現在地 HOME > 戦争69 > 883.html ★阿修羅♪ |
|
朝鮮人徴用100社調査、韓国に遺骨返還 政府方針
2005年05月05日09時17分
政府は第2次世界大戦中に日本企業に徴用・雇用され、死亡した朝鮮半島出身者の実態を把握するため、国内の企業約100社を対象に調査票を送付、8月をメドに結果を韓国側に伝えることを決めた。政府による民間徴用者の調査は初めて。また、政府は海外の戦没地訪問事業の対象に、韓国の遺族も加えることも検討している。小泉首相が6月下旬にも韓国で開かれる日韓首脳会談で、こうした方針を表明する。
日本政府は過去の植民地支配にかかわる問題での日韓両国の和解を掲げており、このほかにも(1)在韓被爆者のため、在外公館での健康管理手当の支給申請を受け付ける(2)専門家による新たな歴史共同研究委員会を年内に発足させることも既に決定。6日に京都で開かれる日韓外相会談で、一連の取り組みを確認する。
民間徴用者の調査は、旧軍人・軍属以外で、戦時中に炭鉱や工場などで労働を強いられ、命を落とした朝鮮半島出身者が対象。朝鮮半島から日本に送り出された労働者の正確な数はわかっていないが、70万人以上とする民間の研究者もいる。
外務省は4月、朝鮮半島出身者を雇用していたとみられる企業や、当時の業務を引き継いだ企業など約100社を対象に調査票を送付した。被雇用者の名簿の有無や、遺骨の安置所などについての回答をとりまとめたうえで、遺骨の返還が可能かどうか、政府内の調整を進める方針だ。
旧軍人・軍属については、日韓両政府が69年、遺族や縁故者が確認されれば、遺骨を引き渡すことで合意。3月末までに遺骨8835柱を韓国側に返還した。また、遺族や縁故者が確認できないため、1136柱の遺骨が東京・目黒の祐天寺に仮安置されている。しかし、民間徴用者の遺骨収集については、日本政府が「国と直接の雇用関係になかった」として関与せず、手つかずだった。
だが、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が昨年12月の首脳会談で、民間徴用者の遺骨の所在確認と遺骨返還への協力を要請。日本側も歴史問題を巡る日韓関係悪化を避けるため、応じる方針を決め、4月7日の日韓外相会談などで対応を約束していた。
一方、日本政府は南太平洋など海外で行っている旧日本兵の遺骨収集事業で除外していた朝鮮半島出身者も対象にすることを検討している。当面は、海外の戦没地への遺族訪問に助成金を支給する「慰霊巡拝事業」の対象に、韓国の遺族も含める方向で調整している。
日本政府の対応の背景には、日本の強制連行の実態を明らかにしようとする動きが韓国内で高まっていることがある。
http://www.asahi.com/politics/update/0505/004.html