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3月23日 05年46号 ◆ ブッシュ大統領の兵役逃れ ◆ 米国は陰謀できるほど頭が良いのか ◆ 一枚40億円の公電 ◆ やたらに発言する奥田経団連会長
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◆ ブッシュ大統領の兵役逃れ
◆ 米国は陰謀できるほど頭が良いのか
◆ 一枚40億円の公電
◆ やたらに発言する奥田経団連会長
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◇◆ ブッシュ大統領の兵役逃れ ◆◇
サピオという月刊誌に時々貴重な情報が掲載される。今発売されている4月13日号もそうだ。米国メディアの最新動向を鋭くウォッチするコロンビア・ジャーナリスト・レビュー誌というのがあるらしい。そのアシスタントエディターであるコリー・ペイン女史のレポートが転載されている。大統領選挙の最中にブッシュ大統領の兵役逃れを示す偽者の証拠文書を報道したとしてCBSが批判された事件は記憶にあたらしい。その責任をとって名物アンカーマン、ダン・ラザーまでが辞任した。ところがこの事件は、実はブッシュ陣営の過激なブログサイトによる仕組まれたデマゴーグであったとペイン女史は書いているのだ。つまり米ジャーナリズムの実態はインターネットによる攻撃に生殺与奪件まで握られた危機的状況にあるというのだ。
そのレポートの要旨はこうである。
事の起こりは、元テキサス国家警備隊ビル・バケット氏がCBSのマリー・メイプス女史に送った一枚のファックスから始まる。それはベトナム戦争当時、ブッシュ氏の兵役時代の上官であるジェリー・キリアン中佐によって書かれた「特別待遇による除隊」を示唆する文書である。
キリアン中佐の秘書をしていたマリアン・カーノックス女史は、「その文書は改ざんされたものかもしれないが中身は正しい」とCBSテレビ番組で何回も証言し、全米が大騒ぎになった。そこに登場したのがブログによる過激な攻撃である。少しでもその文書の正しさを指摘しようものなら、あらゆる誹謗、中傷がウエブサイト上に浴びせられる。嘘、不正、ニセ学者、リベラルな馬鹿者などなどの攻撃がなされる。
そのうちメディアまでが影響を受けるようになる。「ダン・ラザーとニューヨークタイムズの言う事は信用できない」、「すべてのアメリカ人はその文書が偽物であることを知っている」などと、何の根拠もなく言い切るメディアまで登場した。
ブッシュ大統領の兵役逃れはその後も様々な形で語られ、ブッシュ大統領自身もそれを認めるような発言までする始末だ。それにも関わらず、この文書の真偽が究明されないままCBSの責任者がこぞって辞任して幕が引かれた。
これで思い出すのが日本でみられた人質事件でのメール上の「自己責任」のバッシングである。声の大きいものが正しく、攻撃にさらされて黙ってしまうものが間違っているという風潮は危険だ。我々は何が正しいかを人任せにすることなく自分で真実を探す努力をしないと、いずれ後悔することになる。
◇◆ 米国は陰謀できるほど頭が良いのか ◆◇
9・11事件は米国の陰謀だと言う説が根強い。すなわちアメリカはテロ計画を知っていながら実行させた、事件の背後にはイスラエル諜報機関がいたなどという説である。その疑いを示す数々の指摘もなされている。もしそうだとすれば世界がひっくり返るほどの事件だ。
我々が知っているつもりになっている事がどこまで真実なのか。私なども自信がなくなるときがある。例えばレバノンのハリリ首相の暗殺についてだ。私は今でもシリアの仕業だと信じているのであるが、3月22日の東京新聞「こちら特捜部」の記事には考えさせられた。
その記事は、爆発事件に最も衝撃を受けているのはハリリ氏の警備を請け負っていたドイツの警備業界だとした上で、レバノン治安筋の言葉を次のように引用している。
「・・・土中に埋められていた爆発物による爆殺だ。ハリリ氏は通常、車4〜5台で移動する。当人は二台目で自ら運転する事が多く、遠隔装置の信号をさえぎる装置が装備されていた。そのシステムが破られた。シリアにはこんな技術力は到底ない・・・」 。
そうだとしたら黒幕はイスラエルであり、それを知っていた米国だということになる。もっともレバノンの治安当局はシリアに支配されているのでこれを鵜呑みには出来ないが、確かにハリリ氏の死でレバノンに反シリアの動きが出ればそれを民主化の動きだと喧伝する米国に有利に働く。米国は自ら手を下さずにシリアの独裁政権に圧力をかけられる。
いずれにしても陰謀説は永久に確認されないで終わるであろう。たとえ限りなく明らかになっても当事者はそれを認めないに違いない。陰謀説がいつまでたっても陰謀説にとどまるゆえんである。
これに関連して4月5日号の週刊プレイボーイに国際ジャーナリスト河合洋一郎氏の面白い記事が出ていた。今のアメリカには長期的戦略に基づいた陰謀など作れないとして次のエピソードを引用している。
かつてCIAがロシアの超高速対艦ミサイルSS−Nー22サンバーンを購入しようとした時の話だ。普通はこのような超極秘兵器の購入は闇市場を通じて入手するものだが、なんと米国はロシア国防省に正式に要求したという。それに応じたロシア政府も驚きであるが、とにかく、実験にはロシア人が立ち会う、実験のデータはロシア側にも渡される、ミサイルを分解して秘密を盗まない、などの条件を飲ませて1基100万ドルで売ろうとした。ところが契約段階に入ろうとした時CIAの担当者の一人にウクライナの武器商人が1基35万ドルで売りたいとコンタクトしてきた。接触を受けた担当官は喜んでペンタゴンに報告したが戻ってきた答えはノーだった。1基100万ドルの予算がもうついた。35万ドルだと予算が使い切れないという理由からだ。
