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ベネディクト16世誕生、各国各紙の反応(欧米は冷ややか、イスラエルは歓迎、中南米は怒り)
それぞれ翻訳するだけの余裕がありませんので、見出しと簡単な説明だけとします。
まずスペイン国内で失望と落胆を明らかに表明しているのはエル・ムンド紙とエル・ペリオディコ紙です。エル・ムンドについてはすでにその嫌悪感に満ちた生地をご紹介しました。エル・ペリオディコはラツィンガーがヒトラー・ユーゲントに参加していたことを取り上げた上で、欧州各紙の「新教皇の保守性を強調する」論調を紹介しています。
La prensa europea destaca el arraigado conservadurismo del nuevo Pontífice
http://www.elperiodico.com/default.asp?idpublicacio_PK=6&idioma=CAS&idnoticia_PK=203875&idseccio_PK=132&h
逆に保守系ネット新聞リベルタッド・デヒタルは手放しの喜びようで、『ベネディクト16世は「偉大な教皇ヨハネ・パウロ2世」の証人となる』といった紹介の仕方です。
Benedicto XVI recoge el testigo del "gran Papa Juan Pablo II"
http://www.libertaddigital.com/noticias/noticia_1276249428.html
英国を見ますと、タイムズ、インティペンデント、ガーディアンはすべてラツィンガーがヒトラー・ユーゲントに所属して連合軍に逮捕されていたことを書いています。全体の論調としては特に厳しい批判は無いものの、「頑固な保守派」というイメージを強く出して冷ややか、といった感じです。
From Hitler Youth to the Vatican
http://www.guardian.co.uk/pope/story/0,12272,1463902,00.html
The boy who became Pope
http://news.independent.co.uk/europe/story.jsp?story=631203
From Hitler Youth to the Vatican
http://www.guardian.co.uk/pope/story/0,12272,1463902,00.html
Unbending thinker will guard against change
http://www.guardian.co.uk/pope/story/0,12272,1463915,00.html
米国ニューヨーク・タイムズは、教皇が決まった瞬間の人々の反応の中で、「彼は教会をまとめようとするだろうけど、人々を脅して追い払うかもしれない。」「これは大変な間違いだ。」といった否定的なものをまず最初に紹介しています。そしてエル・ムンド同様に米国カトリック教会の分裂の恐れを取り上げます。エル・ムンドほどではないにせよ予想通りの厳しい反応です。
German Cardinal Is Chosen as Pope
http://www.nytimes.com/2005/04/20/international/worldspecial2/20pope.html?hp&ex=1114056000&en=8ab5ce07e411a28a&ei=5094&partner=homepage
For America's Divided Roman Catholics, a New Difference of Opinion
http://www.nytimes.com/2005/04/20/international/worldspecial2/20american.html?hp&ex=1114056000&en=3e5dd86d90988e27&ei=5094&partner=homepage
次にワシントン・ポストですがNYタイムズ同様に「これは21世紀の教会を悪い方向に導くだろう」という声を取り上げ、分裂が強調される、と冷ややかな反応です。
Choice Accentuates the Divide
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A1588-2005Apr19.html
LAタイムズは前の私の投稿で取り上げたとおり、オプス・デイに後押しされた「保守主義者」教皇の誕生を紹介し、世界が喜びと嘆きに2分されている、とこれまた冷ややかです。
Controversial Opus Dei Has Stake in Papal Vote
http://www.latimes.com/news/obituaries/la-fg-opus19apr19,1,7898975.story?ctrack=1&cset=true
Across Globe, Joy Mixes With Regret
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-worldreax20apr20,0,2401032.story?coll=la-home-headlines
一方イスラエルではハアレツ、エルサレム・ポストともに、バチカンとユダヤとの良好な関係が維持されるだろう、と歓迎を表しています。
New pope seen continuing relations with Israel, Jews
http://www.haaretz.com/hasen/pages/ShArt.jhtml?itemNo=567083&contrassID=2&subContrassID=4&sbSubContrassID=0
New pope hailed for strong Jewish ties
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?pagename=JPost/JPArticle/ShowFull&cid=1113877273080&p=1078113566627
中南米では、「保守系」「進歩系」で反応が異なりますが、やはりラテンアメリカの教皇の期待が強かっただけに失望が勝っているようです。各紙の見出しだけでも続けてご覧ください。
Un continuador de la línea de Juan Pablo II
ヨハネ・パウロ2世の路線の踏襲者(エル・メルクリオ:チリ)
http://diario.elmercurio.com/2005/04/20/_portada/_portada/noticias/AD4D3939-9ECF-4030-B6EA-CF211F1851E8.htm?id={AD4D3939-9ECF-4030-B6EA-CF211F1851E8}
El nuevo Papa Ratzinger europeo y conservador
新教皇、ヨーロッパ人で保守系(ディアリオ・ベア:ベネズエラ)
http://www.diariovea.com.ve/internacional.html
Ratzinger, el hombre que usó mano de hierro contra los teólogos críticos
ラツィンガー、批判の神学に鉄拳を振るった男(ミプント:ベネズエラ)
http://www.mipunto.com/punto_noticias/noticia_profundidad.jsp?tipo=MUNDOYA&archivo=050420000323.md4zlsh5.txt&carpeta=enprofundidad1
"Será dificil amar" a Benedicto XVI: ex fraile Leonardo Boff(同上)
ベネディクト16世を「愛することは難しい」と元修道士レオナルド・ボッフは語る
http://www.mipunto.com/punto_noticias/noticia_profundidad.jsp?tipo=MUNDOYA&archivo=050420000803.inl6epxa.txt&carpeta=enprofundidad1
Ratzinger ha defendido con mano de hierro la doctrina de la Iglesia católica
ラツィンガーは鉄拳を振るって教会の神学を守った(ホルナダ:メキシコ)
http://www.jornada.unam.mx/2005/abr05/050420/030n1mun.php
Fox, alborozado por la elección
フォックスは選択に大喜び(同上)
http://www.jornada.unam.mx/2005/abr05/050420/031n2mun.php
なお最後のメキシコのホルナダ紙で、「フォックス」とはメキシコの大統領ビセンテ・フォックスのことで、極めて保守的なカトリック信徒として有名で、メキシコ革命以来の伝統だった政教分離の原則を破棄した男です。この女房がまたあれこれと政治に口を出したり各界に顔を出して迷惑がられている女で、メキシコの進歩派からは鼻つまみ者です。
今のところ調べた限りではザッとこんなところですが、特にベネズエラの新聞の厳しい調子が目に付きます。南北アメリカ大陸ではカトリックの世界に亀裂が入りそうで、こんなことで今後の米欧支配層が掲げる「貧困対策」など出来るのでしょうか。まあウルフォウィッツのお手並み拝見、といきましょう。
オプス・デイにしてもヨーロッパのカトリック界の分裂を避けるためにあのドイツのヤクザ顔のゴリゴリ保守派を後押ししたのでしょうが、これがこの教団にとっては、致命的とまでは言わないまでも、かなりの犠牲を払わざるを得ない選択となってしまったでしょう。まあいずれにしてもカトリック内部のことは私にとっては「敵陣営」の話ですから冷ややかに見ておきますが、この矛盾のツケは無垢の貧困者に押し付けられるわけで、これは見過ごすわけにはいきません。
今後もカトリックとオプス・デイのウオッチを続けていきます。