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02/19 17:31 「上陸作戦」の経験積む 離島侵攻対処を念頭に
スマトラ沖地震でインドネシアに派遣された陸上、海上両自衛隊
は、輸送艦からヘリコプターやホーバークラフトで大量の物資や隊
員を被災地に連日送り込み、「上陸作戦」の経験を積んでいる。念
頭にあるのは、離島が武力侵攻を受けた場合に、阻止したり、島を
奪回したりする島しょ防衛だ。
▽陸海一体
二月二日夜、スマトラ島沖に停泊した海自輸送艦「くにさき」の
士官室で、翌日の活動を決める会議が開かれた。「物資を運ぶ陸自
ヘリの燃料は十分か」「通信環境は回復したか」。両自衛隊の幹部
三十人が情報を分析し、ヘリに乗る人数や着陸地点を決めた。
くにさきの一室には陸自の指揮所が置かれ、被災地の情報が次々
と入電する。輸送艦を拠点として陸自と海自が部隊を共同運用する
のは初の経験だが、島しょ防衛では必須条件になる。
冷戦終結を受け防衛庁は、大規模な軍隊による本土侵攻から、ゲ
リラ部隊による離島侵攻へと、対処の重点をシフト。昨年策定した
新防衛大綱では、島しょ防衛を新たな対処事項として鮮明に位置付
けた。
制服組のある幹部は「今回は純粋な災害派遣だが、離島が侵攻さ
れたとき、海自の艦艇やヘリで陸自の隊員をどこに、どう上陸させ
るかという訓練にもなっている」と認めた。
▽重要な後方支援
自衛隊が対処する武力攻撃事態など有事と被災地支援には共通点
が多い。いずれも/(1)/現地情報収集/(2)/侵攻地点や被
災地の特定/(3)/食料など後方支援の確立/(4)/作戦実行
―という流れで部隊は動く。
防衛庁は一月初旬、現地に情報要員を派遣。燃料や食料をシンガ
ポールで調達し、補給艦「ときわ」でスマトラ沖の部隊に運ぶこと
にした。
防衛庁幹部は「海上の輸送艦を拠点として部隊を動かす時、補給
艦による後方支援が作戦の鍵を握ることをあらためて確認した」と
成果を強調する。
▽大きな輸送艦を
くにさきは排水量八九〇〇トンで海自の輸送艦では最も大きい。
しかし、回転翼が二つある陸自の大型輸送ヘリを甲板上で使ってみ
ると、十分な大きさとは言えないことが判明した。
くにさきは大型輸送ヘリ三機と多用途ヘリ二機を積んで行ったが
、大型ヘリは格納庫に収納できない。回転翼を外し、甲板にワイヤ
で固定して、防水シートで覆う必要があった。分解や組み立てに数
日を要し、海自側からは「初動が遅い」と不満が漏れた。
大型ヘリは一度に一機しか離着艦できず、ほかのヘリは脇に移動
させるか、近くの護衛艦から飛ばす必要があった。
防衛庁幹部は語る。「これまでも陸自と海自の統合訓練はやって
きたが、実任務でないと気付かないことがある。スマトラ派遣で得
た経験を、円滑な部隊運用や装備の調達に生かしたい」
20050219 1730
[2005-02-19-17:31]
共同