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イラクで殺害された伊情報機関員のニコラ・カリパリさんのひつぎがローマの「無名戦士の墓」に安置された=AP
米兵銃撃事件、殺人容疑で捜査開始 ローマ地検 asahi.com
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http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200503070172.html
イラクのバグダッドで武装勢力に拉致されたイタリア人記者が解放直後に米軍兵士に銃撃され、伊国防省の情報機関高官が射殺された事件で、イタリアの捜査当局は殺人事件として捜査を開始した。地元メディアが6日報じた。捜査当局は米兵らの尋問も希望しており、カステリ法相は証人からの情報を要請する書面を、すでに米国側に提出したという。
ANSA通信などによると、ローマ地検は今回の事件を「故意に行われた殺人」とみなし、車両に発砲した複数の米兵を殺人容疑で事情聴取したい意向だという。負傷した左派系新聞マニフェスト紙の女性記者ジュリアーナ・スグレナさん(56)はローマの陸軍病院に入院しているが、車に同乗していてやはり負傷した他の情報機関員とともに、すでに捜査当局の聴取に応じているという。
ただし、イタリア人が被害者になっているとはいえ、国外で起きた外国人による事件についてイタリアの司法権がどの程度及ぶかなどについては不明だという。
イタリアでは来月3、4日に統一地方選挙を控えており、政府の事件への対応は投票に影響する可能性がある。親米路線を貫くベルルスコーニ首相が率いる与党連合は最近、単発の地方選挙や補選で中道左派の野党側に負ける例が目立っている。今回の捜査当局の動きの背景には、国内で高まる反米感情を逆なでせずに、対米関係の悪化を避ける策を模索する政府の意向が働いているとみられる。
ブッシュ米大統領は4日、ベルルスコーニ伊首相に電話で「厳密な調査を約束する」と伝えた。イラクでは自爆攻撃などを恐れた米兵による市民への誤射が相次いでいるが、米軍側は「正当防衛」を主張するケースが多い。
一方6日、銃撃で死亡した情報機関員ニコラ・カリパリさん(50)の司法解剖の結果、死因は頭部に受けた銃弾1発とわかった。伊国内ではスグレナさんをかばって撃たれたカリパリさんに同情する声は非常に多く、7日の国葬まで遺体が安置されているローマのビットリオ・エマヌエレ2世記念堂には、1万人以上の市民が弔問に訪れた。
アレマノ伊農林相は、地元紙に「米国は信頼できる同盟国だが、我々は従属する立場との印象を与えてはいけない。罪人が裁かれること、米国が謝罪することが必要」などと語った。ただしフィーニ伊外相は事件後、「運命に定められた悲劇だった。親密な伊米の関係は変わらない」との見解を示している。
(03/07 11:16)