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選挙の中にある石油 サラーフ・アルモフタールがイラク選挙の戦略的目標を見極める [ML アラブの声]
http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/380.html
投稿者 white 日時 2005 年 2 月 16 日 16:39:02: QYBiAyr6jr5Ac

□選挙の中にある石油 サラーフ・アルモフタールがイラク選挙の戦略的目標を見極める [ML アラブの声]

 http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/message/396

選挙の中にある石油 サラーフ・アルモフタールがイラク選挙の戦略的目標を見極める

 エジプトの英文有力誌アハラーム・ウィークリーの729号(2月10日−16日)は、
イラク人元外交官のサラーフ・アルモフタール氏の小論を掲載した。

アメリカがイラクにおける選挙実施を主張する裏にある究極的な目標の評価において、多くの人々が過
ちを犯している。よくある誤解の一つは、選挙実施によって、イラクで誰が権力を握るべきかという問
題に対する民主的な解決がもたらされるだろう、という仮説だ。

二つ目の仮説は、選挙はイラク内戦を食い止める助けになるというもので、三つ目の主張は、選挙を実
施することで、合法的な政府当局からそうするよう要請されれば占領軍も、より容易に撤退できるだろ
うから、選挙こそが、イラク人が占領から抜け出せる唯一の現実的な方法だというものだ。

こうした類は皆政治理論であって、イラクにおける出来事のうわべのみかけを論じているにすぎない。
そうしたものは、一見、いかに厳密、かつ、しっかり研究しているかのごとく見えようと、事の核心、
つまり、アメリカが選挙実施を言い張る背後に隠された、戦略的目標を覆い隠すものでしかない。ここ
で今必要なのは、より大きな戦略的構図に関する、イラクにおける出来事についての熟慮した客観的な
分析であり、占領を続けるか、或いはイランの利益を実現するか、のいずれかに利害関係をもつ様な連
中が良く使う、陳腐な単純化のやりすぎを避けることなのだ。

ワシントンはなぜ、ひどい治安状態にもかかわらず、選挙を行うべきだと主張するのだろう?

アメリカの本当の狙いは、もはやかつてそうであった程、神秘的なものではなくなっている。過去20か
月間にわたる事態の展開で、アメリカが、万一激烈な武装勢力の抵抗によってイラク退去を強いられた
場合に、イラクにおける特定の戦略的目標を確実に実現できるよう工作をしていることを示す明白な徴
候が。

選挙を行うべきだという主張の最も重要な理由の一つは、アメリカが合法的だと言えて、自由選挙のた
まものだとして国際社会に提示できる様なイラク政府を樹立することである。そうした政府は、決定を
行い、国際的法規の元で施行可能な条約に署名する権限を持つのだ。これこそまさにアメリカが、二つ
の基本目的を達成するため、どうしても実現する必要があるものなのだ。猛烈なイラク武装勢力の抵抗
によるこれ以上の人的物的損失を避ける為のイラクからの迅速な撤退、及び、長期的な戦略的及び経済
的条約の締結だ。

計画されている軍事条約の中には、国内にアメリカ軍基地をつくることができるという条約もある。そ
の中には、アメリカがイラクの油井を管理を確保し、アメリカ軍がこの国の他の地域に容易に接近する
ことを可能にするよう14の主要な基地が含まれる。経済的条約のもとで、イラク政府はアメリカの企業
に対してイラク石油採掘の長期的な利用を認可し、そこには、十中八九この国の石油産業の民営化が含
まれよう。

サウジ・アラビアの様なこれまでの供給国が、生産量を削減する一方で、アメリカの石油消費は今後10
年間で倍増することになっているので、こうした条約の期限が25年より短いということはまずあるまい
。アメリカは、政治的な障害の対処に煩わされずに利用できる、新たな、比較的未開発の石油資源が必
要なのだ。イラクはそうした資源の一つだ。

この問題のもう一つの側面は、中国やインドのような新興大国もますます大量の石油を必要とするであ
ろう点で、それは市場の石油備蓄に対する競合をひきおこすが、これはCIAが、今後15年間のエネルギー
問題についての報告で指摘していた通り、需要は満たせない。

アメリカ軍基地をイラクに築きあげ、国際的に拘束力のある条約で同国の石油を支配することによって
、アメリカは、二つの主要な目標を達成することになるが、その両方とも、アメリカ帝国の勃興と、潜
在的ライバル排除の礎なのだ。

そのような条約の本当の価値は、例えば、アメリカと革命前のキューバ政権との間でグアンタナモ湾を
巡って締結された条約を思い出すことによって初めて明らかになる。その条約の元、この地域は、アメ
リカに対して99年間賃貸された。革命後、キューバは、アメリカにこの湾地域の返還を要求したが、前
の政府が署名したを根拠にして、アメリカは激しく拒否した。

したがって、ソ連と国際的な支持にもかかわらず、アメリカの合法的な主張を前に、キューバがグアン
タナモ湾返還を実現することが出来なかった事を念頭におくと、万が一「選出された」イラク政府がそ
うした条約に署名するようなことがあれば、どれほど危ういことだろう。

アメリカの占領は、そもそもの端緒からイラク分割を狙っていたものの、アメリカが去れば、おそらく
は再度中央集権化し、再統合するであろうこともまた分かっていた。したがって、イラクを内部から弱
める為には、中央政府は弱く、北や南、さらに中央三角地帯に、提案されているような強力な自治権を
もった行政区がある、連邦国家樹立を狙う事が不可欠なのだった。イラクの人的、経済的資源をうまく
活用し、他の第三世界におけると同様な形で、科学的、技術的な進歩を達成でき、回復力に富んだイン
フラストラクチャーを確立するような、強力な中央集権的政府があって初めて、イラクはこの地域にお
ける重要な権力としての役割を演じることができる。ワシントンの戦略は、イラクという国家を分割す
ることだった。

政府を転覆するだけでは満足せず、占領軍はこの国のインフラストラクチャーを破壊し、歴史的な場所
(例えば、イラク国立博物館)や文化的に重要な場所を破滅し、学びの場所を略奪した。

この三部構成の連邦国家は、合法的な政府と憲法によって承認されることが必要だ。被占領国家の法律
及び経済制度に対するいかなる変更も行うことを禁じるジュネーブ協定に定められた通り、いかなる占
領国も、イラクという国家の基本構造に対するこのような根本的変更を認める権限を持たないというこ
とを、占領者はいやというほど分かっている。

選挙はそこで、弱められた国、連中の言い方によれば「連邦」イラクを創り出す上で、不可欠だったの
だ。連邦政権は、選挙によって、北と南からの支持を得、特にもしも国連、或いは安全保障理事会が、
選挙結果を支持すれば、国際社会からの外的な支持をも得るだろう。
http://weekly.ahram.org.eg/2005/729/re3.htm
****
上記は goose さんの翻訳によるものです。ありがとうございました。このMLは皆さまのご協力で成り立っています。(なんだかNHKみたいだな)

アラブの声ML 齊藤力二朗
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/


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