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3月7日 05年39号 ◆ 米軍兵士のイタリア人女性記者銃撃に思う ◆ 消えていく拉致不明者の救済
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◆ 米軍兵士のイタリア人女性記者銃撃に思う
◆ 消えていく拉致不明者の救済
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◇◆ 米軍兵士のイタリア人女性記者銃撃に思う ◆◇
イラクで武装勢力に拉致されていたイタリア人女性記者ジュリアーナ・スグレナさん(56)が無事解放された直後に米軍兵士に銃撃されて負傷する事件が起こった。なぜこんなことが起こったのか。米軍の主張と女性記者の言い分があまりにも食い違っている。
3月7日の朝日、読売、産経などの報じるところによれば、米軍側は「検問所で停止するよう車にライトをあて、威嚇射撃で警告したが猛スピードで止らなかったから」撃ったと主張するのに対し、ズグレナさんは「数箇所の検問所を通過した後、空港までわずか700メートルの地点で検問所ではない所で、パトロール中の米兵から銃撃を受けた。照明が当たってすぐに多数の銃弾が飛んできた。名乗る余裕はなかった。普通の速さで走っていた。銃撃は正当化されるものではなかった」などと反論している。
この事件は私に奥、井上という二人の日本の外交官の射殺事件を思い出させる。あの時も米軍の説明と現地の目撃者の証言が食い違っていた。米軍が乗っていたランドクルーザーを不当に長く拘留していたことや銃弾の角度など多くの科学的根拠によって米軍誤射説が指摘されたが、日本政府は独自の調査結果をはっきりさせないままに武装組織による犠牲者に仕立て上げて事件の終結を図った。
米軍による誤射が後を絶たないのは、米国が武装組織の抵抗に恐れているからである。危険を回避する為に、マニュアル通りに事を進めて少しでも疑義が出ると直ちに射殺するという慣例があるからである。イラク人が射殺された時はまったく報道されないが、このようなことは毎日のように現場で繰り返されているに違いない。そう考えるとあの時の日本の外交官の銃撃も、米軍の誤射の可能性が俄かに高まってくる。
そうだとすると大変なことになる。今まで我々が聞かされてきた日本政府の発言が根本的に狂ってくる。お涙頂戴の話ではなく米軍のイラク占領の犠牲者ということになる。政府はたとえそれが真実であっても口が避けても認めないであろう。米国もそんなことは認めるはずはない。しかし事件をうやむやの終わらせてはならない。それが彼らの魂を鎮魂できる唯一の方法であるからだ。
◇◆ 消えていく拉致不明者の救済 ◆◇
3月7日の日経新聞に、拉致被害者の家族や支援団体の救う会が集会を開き拉致問題解明を首相に訴えるという小さな記事が出ていた。それを読みあまりにも悲しい気がした。
北朝鮮との関係は最悪の状態で行き詰まったままだ。そのすべての責任はこれまでの小泉外交の失敗にある。それなのに小泉首相も外務官僚も責任を感じていないようだ。小泉首相は郵政民営化に邁進して長期政権の記録を塗り替える事に躍起になっている。外務官僚は栄転して関係のないところへ逃げていってしまった。誰も責任をとらない。拉致不明者の家族の悲鳴は届かないまま時が風化していく。国民の一人として忍びがたい。
そんな思いでいたら、3月7日の朝日新聞の論説が「首相は米国を動かせ」という意見を掲げた。小泉首相がブッシュ大統領との緊密な関係を自慢しているのであるから、こんな時こそブッシュ大統領を動かして米朝関係、日朝関係の関係改善を図るべきだというのだ。
私は米国が日本の為に拉致問題解決で一肌脱いでくれるとは思わない。北朝鮮が核問題で譲歩しなければいずれ強硬策に訴えるであろうし、逆に北朝鮮が核放棄を認めれば一気に米朝関係が進む可能性がある。いずれの場合でも拉致問題は取り残されてしまう。それでも米国に対し拉致問題の解決に向けての協力を求めるべきである。小泉首相はあらゆる手段を使って家族の願いに応える努力をするべきである。誠意ある態度を家族や国民の前に示すべきである。
小泉首相はいまだかってブッシュ大統領に国民の立場に立った申し入れを行った事があるのだろうか。米国の無理難題を何でも聞くからブッシュ大統領の覚えがいいというのであれば、誰でもブッシュ大統領との良好な関係を持つことが出来る。ブッシュ大統領との関係が良好であると自慢する前に一つでもいいから日本国民の利益になることをブッシュ大統領に頼んでみたらよい。それでブッシュ大統領が聞く耳を持たないのであれば、小泉首相ははじめからブッシュ大統領に相手にされていないということなのだ。「首相よ、米国を動かしてみろ」である。
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