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04/11 16:54 非難応酬、深まる対立 米とベネズエラ左派政権
南米最大の産油国ベネズエラの左派チャベス政権と米ブッシュ政
権が非難の応酬を重ね、対立が深まっている。米政府はチャベス大
統領が周辺国の反政府左翼勢力を支援し、地域の不安定化を扇動し
ていると批判。反発した大統領が、輸入石油輸入の約１５％をベネ
ズエラに頼る米国への供給停止も辞さない構えを見せ、強硬姿勢を
強めており、世界の石油市場の不安要因となっている。
ベネズエラは日量三百十万バレル（政府発表）の石油生産のうち
約半分が米国向けで、石油は「どんなに政治的な緊張が高まっても
断ち切れない両国間の太いきずな」（外交筋）とみられてきた。し
かし、チャベス大統領は昨年末からロシアや中国、インドなどを相
次いで訪問、新たな輸出先を探る動きを見せている。
米国とベネズエラの対立にはキューバ問題が絡む。チャベス大統
領は米国と敵対する社会主義国キューバのカストロ国家評議会議長
の盟友。中南米における第二のキューバ誕生の芽を摘みたい米国は
、イラク戦争などを「帝国主義」と指弾するチャベス大統領を警戒
。米南方軍幹部は三月、「ハイエナのような戦略」で周辺国に介入
していると一段と非難のトーンを上げた。
米政府内には、テロ組織に指定するコロンビアの左翼ゲリラ、コ
ロンビア革命軍（ＦＡＲＣ）とチャベス大統領が思想的に共鳴し、
協力関係にあるとの疑いもくすぶる。
大統領は最近、ロシアからの十万丁ものＡＫ４７自動小銃の購入
計画を公表。米政府は小銃がＦＡＲＣに渡る事態を恐れ、ラムズフ
ェルド国防長官は「なぜ十万丁も必要なのか理解できない。米州の
利益にならない」と憂慮を示した。一方、チャベス大統領は「わが
国を孤立させるためのキャンペーンだ」と応酬した。
大統領はボリビアで道路封鎖など過激な反政府抗議行動をとる野
党、社会主義運動のモラレス党首とも親密な関係にあるとされる。
二〇〇三年十月、親米政権の崩壊につながった大規模デモを主導し
た人物だ。
モラレス党首はコカインの原料であるコカの栽培農家を支配下に
置いているとされる。この地域で麻薬の密輸対策などを率先する米
国は、地域の秩序が乱され、麻薬撲滅に支障を来すことへの強い懸
念を抱いている。（カラカス共同＝本蔵一茂）
20050411 1943
[2005-04-11-16:54]
04/11 16:03 チャベス大統領
チャベス大統領 軍中佐だった１９９２年にクーデター未遂事件
を起こして投獄され、恩赦後の９８年の大統領選で当選。２０００
年に再選された。独立の父シモン・ボリバルの思想に影響を受け、
大統領権限の強化や虐げられた貧困層の救済などを中心に左翼的な
政策を進めてきた。９９年に大統領再選を可能とするなどの憲法改
正を実施したが、急進的な政治手法に批判が高まり、０２年４月に
クーデター未遂事件、０２年末から０３年初めには大統領退陣を求
めるゼネストもあった。（カラカス共同）
20050411 1603
[2005-04-11-16:03]
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