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イラク議会選2カ月、もたつく新政府 復興にも支障
2005年03月27日07時24分
イラクの新政府の発足が大幅に遅れ、復興事業や経済活動にも影響が出ている。新政府の承認が必要な地雷除去の作業や、建物の再建などが止まっている。1月末の国民議会選挙から2カ月近くになるが、政府発足をめぐり、過半数をとったイスラム教のシーア派勢力と第2会派の少数民族クルド人勢力の政権協議で最終合意は遅れている。
「さんざん待たされ、いつまで待てばいいのか」と語るのは、バグダッド市内にあるアッラティク社で地雷除去事業を担当するラアド・アブドルカリム部長だ。昨年、バグダッド周辺の地雷除去プロジェクトで100万ドル(約1億円)の契約を暫定政府の計画省と結んだが、事業は新政府の承認待ちとなっている。「事業費の3%にあたる3万ドル(約320万円)の保険料を払っているのに、始めることができない」と語る。
首都北部のタルミヤ地区では、モスク(イスラム礼拝所)を再建するために必要な政府援助の支給が遅れている。援助額は1000万イラク・ディナール(約75万円)。1月の選挙前に最初の200万ディナールを得て工事を始めたが、2回目の援助が遅れている。モスク責任者のムゲール・ハリール氏(52)は、「工事は止まったまま。信者たちの日々の礼拝にも支障がでている」と語る。
暫定政府閣僚会議事務局のムハンマド・タミーミ専門委員会担当部長は「政権づくりが遅れ、すべての業務が止まっている」という。「復興事業を進める緊急再建委員会では500万ドル(約5億円)以上の契約がすべて停止され、各省庁の新規採用や、大臣の承認が必要な契約事項はすべて凍結されている」と語った。
新政府発足に向けて、シーア派の統一イラク連合とクルド同盟は協議を続けている。暫定政権のアラウィ現首相が率いる政党「イラキヤ・リスト」や、議会少数派に転落したスンニ派会派との協議も必要だ。関係者によると、大臣ポストの数の配分は統一イラク連合が16〜17、クルド同盟は7〜8、スンニ派が4〜6などになりそうという。
どの勢力がどの省庁をとるかで、政策や契約も変わる。26日に国民議会が招集される可能性もあったが、延期された。クルド同盟筋から「29日招集」の情報が出ているが、シーア派政党のダワ党のジャファリ代表は「今月末を越えることがないようにしたい」と、更なる遅れも示唆している。
http://www.asahi.com/international/update/0327/001.html