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ファルージャの犠牲者(2004年11月スグレナさんの記事)
http://humphrey.blogtribe.org/entry-fac7bf46e16675d11d8f262707d9b9e4.html
イラク侵略開始から2年が、最初のファルージャ総攻撃から1年近くがたとうとしています。イタリアの記者ジュリアナ・スグレナさんをめぐる報道がなされているのを機に、スグレナさんが昨年11月に書いた記事を紹介します。次から次へと起こる出来事の中で、それでも、ファルージャで行われたことを、今も行われていることを忘れないよう(それだけでは十分ではありませんが)。
ファルージャの犠牲者2000人
ジュリアナ・スグレナ
イラク発
イル・マニフェスト紙原文http://www.ilmanifesto.it/pag/sgrena/en/420dc3a05e58d.html
2004年11月26日
今月11月[2004年11月]は、占領の中で最も多くの血が流された月の一つとして記憶されることになるだろう。今月はじめ以来----まだ今月は終わっていないのだが----、109人の米軍海兵隊員が殺された。4月のファルージャ攻撃よりも既に多い犠牲者数だ。しかしながら、何よりも、最も大きな犠牲を払っているのはイラクの人々である:2085人が米軍の攻撃で殺された。これはイラク治安相カッシム・ダウードが発表したもので、彼は民間人の数を特定していない。同相は、問題は身元認定にあるという。というのも犠牲者のほとんどが身元を認定できる書類を身につけていないから。けれども多くの目撃者たちは、問題は遺体が見分けられないほどに黒こげになっていることにあると語る。これはまた、ナパームが使われたことを疑わせると。ファルージャで犠牲者の数が増加すると同じ時に、オスロからさらに気の滅入るニュースが入ってきた。イラク保健省が、ノルウェイのFAFO応用国際研究所およびUNDPの協力で行なったイラクの子どもたちの健康状態に関する調査報告である。この報告は、戦争開始(2003年3月)以来、5歳未満の子どもで急性栄養失調になっている子どもの数が4%から7.7%とほとんど二倍となったと報じている。さらに、40万人以上が慢性的な下痢とタンパク質不足を被っていると。
世界食糧計画(WFP)は170万人の子どもたちに食料を配布しており、多くの食料を配布したとFAFO研究所のヨン・ペダーソンは言う。だから、栄養失調があることは予想されるが、その人数がこれだけ高いことは理解しにくいと。そして、占領下で悪化した食料欠乏の一部を埋め合わせる国連がなかったどのような事態になっていたかと思わざるを得ない(既に経済制裁のもとで状況は過酷だった)。大人について言えば、9月の段階で650万人のイラク人が、食糧配給に全面的に依存していた。電力の不足とそこから引き起こされる湯を沸かせない状態により、人々の健康状況はさらに悪化することとなっている。下水を含むインフラも極めてよくない状況である。地方部に住む人々の6割と都市部に住む人々の2割が、安全な飲み水にアクセスできないと推定されている。
こうした生活状況が日々人々の怒りを膨らませ、占領に反対させている。けれども、占領軍は終わることなき戦争を続け、選挙の準備をすることに忙しく、この「平定」は安全を意味しないということ(毎日これは明らかである)に気付かないようである。さらにこの「平定」はアメリカ人に仕えるアラウィ政権が呼びかけた選挙に対する合意をもたらしもしない。昨日、アメリカ人たちは自らの伝統に敬意を表してイラクの米軍基地で感謝祭の七面鳥を食べ、感謝祭に敬意を表してバグダード南部の「ポリマス・ロックス」への攻撃を開始した。この攻撃には3000人の海兵隊員と1000人のイラク国家警備隊兵士が参加し、さらに米軍のファルージャ攻撃を補強するためにバスラから連れてこられた英国部隊から数百人の英軍ブラック・ウォッチ兵士が参加した。昨日、サダムのノマンクラツーラが余暇を過ごした首都南部にあるユーフラテス沿いのヴィラを攻撃したのはブラック・ウォッチだった。その目的は、サダムの信奉者たちとその資金を狩り出すことにあった。兵士たちは80人のイラク人を拘束し、爆弾作成に用いられると疑われる装備を没収した。米国人たちがファルージャで発見したと称した火器とは比べ者にならなかった。「ここにはイラク全土のレジスタンスに十分供給できる量の武器がある」とアメリカ人たちは言っていた。彼らはまた、科学兵器製造の工場と説明書を発見したと主張してもいた。
「死の三角地帯」に対する米軍の攻撃は、ファルージャ攻撃ほど大規模ではない。「これから数日の間に、我々は一連の集中攻撃を行う予定だ・・・・・・それは正確さと根気強さと忍耐を特徴とするものになる。それがゲリラ放棄に対抗する鍵だからだ」と海兵隊のデヴィッド・ネバース大尉は昨日語り、「外科的正確さをもった攻撃」について説明した。同じ日、バグダードではたくさんの爆発音が聞こえ、グリーンゾーンからも煙があがっていた。グリーンゾーンの外で、教育省の米国人「顧問」が昨日殺された。アル=ザルカウィのグループが実行を表明した。
選挙が6カ月遅らされないならボイコットすると導師たちが主張しイラク・イスラム党が脅す中でスンニ派のボイコットを避けるため、選挙委員会は、最終的な候補者リストの呈示日を一週間遅らせて12月2日とした。けれども一週間遅らせただけで、スンニ・トライアングルの参加を保証するにはほとんど無意味である。
この記事は2004年11月末にスグレーナ記者がイル・マニフェスト紙で発表したもので、含まれている情報は既報です。けれども、1月末の「選挙」でニュース報道がますます皮相な世界の中で錯乱している今、改めて紹介しておきたいと思いました。
ペンタゴンが「我々はまだ戦争している」と述べたように、イラク占領、ファルージャ虐殺、恣意的拘留や拷問・強姦といった占領軍による戦争犯罪も、抵抗勢力による自爆攻撃も、子どもたちや民間人の犠牲も、現在進行形で続けられています。
投稿者:益岡