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5月6日―メディアを創る
進まぬ普天間返還
5月5日の日経新聞に、いつまでたっても普天間基地の返還が進まないという記事が掲載されていた。その理由は、代替案がいつまでたっても決まらないからだ。しかし代替案を無理して考える必要がどこにあるのか。嘉手納基地への統合であれ、下地島や伊江島といった新たな代替地であれ、地元住民の反対で進められない。あたりまえだ。どの住民がこれを喜んで受け入れるというのか。そうであれば日本政府の取るべき対応はただ一つ。住民の要求を米国に伝えて、日本の基地縮小、撤退を前提とした米軍再編計画の作成を求めることだ。何故こんな当たり前の要求ができないのか。
日米当局はきまってこう説明してきた。高まり行く東アジアの緊張に対応する為、在日米軍の戦略的価値を低めることは出来ないと。しかし我々は一度たりとも戦略的価値の内容を詳しく聞かされたことはない。
米国が米軍再編を考えだした最大の理由は、共産主義の脅威なきあと「テロとの戦い」に備える為だ。しかし日本は米国との「テロとの戦い」に、日米安保条約上協力を約束した覚えはないのである。
北朝鮮や中国の脅威がここに来て急に喧伝される。しかしそれは日本の善隣外交の失敗の結果ではないのか。今からでも遅くない。日・中・韓で話し合って緊張緩和に努めるべきなのだ。
なぜ必死になって外交努力をしないのか。米国の言いなりになってこれら隣国との緊張を高める行動をとる日本こそ世界の笑いものである。
「日本は立派な国家です。しかし自分自身の声で発信し、アメリカと異なるアイデアを明瞭に示す勇気を持つことが出来ませんでした。日本がアメリカのような『普通の国』になりたいというのなら恐ろしい話ではないですか・・・アメリカはますます軍国主義的な社会になってきているのですから」(5月5日朝日新聞、天声人語に引用されているジョン・ダワーの言葉)
「・・・アメリカの軍事力にいくら頼っても世界平和が実現するわけはなく、国際協調と外交によってのみそれは達成されるのだ・・・(日本は)アメリカの軍事拡張主義とは一線を画す外交政策によって平和を生み出す努力が必要である・・・」(チャルマーズ・ジョンソン、帝国アメリカと日本―武力依存の構造、集英社新書)。こうして米国人にまで指摘されているのである。
思うに我々日本国民は、あまりにも政府に我々の運命をゆだねすぎてきたのではないか。自らの頭で考え、自らの結論をだすことを放棄してきたのではないか。政府に要求する事を最初からあきらめてきたのではなかったか。
日本の国民の声を米国に伝え、なお米国との良好な関係を保つ努力をする指導者を、何故日本国民は求めようとしないのか。映画や野球の話をしてブッシュに追従する小泉首相、ブッシュに利用されているとも気づかずに、「かつてない良好な関係」と囁かれて有頂天になっているこの国の首相を、4割の国民が支えている。
しかしそろそろ目を覚ますべき時だ。普天間基地返還に象徴される沖縄問題、さらには米軍再編に関する米国に小泉首相はどう対応するか。小泉首相の正体がそこで明らかにされる。それは郵政民営化などというどうでもよい問題とは、決定的に異なる、国民の運命を決する問題なのである。
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