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4月23日―メデアを創る
◇これは歴史的な日中首脳会談になるかもしれない
大袈裟に言えば今回の日中首脳会談は歴史的な会談になると思う。すなわち過去の歴史に関する日本と中国のこれまでの曖昧な関係が、この首脳会談によって一歩前進するのか、それとも後退するのか。あるいは曖昧なすれ違いに終わって、日中関係が再び前進も後退もない不透明な形で推移していくのか。小泉アジア外交の鼎の軽重が問われる歴史的会議になるに違いない。もうすぐ結果がわかるこの歴史的な日中首脳会談の直前に、そしてその結果について洪水のような報道や解説がなされる前に、これだけは書いておきたいと思う。
この会談の内容について、報道関係者にお願いしたい。どうか事実に肉薄した正確な報道を行って欲しいと。余計な装飾や解説抜きの、両国首脳の生の声を伝える報道を私は大手メデアに切に期待するのである。間違っても小泉首相の宣伝道具に使われるなと言いたいのだ。
日本政府にとっても中国政府にとってもこの会談の結果は、それぞれの国民にとっての最大の関心事であり、それゆえにそれぞれの政府は自分たちに都合のいいブリーフィングをするに違いない。外交協議の常として普通であれば事前に話し合ってお互いの発表振りを調整する。しかし今回はあまりにも政治的に重要な問題だ。同じ発表が出来るほど調整はできないだろう。しかも日本の場合、すべては小泉首相の独断で決まる。従って官僚のコントロールに限度がある。だからこそ注目されるのだ。中国側の発表との間に違いが見られることになるかもしれない。その違いを検証するところから真実が見えてくる。
一億総評論家になって目を凝らそうではないか。これまでの報道で我々国民は問題点を知り尽くしている。テレビで解説している評論家程度の解説や評価はもはや誰でも出来るのだ。馬鹿な解説をする評論家がいればその評論家さえも批評の俎上に乗せよう。休日の格好の暇つぶしだ。
今度の会談の見所はただ一つ、中国側が小泉首相の靖国参拝にどういう言い方で反対の申し入れを行うのか、そしてそれに対して、小泉首相はどう答えるのかだ。これに尽きる。それ以外のことは一切無視しよう。
小泉首相にとってはこの問題を提起されたくないに違いない。おそらく事前に持ち出さないように凄まじい外交工作を重ねたことだろう。「反日デモに対する抗議は行わないから靖国参拝は持ち出さないでくれ」とか、「日中関係はお互いにとって重要だから未来に向かっての協力関係重視について目を向けよう」とか、あらゆる事を持ちかけてきたことであろう。
もし中国側が靖国参拝を持ち出さなければ中国側の負けだ。後で何を言おうと勝負はついたことになる。小泉首相の完勝である。
他方もし中国が靖国参拝中止を重ねて申し入れてくるのであれば、小泉首相は窮地に立たされる。小泉首相の子供じみた依怙地な性格から、「言われて止める」ことには絶対に応じないだろう。国内の保守層からも批判される。しかし、この反日デモの嵐のなかで、それでも信念を押し通し、「中国国民が反対しても参拝を継続する」と言う程の度胸は小泉首相にはない。そこで言い方を工夫するのだろう。中国に対しては参拝を控えるニュアンスを伝えながら、日本国民には「参拝もいろいろ」と煙に巻くつもりかもしれない。歴史に残る小泉語録が飛び出すかもしれない。それはそれで面白い。しかしそれが中国国民に通用するかどうか。
果たしてこの会談の後に反日デモが収まるのだろうか。油田開発問題や安保理常任理事国入り、米軍再編問題などをめぐって日中関係はどう進展していくのか。実に興味深い。だから私は大袈裟に言うのだ。これは田中首相の訪中以来の歴史的な日中首脳会談になる。田中が始めた日中国交を宿敵小泉がぶっ壊すのか、発展させるのか、もうすぐその結果を我々は知る事になる。
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