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□国防省に対して怒りに満ちて訴える湾岸帰還兵たち [反戦翻訳団]
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/15740193.html
2005年03月06日
【国防省に対して、怒りに満ちて訴える湾岸帰還兵たち。】BBC News(2004/11/30)
原文:Gulf veterans’ angry plea to Mod
翻訳:203号系統
イラク従軍から帰還しても後遺症に苦しみ続ける兵士たちが、軍からまともな医療的・経済的支援を得られていない事への怒りを、BBCの番組上で公にした。
David McGough君が軍を解雇された時を、カメラは捉えていた。
David McGough兵長(22歳)は、自身の身体を出血するまで掻きむしったり二度も自殺を試みた事実があったにも拘らず、心的外傷後ストレス( post traumatic stress )の訴えに軍医が異議を唱えたため、退職金も得られず除隊させられた。
落下傘兵のDamien Manson君(20歳)は、頭部に受けた傷によっててんかん(訳注1)
の発作が起るようになった。彼もまた、十分な救済を受けていない、と言う。
BBC放送1チャンネルの番組Real Storyでは、銃撃で負傷した或る兵士が国防省の冷淡な対応を語る一方、匿名希望の別の兵士が自身の火傷への専門的治療費用を自分で支払って来たことを暴露している。
何かに取り憑かれたような行動
David McGough君は17歳で陸軍に入隊した。そしてQueens Lancashire連隊の衛生兵としてBasraに出征した。
「毎日、何が起るか判りませんでした。」とReal Storyで彼は話している。「撃たれたり焼かれたり吹き飛ばされて負傷したイラク人たち・民間人や兵士たちの対応に常々追われていました。」(訳注2)
地元Prestonに帰還してから、彼は鬱状態・不眠症・強迫性障害( Obsessive Compulsive Disorder ; OCD.訳注3)に悩まされ始めた。
「実際シャワーを浴びる時など、血が出てくるまで全身をこすり洗いし続けてしまう。」
「先に言ったような酷い日常にあったので、まるで自分が汚染されてしまった気がしていたんだ。」
妹によって二度も自殺を止められたことも、彼は告白した。最初はナイフで喉を掻き切ろうとした時で、二度目は銃で頭を吹っ飛ばそうとした時だった。
他の多くのイラク帰還兵たちと同様、この症状は化学攻撃に対して免疫組織を護るためと云うことで英軍によって投与されたワクチンと錠剤による副作用の一種だと、彼も信じている。
任務に支障を来たす疾病が彼にあると軍医が診断しなかったため、彼は不名誉除隊となってしまった。
「医療委員会では『そう思えば自分を納得させることが出来るから、これらの問題を病んでいると思い込んでいたのだ。』と、私に言った退役軍医も居ました。」
「ですので私からは『逆に、貴方は何も知ろうとはしないのですね。』と言ってやりました。」
他の兵士たちは、彼らがイラクで負った身体的な傷への救済を求め続けて来た。
Yorkshire落下傘兵のDamien Manson君(20歳)は、Al Majar Al-Kabirにて地上に居る兵たちをヘリコプターで救出する際に受けた銃撃のお陰で、Kuwaitの病院で脳外科手術を受けねばならなかった。
現在はScarboroughに近いFlixtonにて療養休暇中であるが、今やてんかん患者であるDamien君の所に軍の福祉担当官( army welfare officer )はたったの一回しかやって来なかった。
彼の父親は、息子の介護のために仕事を辞めなければならなかった。そして息子の病院通いの介助は、殆ど父親がやっている。
「今では、国防省など信用していない。」とDamien君は言う。「私は戦争に行き、務めを果たした。負傷して戻って来たら、勝手にしろと言わんばかりに私は放ったらかしだ。」
Peter Mahoney氏は4人の子供たちを熱愛していた。
番組には、或る未亡人も登場する。彼女の夫は、国防義勇軍( territorial army ; TA )の一員として5ヶ月湾岸に出征し、帰還してから自殺してしまった。44歳だった。
Dona Mahoneyさんは、彼女の夫Peterさんの亡骸を見つけた時のことを思い出して涙を流す。Carlisle郊外のBotcherbyにある自宅の車庫に停めてあった車の中で、彼女の夫は突っ伏して死んでいた。
「あの人は最期の時、軍服を着て髪を全部剃り上げていました。朝早くに起きて、まるでイラクに出発しようとしているかのようでした。」
「ですが、あの人は車を排気ガスで一杯にしてエンジンを切り、座ったまま眠りに就いてしまいました。」
4人の子供たちと一緒に後に取り残されたDonnaさんは、兵士の家族は心的外傷後ストレス障害( post traumatic stress disorder ; PTSD )に関する情報を受け取っておくべきだ、と言う。
「私が事情をもっと良く解っていたなら、もっとあの人の助けになれたかも知れないのに。」
「最高の医療介護」
検死官の調査が進行中であるからと云う理由により、Peter Mahoney氏の事件に関する発言は差し控えたい、と国防省は言っている。然し乍ら、彼らはこう付け加えた。予備役兵たちは、家族に渡すことになっている情報集を支給されており、そこには心的外傷後ストレス障害に関する記述も有る、と。
David McGough君の事例に対しては、精神的な疾患を理由にした医療上の除隊は殆ど無いと言っている。全ての軍人には発言する正当な権利があるにも拘らず、だそうである。
また、病気に罹った或いは負傷した軍人は全て、最高の医療的保障を享受しており、付け加えるならDamien Manson君と彼の家族も軍の充分な援助を受けている、と国防省はReal Storyに語っている。
Real Story:BBC1チャンネルにて2004年11月29日、グリニッジ標準時19時30分より放送されます。また、Real Storyウェブサイト上でも配信されます。
訳注1:ご参考。
【あるてんかん患者のページ】
http://www.h4.dion.ne.jp/~tenkan/
訳注2:小日本の商業メディアは、Basraで毎日何が起っているのか報道していたっけ?記憶に無いから、ご参考までに。
【 The Free Arab Voice 】
http://www.freearabvoice.org/
この中の” Iraq Resistance Report”から、David McGough君の言う「酷い日常」を推測してください。
【イラク・レジスタンス・レポート】において日本語訳が掲載されている。
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
訳注3:ご参考。【こだわり過ぎる仲間達】
http://www.kobe-net.or.jp/atmh/ocd.html
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