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02/16 16:22 移行政府との友好最優先 イラン、政教分離は容認
イラクの国民議会選挙でイスラム教シーア派が第一党となった。
シーア派の政教一致体制をとる隣国イランのヘルミダス・バーバン
ド国際関係大学教授(国際法)は、イラン政府が移行政府との友好
を最優先、政教分離の政権発足を容認するとの見方を示した。(テ
ヘラン共同=宇田川謙)
―シーア派教徒にとって選挙の意味は。
「オスマン帝国時代からイラクのシーア派教徒は二流市民だった
。自国の政治に初めて適切に参加できた意義は大きい」
―イランは、イラクに政教一致の政権樹立を望んでいるのか。
「そうは思わない。イラクのシーア派指導者のシスタニ師が聖職
者支配の政権に関心を示さず、シーア派教徒も宗派よりアラブ民族
主義に傾倒し、イランと距離を置こうとしている。イラクでは、政
教分離の政治制度ができるだろう」
―イランは何を期待するのか。
「(敵対してきたイラクの旧フセイン政権に代わる)移行政府と
の友好関係構築だ。イランは、イラクの政治制度に宗教的価値が受
容されると思っていない。政治プロセスに干渉するよりもむしろ支
援する方が得策だ」
―イラクの新たな政権発足が与える影響は。
「米国はこの地域の部族、家族構造などに基づく政治制度がテロ
の温床とみており、制度の再構築を企てている。イラクは、ある種
の民主国家の原型になり、サウジアラビアやクウェートなどアラブ
諸国への影響は大きい」
―イランは、米軍撤退を早急に求めるのか。
「できるだけ早い駐留外国軍の撤退を求める一方、イラクが治安
を維持できなければ、間接的に駐留を支援するだろう」
「米国は、イラクでシーア派が優位になることを好まないが、イ
ラクでの選挙実施に対するイランの支援には感謝したはずだ。米国
も(スンニ派が多数の)アラブ諸国もイラクでシーア派が多数派だ
という現実を受け入れなければならない」
× ×
ヘルミダス・バーバンド氏 テヘラン生まれ。テヘラン大卒。米
ワシントンのアメリカン大学で国際関係の博士号。イラン外務省に
入省、国連代表部に派遣され国連総会法律委員会議長などを歴任後
、現職。68歳。
20050216 1621
[2005-02-16-16:22]