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4月14日―メデアを創る
◇どちらを向いて外交をしているのか
4月14日の産経新聞に、久し振りに良質の記事を見つけた。気仙英郎という記者が書いた「ポトマック通信」という囲み記事だ。「大使と牛肉」と題したこの記事は、牛肉輸入を迫る米国の圧力に対応する加藤良三駐米大使の外交を、次のように痛烈に批判しているのだ。
すなわち加藤大使が米国の上院議員らから牛肉輸入を迫られた先月の出来事についてである。米上院議員は次々にメデアの前に現れ、口々に日本に対する不満を表明した。しかし加藤大使は、米国記者団からの求めに応じず、別に日本人記者向けのブリーフィングがあることを理由にその場を立ち去ってしまった。米国記者団からは当然強い批判が寄せられた。
この事件に関し気仙記者は次のような意見を書いている。
「・・・米国内の不満が強まっている状況を考えれば、米国のメデアに登場し、日本の立場を積極的に説明すべきだったのではないか。大使が日本のメデアに『米国の不満は切迫している』と力説しても日本向けの圧力にしかならず、米側の理解は進まない・・・」
まったくそのとおりである。実はここにわが外務省の外交のすべてが凝縮されていると言って過言ではない。
三十数年間外務省の内部に身を置いてきて、このような外交を嫌というほど見てきた。一口で言えば、日本国民の方に顔を向けることなく、米国の圧力を借りて、米国の利益実現のために、日本国民を脅かし、騙す外交ばかりだった。その最たるものが、憲法に反してまで進める米国への軍事協力であるが、小泉政権の4年間はそれがすべての分野で広く、深く進行していった。それはもう引き返せないほどの従属外交に成り果ててしまった。
このような外交を繰り返している外務官僚に士気とプライドがなくなるのは当然である。残るのは自分の保身と出世だけということになる。
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