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米第1軍団司令部の座間移転、政府が受け入れへ
http://www.asahi.com/politics/update/0413/004.html?t
在日米軍の再編・再配置をめぐり、日本政府は米陸軍第1軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)への移転を受け入れる方針を固め、米側に非公式に伝えた。米側が新司令部は規模を縮小し、指揮権が及ぶ地理的範囲も「極東」に限定すると説明したことを受け、米軍の基地使用は日本防衛と極東の平和維持のためとする日米安全保障条約の極東条項には抵触しないと判断した。ただ、実際に新司令部の指揮権が「極東」を超えないのかははっきりしない。また、地元自治体が反対しており、移転受け入れは他の再編・再配置にも連動していることから、正式決定は再編協議の最終段階となる見通しだ。
米側は一連の再編協議で、この司令部移転を最優先で要請。朝鮮半島や台湾海峡での不測の事態に備えてのことだが、現在の同司令部は太平洋からインド洋までを受け持つ広域司令部だけに、日本側は「極東」の範囲を超えるとして昨年9月、受け入れは困難といったんは回答していた。
だが、米側はその後も移転を求め、新司令部の指揮は極東の範囲に限定する▽現在の司令部より規模を縮小――などの妥協案を示し、これに日本側も理解を示した。
米陸軍は世界各地の紛争やテロに機動的に対処できるよう組織改編を進めている。「軍―軍団―師団」という3段階の指揮系統を、広域司令部(UEY)と作戦運用司令部(UEX)の2段階に再編成し、UEXの下には作戦に応じて実際の戦闘部隊(UA)を割り振る構想だ。
現在の第1軍団司令部はUEYに相当するため、当初は新司令部もUEYになるとの見方があった。だが移転に伴ってUEXに改編し、太平洋軍司令部(UEY)の下に置かれることになったと米側は説明している。現在の司令部の機能は一部をUAに移すため、新司令部は現在の規模から数百人縮小されるという。
米側は「極東を超える地域での作戦は別のUEXが受け持ち、極東条項との整合性は保たれる」との見解を日本側に示しており、日本側も「その前提なら受け入れ可能」との考えを伝えた。
米側が座間への移転にこだわるのは、朝鮮半島や台湾海峡という不安定要因を抱え、前方での指揮統制能力の強化が必要と判断しているためだ。新司令部は陸軍のほか海軍や空軍、海兵隊を統合して指揮にあたる見通しで、共同対処のため自衛隊と普段から関係を密にしたい考えもある。日本側も「抑止力の維持、強化につながる」(外務省幹部)と新司令部を受け入れる方向になった。