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世界の環境ホットニュース[GEN] 505号 05年04月20日
発行:別処珠樹 転載歓迎 意見・投稿→ ende23@msn.com
統合地球観測システム(IEOS)
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一国の国力を計る方法の一つは、その国と近隣諸国との間に、どのような
関係が成り立っているかを見ることである。――ニコロ・マキャベリ
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アメリカ政府は19日、60か国と協力して地球のバイタル・サイン(生命の兆候)を
連続的にとらえる「統合地球観測システム」(IEOS)の構築を計画していると発表
しました。
▼4月19日、AP
http://www.enn.com/today.html?id=7563
APが配信した記事によると、「IEOS戦略計画」とよばれる10年がかりの計画は、
人工衛星・海洋ブイ・気象台などからの情報をほぼ60か国で集め、共有しようと
いうものです。ブッシュ政権のマーバーガー科学技術担当大統領補佐官は、「農
業、土地利用、水利計画、輸送、エネルギーのいずれの分野でも、環境に関して
集めるべきデータは多い」、地球規模の「システムのシステム」の構築が必要だ
と語りました。
発表された計画書はpdfファイル166ページに及ぶもので、きれいな言葉がずらり
並んでいるだけに、読んでいるうちに警戒の気持ちが湧いてきます。要約を見ま
すと、次の9点が主な目的として挙げられています。
▼報告書・全文
http://iwgeo.ssc.nasa.gov/default.asp
1 天気予報の精度を改善する
2 災害による人命と財産の損失を減らす
3 海洋資源を保護し、監視する
4 気候変動について理解を深め、評価・予測・緩和・適応する
5 持続可能な農業・林業を支え、土壌劣化とたたかう
6 環境要因が人の健康と福祉にあたえる影響について理解する
7 生態系に対する予測能力を高める
8 水資源を保護し、監視する
9 エネルギー資源を監視し、管理する
またアメリカ政府関係者は、政府機関だけでなく企業もこれに参加することが成
功の鍵だと述べています。
この計画は上のように人類全体の利益に資するところがあるのは確かだとしても、
これをアメリカの都合のいいように利用することも十分に可能なわけで、むしろ
その点を警戒すべきかもしれません。報告書を準備したのはNASAで、すでに準備
稿がNASAから出ていたことからも、軍事・経済戦略の側面が大きいことが伺えま
す。日本政府は、この計画について注意深く考えているのでしょうか。不安が残
ります。