★阿修羅♪ 現在地 HOME > 戦争69 > 805.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
天木直人・メディアを創る ( 5/2)  池内恵の中東観
http://www.asyura2.com/0502/war69/msg/805.html
投稿者 天木ファン 日時 2005 年 5 月 02 日 11:39:06: 2nLReFHhGZ7P6

5月2日―メディアを創る

◇池内恵(いけうちさとし)の中東観

 池内恵という人の中東観が5月2日の朝日新聞、「時流自論」に載っていた。池内氏が何者であるか私は知らない。国際日本文化研究センターの助教授というから学者なのであろう。著書に「アラブ政治の今を読む」があるというからアラブの専門家なのであろう。
 しかし朝日に掲載された池内氏の中東観はあまりにも皮相的だ。それどころか間違いですらある。
池内氏は強調する。フセイン政権下のイラクの存在が中東地域の秩序を不自然な状態にとどめていたと。すなわち90年にイラクがクウェートに侵攻して以来、世界はイラクのフセイン体制封じ込めに奔走し、そのため多くの中東諸国の非民主的問題がなおざりにされてきたのだと。その「失われた10年」に幕を閉じる決定的なきっかけになったのが9.11事件であり、ブッシュ大統領の「テロとの戦い」だという。
「ブッシュさえいなくなればすべての問題は解決」と希望的観測を持って面従腹背していた中東諸国は、ブッシュ再選により(無駄な抵抗を捨てて)、押さえ込まれていた変化が堰を切って表面化し、民主化の流れが始まったという。そして結論として、中東は数年でカタがつくほど歴史の浅い地域ではないが、「失われた10年」に押し込められていた潜在的な変化の種が一通り芽を出し、育つのをひとまず見守るしかないと・・・
 まるで米国の中東政策を弁護しているかのようだ。
私は学者ではない。中東の専門家でもない。サウデイアラビアとレバノンに都合数年勤務してこの目で見てきた体験から、戦後60年の中東問題の中心課題が、イラク問題やテロの問題でないことくらいすぐわかる。それどころか、サダムフセイン独裁体制や反米テロは、中東問題のごく一部なのだ。パレスチナ問題や石油政策を中心とした米国の身勝手な中東政策の結果生じた矛盾が、ここに至って表面化した、極めてアメリカ的な問題なのだ。
 今日の中東問題の本質は、かつての宗主国から独立した中東諸国の指導者の殆どが、あるいは軍事独裁者、あるいは世襲の王政という形で、米国の庇護の下に、国民を押さえつけてきた事にある。それを知っていながら、米国がみずからの利益の為にこの矛盾を放置してきた事にある。それがここに来て表面化したのだ。それも米国自らが引き起こした形で。
 我々は専門家と称する人達の意見を鵜呑みにしてはいけない。様々な見方を比較してどの意見が正しいのか自分で判断をしてみよう。専門家や為政者の言う事が如何にご都合主義であるか、特定の目的に沿って作り上げられているものであるか判ってくるはずだ。その積み重ねが、世論の強さとなって、権威の間違いを正して行けることになる。

◇いまこそ平和憲法の出番だ

 憲法記念日の講演によばれて国内を移動するので、「メディアを創る」をしばし休むことになる。
その前にこれだけは言っておく。めまぐるしく動く国際情勢のニュースに隠れて見落とす事の出来ない大きな流れがうねり始めているのではないか。それは米国の単独主義、軍事優先主義が、世界をかつてないほど危険な方向に追いやろうとしているということだ。その米国の言いなりになって国の方向を見誤ってはならない、平和憲法を安易に放棄してはならない、これが、講演で私が強調することだ。
2日から始まる核不拡散条約再検討会議を前にして、「米国は核開発を認める国とそうでない国をはっきりと分ける方針である」ことが明らかになったと2日の朝日新聞が報じている。日本は核開発を許される国に入っている。唯一の被爆国である日本が、これを喜んではならない。核の実用化を急ぎ、世界を核の軍事力で支配しようとして世界を分断する米国を、むしろ日本はたしなめるべきなのだ。
中国のコキントウ主席と台湾野党党首連戦が60年ぶりに会談した。米国の口車に乗せられて、台湾有事の危機を煽り立てるわが国の防衛計画は果たして正しいのか。台湾問題に米国は、日本は干渉すべきではない。彼らの動きを歓迎こそすれ警戒する事はなにもない。
北朝鮮が日本海へ向けてミサイルを発射したというニュースが2日の各紙でいっせいに報じられた。何故北朝鮮がこのような行為にでたのか。北朝鮮に対しなんら軍事的脅威にならない日本に、北朝鮮がこのような行為をとったとすれば断固抗議すべきだ。米国と軍事的に一体となって敵対する日本が、北朝鮮にとって脅威と映っているとしたら、そしてその結果の挑発行為であれば、我々は日本の安全保障政策を真剣に考えなければならない。国交正常化を目指す小泉首相の本心を聞いてみなければならない。
「沿岸から100キロあまりの海域に落ちたから日本には影響がない」、「ミサイル発射実験を禁止した02年9月の平壌宣言に違反したとはいえない」などという自己弁護の発言を繰り返す政府の対応は、単に無責任なだけではない。この国の安全保障をどうするのか。それでも日米同盟を推し進めるのかという根本問題から国民の目をそらしているだけだ。


http://amaki.cc/bn/Fx.exe?Parm=ns0040!NSColumnT&Init=CALL&SYSKEY=0052

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 戦争69掲示板



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。