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<謎の求人、ハローワークやネット上に> 「東京新聞」(特報)4/3
テロが続発し国内情勢がいまだ不安定のイラク。自衛隊ですら厳重な警戒を
しながら活動している場所だが、そのイラクを勤務地とする土木工事の求人
票が長崎市のハローワークで公表されたという。
イラク復興ビジネスに動く日本企業の隠れた動きなのか、それとも…。
基本給50ー60万 渡航費用は会社負担
「土木工事の手元作業(水道工事、学校建設工事等)就業場所・イラク、
雇用期間3月20日ー9月20日、更新なし、パスポート取得可能な方」
「基本給は50ー60万円」
この求人は今年2月、長崎市の労働者派遣会社が、同市の長崎公共職業安定
所(ハローワーク長崎)に出したものだ。備考欄には「イラクまでの旅費、
宿泊費は会社負担、保険については元請け会社が民間保険に加入する」とも
ある。
ハローワーク長崎によれば、同社は元請けとして大手総合商社の名前を挙げ
た。求人票はネット上で公開されたため、長崎、京都、岡山などから5件の
問い合わせがあり、長崎県の男性2人に実際に同社を紹介した。ところが3
月中旬、求人は突然取り下げられた。
ハローワークの担当者は「長崎には造船所がある関係上、造船業が伸びてき
ている中国、韓国から技術者の求人もあり、勤務地が海外という場合も多い。
勤務地がイラクだからといって、求人票を公開しない法的な理由はなかった」
と説明する。
申し込んだ2人パスポート取れず
この問題を自信のホームページで取り上げた同県佐世保市の山下千秋市議は
「(紹介された)2人は、実際に長崎県庁までパスポートを取りに行ったが、
渡航先がイラクと聞き県庁に断られたらしい。それにしてもどういう意図で
出された求人なのか不明だ」と話す。
労働者派遣会社は本紙の取材に応じていないが、商業法人登記上、取締役は
一人しかおらず、民間調査期間でも把握されていない。大手総合商社との関
連性も見えない。事実、元請と名指しされた商社の広報担当者は「その会社
とは、下請けとの関連も含めて取引関係はない。なぜウチの名前が挙がった
のか」と首をひねるばかりだ。
こうした意図不明の「勤務地イラク」の求人は、ハローワークとは別の民間
業者のネット上にも存在する。3月9日にはある掲示板に「急募!海外派遣!
月収100万円以上」と求人が出された。やはり勤務地はイラクで、しかも自衛
隊敷地内の作業。寮完備とある。かなり怪しげな内容だが、求人元の静岡県
焼津市の男性の名前と、携帯番号も記載している。ただこの番号は何度電話
しても出なかった。
外務省邦人テロ対策室は「法的拘束力は、イラク全土は退避勧告を出しており、
民間人は入国しないよう呼び掛けている。日本企業が土木工事を請け負うとい
った情報などないし、ましてや自衛隊敷地内の仕事などあるはずがない」と
語気を強めた。
大量の出稼ぎ労働者 高給で雇う米企業 日本もいずれは…
ただ、米企業は高給で、イラクで働く技術者らを集め、フィリピンやインドか
らは危険を顧みず、大量の出稼ぎ労働者が入国しているという。いずれ日本人
労働者がイラクで働く可能性もゼロではない。
国際未来科学研究所の浜田和幸代表は「日本企業は以前からイラクのビル、港
湾、道路、学校、病院の建設などに深く食い込んでいる。戦後復興に参画した
いが、政治状況からチャンスを待っている状態ではないか」と指摘した上で、
こんな可能性を示唆する。
「イラクが安全になったことをアピールし、早く軍隊を撤退させたいアメリカ
にとって、危険を顧みずイラクにショールームを作った韓国の自動車会社・
ヒュンダイのような、民生部門の進出は喜ばしいこと。今回の求人は、もし勤
務地イラクという条件の場合、日本人がどういう反応を示すかという、アメリ
カ側のアドバルーン的要素があったかもしれない」