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2月21日 05年34号 ◆ 西武鉄道前社長の自殺のかげで ◆ いつから日本は世界の安全保障に責任を持つようになったのか
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◆ 西武鉄道前社長の自殺のかげで
◆ いつから日本は世界の安全保障に責任を持つようになったのか
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◇◆ 西武鉄道前社長の自殺のかげで ◆◇
20日の各紙は西武鉄道の前社長である小柳皓正(64)氏の自殺を一斉に報じた。自宅の2階で、かもいにネクタイをかけ、パジャマ姿で首をつっていたという。便箋二枚の遺書には家族への感謝の気持ちなどがつづられていたという(20日読売新聞)。株の名義偽装問題で検察から問い詰められていた小柳前社長は堤義明元会長をかばい疲れたに違いない。やりきれなく悲しい自殺だ。
我々はこのような犠牲者をこれまでにも嫌と言うほど見てきた。元首相の犯罪をかばって自殺した秘書や、会社や組織を守って身代わりに命を絶つ多くの企業人の「命の幕引き」を。今回の小柳氏の自殺を「またか」で終わらせてよいのだろうか。
私がこの自殺ですぐに思い出したのが、2月14日号の週刊誌アエラの記事である。「堤支えるヤメ検弁護士」と見出しをつけたその記事は、堤義明という巨悪が金に目のくらんだ元検察幹部に守られて犯罪から逃げ延びようとする姿を批判している。しかしその記事が本当に批判しているのは「ヤメ検」と言う名の検察官僚たちだ。
アエラの記事を読むと心が寒くなる。堤義明元会長はその資金力にまかせて「ヤメ検」をかき集め東京地検特捜部に挑もうとしている。かつて金丸信元自民党副総裁の脱税などを追及した元東京地検特捜部長の石川達紘弁護士は、「・・・内々に打診があった段階で、正式に決まったわけではありません。もし弁護が必要な事態になったら、引き受けるかもしれませんが・・・」と語っているという。元検事総長の前田宏弁護士は打診を否定するが、「・・・大型事件のたびに、企業側に後輩のヤメ検を紹介してきた」(元高検検事長)と言われている。特捜の手の内を知り尽くした検察幹部OBが、同じ釜の飯を食った部下がまだ現場の検察に残る間に、弁護士になって特捜部に睨みをきかせるのだ。
この期に及んでもなんとか自らの逮捕を避けようとする堤義明。それは醜悪である。しかし、検察在籍時には正義を振りかざした検察官僚が、辞めた途端に立場を豹変し、疑惑企業側に重宝される「役得」に目がくらんで、その経験を悪用する、これはもっと醜悪である。
小柳元社長の自殺を知っても、なお堤義明氏は責任を逃げようとするのか。「ヤメ検」たちはそれでも堤氏を弁護しようとするのだろうか。人は皆いつかは死ぬ。自分に恥じない生を生きる事こそなによりも尊いと思う。
◇◆ いつから日本は世界の安全保障に責任を持つようになったのか ◆◇
日米両政府が19日、ワシントンで安全保障協議委員会(2プラス2)を行った。そして在日米軍基地再編の基本理念となる「共通戦略目標」なるものを合意したという。その解説が20日、21日の各紙のトップニュースとして流されている。氾濫する軍事用語にごまかされることなく、その本質を見抜かなくてはいけない。
「共通戦略目標」という名のあらたな宣言の本音は米国の「テロとの戦い」への全面協力である。これをあからさまに打ち出すのはさすがに憚られるのだろう。小泉首相は官僚に振付けられた「世界の中の日米同盟」という言葉を持ち出す(20日付東京新聞)。しかしちょっと待って欲しい。日本の憲法はいつから日本が世界の平和に責任を負わなければならないと求めるようになったのか。百歩譲って日本が世界の平和に貢献するとして、日本の憲法はそれを軍事力で行うことを認めたというのか。「共同戦略目標」で示されている一連の対米協力はあきらかな憲法違反であり、日米安保条約の性格を一変するものだ。もし小泉政権が、この宣言のとおり日米軍事同盟の強化がこれからの日本の安全保障政策であると考えるのであれば、何故正々堂々と憲法を改正し、日米安保条約を変更してこれを行わないのか。共同宣言という行政担当者の宣言で、憲法を超えた政策を公約する事はあまりにも越権である。
この憲法違反を隠すために、北朝鮮問題と台湾問題を特記した。これでは中国と北朝鮮に喧嘩を売っているようなものだ。たしかに現在北朝鮮との間では拉致問題がある。中国との間では靖国神社参拝問題がある。しかしこれらの問題は日本の中国、朝鮮侵略という過去の問題と不可分な問題である。日本の戦争責任問題と一体となって外交的に解決が急がれるこれらの二国間問題を日米軍事同盟の中で取り上げようとする事こそ誤りなのである。何故日本は冷戦が終焉して久しい今日においてこれら隣国との関係を発展させようとしないのか。
そもそも「テロとの戦い」とは何か。これは反米イスラム組織を根絶しようとする米国の一方的な戦いである。日本には関係ない話だ。それどころか日本がこれら組織に敵視される事はあり得ないことであった。米国に協力することによって安全な日本が反米テロの危険にさらされることになったのだ。守ってくれる筈の米国によって、逆に日本の安全保障が損なわれているのだ。
こうして考えると「共通戦略目標」は、米国による、米国の為の、米国の安全保障政策であることがわかる。それは平和憲法を持つ日本の本来の安全保障政策とは正反対の目標である。
おりしも20日朝のフジテレビの番組において、戦争おたくといわれている石破前防衛庁長官をはじめいつものタカ派強硬論者が、北朝鮮の核脅威に対抗すべきだと一斉に気勢を上げていた。民主党の前原誠一影の防衛長官が常連として加わり自民党防衛族も顔負けの安保政策を唱えていた。今すぐにでも内閣に入って防衛大臣になりたいかのようだ。
おりしもライブドアのニッポン放送買収問題に政府が介入し始めた。ホリエモンがフジサンケイグループを乗っ取ると、このような番組がスポーツ、娯楽になる。産経新聞が経済紙になる。だから政府はボリエモンの買収を阻止したいのではないか。そんな気がしてならない。
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