現在地 HOME > 戦争69 > 589.html ★阿修羅♪ |
|
エクアドルの政変、追い出された「ブッシュの盟友」:スペイン外相「合憲性が無い」と
まず日本での報道をご紹介します。
****************************************
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050421-00000113-kyodo-int
エクアドル大統領罷免 国会決議、副大統領昇格
【リオデジャネイロ20日共同】グティエレス大統領の辞任を求める激しい抗議行動が続いていたエクアドルの国会は20日、「職務放棄」を理由に、大統領を罷免する決議を賛成多数で可決、憲法の規定に従いパラシオ副大統領が大統領に昇格し、就任宣誓した。
グティエレス氏は昨年12月、最高裁が野党支持で偏向しているとして判事の大半を解任。これに対し「独裁的だ」との抗議が拡大。15日に首都キトに一時非常事態が宣言されたほか、19日から20日にかけ、抗議デモと治安部隊の衝突で市民2人が死亡するなど混乱が続いた。
パラシオ新大統領は就任演説で「恐怖による独裁政治はこれで終わる」と強調、平静を取り戻そうと国民に呼び掛けた。
罷免決議後、司法当局はデモに対する暴力的な取り締まりを命じたとしてグティエレス氏の逮捕を命令。ブラジル外務省によると、グティエレス氏は大統領府からキトの同国大使館に退避し、ブラジルへの政治亡命を申請した。
(共同通信) - 4月21日12時38分更新
****************************************
この政変についてのおよその事実関係はこの通りなのですが、少し説明を加えておきます。
辞任してブラジルにトンズラしようとしているルシオ・グティエレス・ボルブアは、南米ではコロンビアのウリベと並んで「ブッシュの盟友」として有名であり、地元では実際に国を動かしているのはキトの米国大使クリスティー・ケニー(Kristie Kenney:略してKKと言われる)である、とささやかれています。
ブッシュ政権は神経を尖らしているようで、本日(4月21日)のエル・ムンド紙に次のような記事が載りました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『モラティノスは、エクアドルの政治状況は十分な合憲性に欠ける、と明言』
http://www.elmundo.es/elmundo/2005/04/21/internacional/1114072454.html
2005年4月21日付 エル・ムンド
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この記事によりますと、リトゥアニアを訪問中(NATO外相会議)のスペイン外相モラティノスは、米国のコンドリーサ・ライスと会談した後、次のように語りました。
「この状況のすべては、周辺の外国や利害関係を持つ外国がエクアドルの状況に決定権を持つことを許さない、という合憲性に欠けている。」
ここで言う『周辺の外国や利害関係を持つ外国』とはどの国を指すのか、モラティノスは語っていませんが、おそらくベネズエラ、あるいはブラジルを意味しているものと思われます。グティエレス政権期間に『エクアドルの状況に決定権を持つ』外国は米国だったわけで、まさかモラティノスがライスのいる目の前で米国を指すわけもありません。
要するにブッシュ政権にとって都合の悪い政変は「外国からの干渉だ」ということなのでしょう。
なお、ライスはメキシコ、アルゼンチン、コロンビア、ペルーの外交官、および米州機構の代表者マニュエル・ロドリゲスと共にNATO外相会談のためにリトゥアニアに来ています。