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4月9日―メデアを創る
◇ローマ法王の葬儀に不参加の小泉首相
アラファトPLO議長の時もそうであったが、世界の首脳があつまる弔問外交に小泉首相はまるで関心を示さない。またもや川口首相補佐官を派遣してお茶を濁した。
ローマ法王の死が、世界中の国にとってどれだけ大きな意味をもつか、世界が平和と繁栄をめぐって分裂し、混迷している今日を考えれば、容易にわかるはずだ。それを示すかのように、世界中の首脳が集まった。米国はブッシュ大統領親子やクリントン前大統領、ライス国務長官がこぞって出席している。
サミット参加国はすべて大統領、首相が出席した。イラク戦争を巡って対立したブッシュ大統領とシラク大統領が握手している写真が世界を駆け巡った。国連の常任理事国入りを巡って対立しているドイツのシュレーダー首相とベルルスコーニ首相も出席した。英国からはチャールズ皇太子とブレア首相が共に出席した。韓国は李首相を団長とする弔問団を派遣した。
中東ではイスラエルのカツアブ大統領が敵対国のシリア、イラン大統領と握手し言葉を交わした。
唯一出席を拒んだ主要国は中国であるが、これは台湾の陳水扁総統の出席に抗議する政治的意図表明だ。これはこれでれっきとした外交的メッセージだ。
要するに、パウロ二世という「世界の平和と繁栄」を願う象徴の死を、世界の国民が悼んだのだ。
そのような中で、唯一出席をしなかったのが日本の小泉首相である。その時小泉首相は何をしていたか。国民の誰もが理解できない郵政民営化のドタバタ劇で一人英雄気取りだ。改装した新首相公邸に設置された燃料電池の納入式典でスイッチを入れている写真が9日付の産経新聞に大きく掲載されていた。地球規模の外交が行われている最中に、政権維持のための国内パフォーマンスに専念していのだ。
この異様さを指摘している大手新聞はわずか東京新聞一紙であった。
こんな国が国連安保理常任理事国入りを当然視して各国に要求しているのだ。わが国の首相にこのような失態を演じさせている外務官僚たちの無責任さこそ問われなければならない。
◇安保理改革に反対する米国の本音が出た
その日本の国連安保理常任理事国入りに黄信号が灯り始めた。米国が7日の国連総会でアナン事務総長が求めた安保理改革の9月決着に反対を表明したのだ。
タヒルヘリ米国務長官上級顧問(国連改革担当)が、「(国連改革の)総意が容易には形成されない問題が存在、人為的な期限に縛られるべきではない」と、9月の特別首脳会合前という期限を設けて加盟国に改革の決断を迫ったアナン国連事務総長の勧告に否定的な見解を示した。
これに先立つ6日に中国の国連代表が、やはり「人為的な期限」という同じ表現を使って反対の意を表明している。「米国と中国が示し合わせたということはないようだ」と日本の国連筋は述べている(9日付産経新聞)ようだが、ブッシュ大統領は中国が提案した副大臣級の米中定期協議を受け入れたという重要な動き(9日付東京新聞)を見落としてはならない。
同じ頃オランダのボット外相は町村外相と外務省迎賓館(飯倉公館)で会談し、「現在の常任理事国拡大案、準常任理事国新設案のいずれも支持するにたりない。欧州連合議席を設けられるよう見直すべきだ」と述べたという(9日付読売新聞)。
このような一連の流れをどこまで知っているのかわからないが、小泉首相は8日昼、首相官邸で記者団に、「国連改革の機運が盛り上がっているからね、いい時期だと思う」と述べたという。
イラク戦争のときもそうだった。世界の動きなど目に入らずに一人相撲で外交を繰り返す小泉首相である。
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