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シリア・アラブ共和国の「ダマスカス市新規水源開発計画(1/2)」に対する無償資金協力について
平成17年3月28日
わが国政府は、シリア政府に対し、「ダマスカス市新規水源開発計画(1/2)(the project for Development of New Water Resources for Damascus City)」の実施に資することを目的として、総額7億3,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が3月28日(月)、ダマスカスにおいて、わが方林梓駐シリア国大使と先方アブドッラー・ダルダリー企画庁長官(Mr. Abdallah Al-Dardarri)との間で行われた。
ダマスカス市およびその周辺地域(ダマスカス首都圏)の人口は年率約3.0%で急速に増加を続けており、現在既に不足に陥っている同地域の給水事情は、今後年々悪化の一途をたどると推定される。ダマスカス首都圏への主水源は、同市北西部に位置するフィジェ湧水とバラダ湧水およびダマスカス市内井戸群であるが、フィジェ湧水だけで全体給水量の65〜75%を占める。しかし、この湧水量は季節や降雨量によって大きく変動し、渇水年や乾季(8月から12月まで)に深刻な水不足に見舞われる。近年では1999年から発生した旱魃時には、1日12時間以上の断水が6ヶ月間4年連続で起こる緊急事態となった。このような状況の下、本事業の実施主体であるダマスカス市上下水道公社(DAWSSA)は、ダマスカス市の北西部において新たに水利権を獲得した3水源地で地下水を開発し、新規導水管路により既存水路まで導水する水源開発計画を作成し、同計画に必要な取水・導水施設の資機材調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、1期目に1つ、2期目に2つの水源が新たに利用可能となり、渇水時の水の生産量が約1割(30,000m3/日)増加し、ダマスカス首都圏の住民約260万人が直接裨益する。また、渇水時の緊急用水源が整備されることにより、ダマスカス首都圏の渇水時の断水が減少し、断水による市民生活への経済的・衛生的・社会的悪影響、特に貧困層への圧迫が軽減される。
(参考)
シリアは、地中海東部に位置し、トルコ、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノンと国境を接している。人口は約1,800万人で国民の約85パーセントがアラブ系である。主要産業は農業であり、一人当たり国民所得は約1,288ドルの開発途上国であるが、現在、社会主義経済制度の改革を通じ、経済開発を進めている。
経済協力局 無償資金協力課
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_0328b.html