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「クリケット外交」に水を差す米国
分断統治とは、植民地時代の帝国主義の鉄則である。その植民地時代の戦略を、21世紀の今日において、世界支配を狙う米国が採用している。このように書くと、安物の陰謀説のように聞こえる。
しかしそう思いたくなるような今日の国際情勢だ。中東にいつまでたっても平和が来ないのは、アラブ諸国の団結が実現しないからだ。その原因は中東諸国の主導者の多くが身勝手な独裁者であるからだが、その独裁者を使い捨ててきたのが米国なのだ。パレスチナ問題がいつまでたっても解決しないのは、パレスチナ国家を認めたくないイスラエルがテロ行動を誘い出して、パレスチナ弾圧の口実にしているからだ。それを米国が黙認しているからだ。
目をアジアに転じると米国の離反政策はさらに明確だ。日本と中国の関係悪化の背景には間違いなく米国の意図がある。中台関係の緊張を煽るのも、北朝鮮の脅威を強調するのも米国だ。東アジア共同体構想の発展に強硬に反対するのはアジアの結束を恐れるからだ。
このような米国の分断政策がインド・パキスタン関係に及んでいるという記事を4月5日の毎日新聞に見つけた。「キーワードを読む」というコラムで薄木秀夫編集委員が次のように書いている。
インドとパキスタンの間で和解ムードが広がっているという。宿命の紛争地域であるカシミールでバス運行が再開されるのに加え、パキスタンのムシャラフ大統領が近くクリケット観戦の為に訪印する予定だという。観戦のパキスタン人に特別ビザも発給されるようになった。
この「クリケット外交」に水を差すように米国がインドとパキスタン双方に戦闘機売却など軍事支援の方針を決定したのだ。軍拡競争をあおり、緊張緩和どころか相互不信へ暗転する結果にもなりかねないと、薄木編集委員は指摘する。
米国の離反政策は間違いないような気がしてくるのだ。
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