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□オイル・ユーロがNATO分裂やイラン-米国関係のパスワード [ML アラブの声]
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オイル・ユーロがNATO分裂やイラン-米国関係のパスワード
イラク人教授で科学技術のコンサルタントのムハンマド・アーリフ氏は、ブッシュ訪欧の3議題であったイラク占領、イランの核開発、中国への兵器輸出に共通するパスワードは、オイル・ユーロであるとする小論を発表した。3日付のバスラ・ネットがニュースサイトのアラブ・レニューアルから引いて報じた。
ドンキホーテが吐いた「くたばる時にはくたばらせろ」という言葉ほど、ブッシュ大統領の訪欧結果を評価するのにうまく表現する言葉は無い。
世界のマスメディアがカバー(報道、隠蔽の両意あり)するブッシュ大統領の欧州訪問の裏に何が隠されているかを知るには、世界のエネルギーと石油に関する経済と技術を知る必要がある。
ブッシュ訪欧の3議題であったイラク占領、イランの核施設、中国への兵器輸出解禁に共通するパスワードは、オイル・ユーロである。これこそ2000年9月にイラクが欧州共通通貨のユーロを国際石油取引の決算通貨とする決定をして以来、米国政府が追及してきたパスワードなのである。
イラク侵攻の目的は、巷間言われているように、単にイラクの埋蔵原油の支配だけではなく、イラクの石油をドルの懐に戻し、石油輸出国機構(OPEC)の他の加盟国が原油の取引通貨としてユーロ採用を防止することであった。
バグダード占領約2ヵ月後の2003年6月5日の英紙ファイナンシャル・タイムズ(FT)は、占領当局はイラクの石油取引通貨をユーロからドルに戻したと特報したが、戦略的な問題に関しては自主規制を働かせる米国の大手メディアはこの問題に触れなかった。FTは、石油取引価格がドルの価値と比較して低いにも関わらず、イラクがドル決済に復帰したことに驚きを表し、「サダム・フセインが2000年に、イラク石油をユーロで販売することに踏み切ったのは政治的な決断であったが、ユーロの対ドル交換レートが上昇したためイラクの懐具合は向上した」と書いた。
ドルに復帰して以来イラクは何十億ドルの損失を蒙ったことか。誰がこの損失の法的・歴史的な責任を負うのか。ワシントンか、それとも占領軍と一緒にイラクにやってきた傀儡政権なのか。イランが後に続くことになったイラクの戦略(ユーロ決済)を打ち破るために米国が(占領時にイラクに)連れて来たイランの息の掛かった(亡命イラク人)政治家のうち誰に最も責任があるのか。
実は「オイルユーロ」こそがブッシュがブリュッセルでイラン攻撃を否定した茶番劇の深層である。ありもしなかったイラクの大量破壊兵器よりも危険だという、ありもしないイランの核兵器という茶番劇。
イランは先ず欧州とアジアにのみ石油輸出決済をユーロで行い、イラクのやり方を少しずつ採用した。次に石油取引をユーロで行うイラン石油取引市場(IOB)という名の真の「大量破壊兵器」を発展させるために、イラク戦争という絶好の機会を掴んだのだ。
それ以降の進展は、古代イラン人が発明したチェスのようなものだ。石油取引市場の開設日を今月から2006年初頭に延期するといった、バグダードの要塞に囲われた米国政府との盤上のコマのやりとりである。
老練なイランが打つ最も危険な手は国際代替市場において石油ユーロシステムの前に立ちはだかる技術的障害を除去することだ。ウェスト・テキサス、ブラント、ドバイというドルに立脚する原油取引の3大指標の代わりにユーロ指標を打ち立てることだ。
ユーロ指標とは戯言ではなく、中国への武器禁輸やイランの核兵器問題の取り組み方、イラクへの派兵問題に対する欧米の観点の相違を浮き彫りにする。EU加盟国がOPECから輸入する額は、米国の輸入額よりも大きく、中東諸国のEUからの輸入額は、全世界からの輸入額の45%にも達するのだ。
EUのエネルギー問題担当のアンドリス・ピエバルグス新理事によると、エネルギーの確保は欧州の安全保障の最優先課題だ。EUの担当理事の考えでは、エネルギー価格の上昇継続、東欧の新経済諸国のエネルギー需要、中国とインドの石油への渇望度の増加が、丁度5年前とは異なる立場を政策決定者が採るよう投げかけられている。
米国がイラク戦争に引きずり込めず、米国の強力な圧力によってもイラク治安軍の訓練に微々たる金銭援助しか引き出さなかったほどに、NATO自身も変質を遂げた。NATO加盟の多くの国はイラクへの訓練要員派遣を断った。
「オイルユーロ」はNATO分裂のパスワードである。ユーロに立脚するIOBは、米国企業が所有しドルで取引する2大石油取引所であるニューヨークのNYMEXとロンドンのIPEと競合するようになろう。これは世界に対する米国の覇権終了の始まりを意味する。
米国経済は、他の諸国がOPEC諸国から石油を購入するために使う何十億ドルものドル札を印刷することで成り立っている。オイルダラーはOPEC諸国から、米国の国債や証券、不動産購入資金として還流する。ドルを石油の支払い通貨にすることは、世界で受け入れられる通貨を印刷する米国を、世界の金庫の役割をさせることだ。
この紙幣による影響力は、金や銀に裏打ちされたものではなく、米国が所有しているわけではない石油に頼っているのだ。米国はこの紙幣と交換に石油代金の支払いを約束している。他の国々は生産物や商品、資源をドルに変え、米国の銀行などに国債などの形で積み立ているのに、米国はそれにより、代償無しで石油を手に入れている。
現在世界の通貨の交換の2/3が、ドルを介在して行われ、貿易決済通貨の4/5にドルが使われている。
世界の輸出の半分をドルが支配している。オイル・ユーロがこの米国による覇権を脅かし、欧州と世界をして米国に「自分の力で得られるものを物乞いするな」というドンキホーテの言葉を吐かせることになる。
フランスのドゴール大統領の「世界の行方は統一欧州が決定する」との予言は多分実現するだろう。新しい世界の戦略地図は、ユーラシア大陸を米国に対峙させる。
http://www.albasrah.net/moqawama/maqalat/sba3iansar_140304.htm
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【短報】
*解放されたイタリア女性記者の夫スコラリ:米軍は妻を殺すために妻の車両に発砲。妻は米軍が生かしておくと不都合な情報を掴んでいた。妻の動きは全て米軍に通報されていた。米軍はその後携帯電話を切り、理由無く400発も発砲した 「イタリアのテレビ」
アラブの声ML 齊藤力二朗
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