ブラックマーケットから手に入れることができればロシア人に気兼ねせずバラバラに解体してミサイルの秘密を盗めるのに、である。更におかしいのはこのサンバーンの購入も、退役軍人が天下っている兵器産業の介入で結局買わずに終わったということだ。ロシア側は結局サンバーンをイランや中国に売ってしまった。その結果これらサンバーンが逆に米国の太平洋艦隊を脅かす事になったという。こんな間抜けな米国に陰謀などできるはずはないというのである。
たしかに米国にはこのような間抜けなところがあると思う。しかしその一方でとてつもない優秀さ、狡猾さを持っているのも米国なのである。だから米国は始末に負えないのである。
◇◆ 一枚40億円の公電 ◆◇
現地の日本大使館から東京の外務本省へ発出する電報を外務省用語で公電という。その公電の価値にも天と地の開きがある。その違いはどこから来るのか。ズバリ米国を困らせる電報は破り捨てられ、米国の意向を伝える電報は小泉政権を振り回す。たとえば米国のイラク戦争を批判した私の公電などは苦々しい思いで受け止められ、小泉首相に届くことなく無視された。ところが米国の軍人からの命令を伝えた公電は一枚40億円の価値となって日本政府を振り回したのである。
その公電のことを私は3月23日の読売新聞「続 小泉外交」という記事で知った。その記事によるとこうである。
テロ特措法の成立を受けて、2001年11月6・7日の両日、ホノルルの米太平洋司令部で外務省、防衛庁と自衛隊の担当課長らが米軍幹部とひそかに会談した。米国の要求と日本側の対応には大きな開きがあった。慎重な発言を繰り返す防衛庁の課長に怒った米側は、協議の直後に在米大使館員を国防総省に呼びつけて、「何を馬鹿なことを言っているんだ」と罵倒した。
ホノルルでの協議内容を知らされていない大使館員には寝耳に水の話であった。その大使館員は直ちに米側の怒りを公電2枚にしたため、東京に打電した。「ハワイでの日本側の説明は小泉首相の発言と軌を一にしているとは思えない。米軍の作戦にも殆ど役立たないと国防省は主張している」
小泉首相は9月19日の記者会見ですでに「最大限の支援と協力」を米国に約束している。公電を受け取った外務省幹部はあわてて古川貞二郎官房副長官(当時)の元へ駆け込んだ。外務省と海自の幹部は奔走した。銀座で妻と買い物中であった米第7艦隊の参謀長に面会を求め、近くのホテルのロビーに連れ込んで、米国が希望している給油量などの情報を聞き出した。
こうして11月16日に決定された自衛隊派遣の基本計画では、米艦船への燃料の無償提供が明記されることとなった。2001年度の補正予算でそのための80億円の予備費が計上された。ホノルル協議で課長たちが返答を渋ってからわずか10日足らずの決定であった。米国の怒りをそのまま垂れ流した公電の価値は一枚40億円。そのつけを我々の税金に回してくる働きをしたのだ。
◇◆ やたらに発言する奥田経団連会長 ◆◇
この人は何か勘違いをしているのではないか。自分を総理よりも偉いと思っているのではないか。自分の発言を皆がありがたがって聞くと思い込んでいるのではないか。大変な思い上がりだ。
私がトヨタの職員であったらこんなことは怖くて言えないであろう。トヨタと付き合いのある会社の職員であっても同様であろう。政治献金を経団連からもらわなければならない政治家も、愛知県選出の国会議員、地方議員も奥田経団連会長、奥田トヨタ会長の機嫌を損ねる事はできない。労働組合までもが奥田会長の前にひれ伏しているようだ。
しかし私は彼とは何の利害関係も持たない。これからも持つことはない。彼と同じく一国民だ。それどころかトヨタの車を買うかもしれない大切なお客様だ。お客様は神様だ。だから言う。もう少し発言を慎めと。
なにしろ改憲発言からはじまってホリエモン騒動についてのコメントに至るまでなんでもかんでも言いたい放題だ。そういえば二年前、イラク戦争に反対してブッシュ大統領と対立したシラク大統領を批判する発言までしていた。一人のビジネスマンがフランスの大統領をメディアで公然と批判しているのだ。
その奥田会長が牛肉問題について発言しているのを聞いて腹が立った。23日の朝日新聞はこう書いている。22日の記者会見でライス国務長官の来日について語った言葉だ。
「・・・輸入規制がほかの業界に波及する可能性もある。早期の決着をお願いしたい・・・食品安全委員会があまり開かれていなかったことが大きな問題と聞いている。積極的に安全委を開いて取り組んでいる姿勢を示すことが一番大事だ・・・」
何を言っているのだろう。自分の業界のことしか頭にないのか。食品安全委員会が開けないのは米国側が資料の提出を拒んでいるからだ。検討したくても検討する材料が米国から得られないのだ。出せと求めても応じないのだ。それでいて輸入を急げという。それが出来なければ制裁すると脅す。
そういえば23日朝のNHKのテレビニュースで、町村外相がライス国務長官に「専門家による検討を急がせる」ことを約束していたとの関係者の発言を報じていた。やはり国民に隠して密約していたのだ。ライス国務長官が手ぶらで帰るわけがない。小泉首相がブッシュ大統領の機嫌を損ねる事をするはずがない。
小泉売国首相に奥田財界総理。いいコンビだ。彼らに「日本を動かしているのは自分だ」と錯覚されてはたまらない。
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