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米中「不信」どう調整 ライス長官、きょう訪中 「北・台湾」進展は困難
【北京=伊藤正】アジア歴訪中のライス米国務長官は二十日、韓国から北京入りし、中国指導部と北朝鮮の核問題や台湾問題を中心に協議する。二十二日からの北朝鮮の朴奉珠首相訪中を前に、六カ国協議再開問題が焦点だが、中国の反国家分裂法制定などを契機に顕在化した、米中の戦略的対立が北朝鮮への対応にも微妙に影響、「大きな進展は期待できない」(外交筋)とみられている。
ライス長官の訪中は、大統領補佐官時代の昨年七月以来。当時、中国当局が米中関係を「一九七二年のニクソン訪中以来最高」と公言するほど、信頼関係が強まっていた。
米中は反国際テロリズムをはじめ多くの国際問題で協力。北朝鮮の核問題では昨年六月の第三回六カ国協議で平和的解決の枠組みをつくり、台湾問題でも米側の台湾独立反対の立場表明で、米中関係の主要な障害ではなくなったとまで評された。
中国の国際問題専門紙「国際先駆導報」は今回のライス長官の訪中について「戦略的微調整」と分析した。中国の対米協調という短期戦略は不変ながら、北朝鮮、台湾問題や貿易不均衡拡大などで米側に生じた不信感の調整が必要とする。
その中で最も重要な問題は、北朝鮮と台湾だ。米国は台湾の独立阻止に武力行使権を規定した反国家分裂法を、台湾海峡の緊張を高めるとして警戒、二月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)の「共同戦略目標」に台湾問題の平和解決を盛り込み、中国側の反発を呼んだ。
中国は日米が東アジアにおける共同戦略体制を強化、台湾だけでなく周辺海域での「覇権」を握り、中国を封じ込める狙いとみている。
北朝鮮の核問題では六カ国協議を通じた平和的解決という「合意」に変更はない。ただ北を協議に復帰させる方策では、中国の影響力行使を望む米国に対し、中国は北の対ロシア接近を招くことを警戒、「圧力は逆効果」とし、北の「合理的懸念」、つまり体制転覆への不安に米国が理解を示すべきだとの立場だ。この違いをどう埋めるかが今回の焦点だ。
ライス長官は十九日の東京での講演で、今回の歴訪を「自由と民主主義拡大」促進とし、北朝鮮だけでなく中国の人権状況にも注文を付けた。
ただし米国務省は今年の国連人権委員会への対中非難決議案提出を見送り、中国への刺激を避けた。
しかし胡錦濤政権は最近、西側の自由化思想の浸透を警戒、言論規制を強化する一方、社会主義、愛国主義をたたえる政治教育に力を入れ、北朝鮮擁護の動きも強めている。米中の戦略調整は容易ではなさそうだ。
(産経新聞) - 3月20日2時54分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050320-00000007-san-int