支援する意向を伝えたという。
大野長官は同日午前、ケソン市の国防省を訪れ、クルス長官と会談した。会談後の記者会見で、クルス長官は「日本は沖縄駐留の米海兵隊が参加できる軍事演習の実施場所を探している」と語った。その上で「比は米軍との合同軍事演習や(東南アジア近隣諸国の参加を見込んだ)対テロ訓練のための訓練センターを建設する」と明かした。
「国立訓練センター」と呼ばれる訓練施設の建設予定地は、ルソン島中部ヌエバエシハ州にあるマグサイサイ陸軍基地。クルス長官は「新訓練センターは合同演習の候補地の一つ」と述べ、在日米軍の参加する訓練が他の場所でも開催される可能性を示唆した。関係筋は、その一つに同島中部パンパンガ州クラーク特別経済区を挙げている。
会見に同席したアブ国軍参謀総長によると、「国立訓練センター」は米本国の軍訓練施設を視察するなど事前準備を済ませた後、来年中には着工する予定。
防衛庁同行筋は、アロヨ大統領が「新たな訓練場を整備中」、クルス長官が「訓練センターを建設中」と述べたと明かした。これが事実ならば、国立訓練センターとは別の訓練センターが現在、建設されている可能性もある。
クルス長官は昨年10月、マニラ新聞などとのインタビューで、沖縄の負担軽減を目的にマグサイサイ基地に国際軍事訓練センターを設置する構想をすでに明らかにしていた。他方、複数の関係筋は今年二月、訓練センターが米軍基地跡のクラーク特別経済区に建設されるとしていた。
クルス長官は在日米兵の移駐について、「日本側は沖縄の状況を緩和するため、東南アジア域内で合同訓練をできる所はないかと尋ねてきた」と認め、かつ国立訓練センター建設を公表しながらも、「わが国に対する(日本の)具体的な要求はなかった」と述べて比日間に何らかの承諾事項があったとは認めなかった。
大野長官は同日午後、マラカニアン宮殿にアロヨ大統領を訪問した。同行筋によると、同長官は米軍再編について「沖縄など地元の負担を軽減させる一方、在日米軍の抑止力を維持することが大事」と説明し、大統領は「米軍との合同軍事演習に対する国民の反応は好意的。わが国にさらに米軍部隊を受け入れる余地はある」と答えたという。
関係筋によると、比側は沖縄駐留の米海兵隊員約1万6000人のうち4000人規模の移動訓練受け入れを承諾したとみられる。大野長官は3日に訪問するオーストラリアでも米軍再編問題を協議し、6000人規模の受け入れを求めるもよう。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200505031108372