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ドレスデンの爆撃は何らの軍事的理由もなかった(『偽イスラエル政治神話』)
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『偽イスラエル政治神話』
2章:20世紀の諸神話(その4)
2節:ニュルンベルグの正義の神話(その2)
《この裁判所は同盟国による戦争行為の継続を象徴する》
(一九四六年七月二六日の法廷におけるアメリカ代表、首席検察官[訳注1]、ロバート・H・ジャクソンの発言)
訳注1:ロバート・H・ジャクソンの当時の前歴は、元司法長官・最高裁判事であった。
一九四五年八月八日、アメリカ、イギリス、フランス、ロシアの指導者たちがロンドンに集まり、《ヨーロッパ枢軸諸国の戦争犯罪人の訴追と処罰に関する協定》に署名し、その処理を適切に行うべく《国際軍事裁判所》(協定付属条例I条a項)を創設した。
[中略]
一九四二年には、イギリスの大臣で紛れもない憎しみの伝道者、ヴァンシタート卿が、イギリス空軍の爆撃の恐ろしさを正当化するために、こう語った。
《唯一の善いドイツ人は死んだドイツ人だ。だから、われわれは彼らに爆弾を降り注ぐのだ》
一九四四年一月、ウィンストン・チャーチルは、参謀総長のヘイスティングス・イメイ将軍に四頁のメモを渡したが、そこには、つぎのような計画の提案が記されていた。
《私は、あなたが極めて真剣に、この窒息性ガスの問題を熟考することを願う。……
馬鹿気た話だが、前の戦争では皆がこれ(窒息性ガス)を使い、道徳家や教会からの何の抗議もなかったというのに、今では皆が、この問題の議論に道徳性を持ち出す。その一方、当時は無防備都市への爆撃はタブーと見なされていたのに、今では誰もが当然のことのようにやっている。女のスカートの長さと同じで、単なる流行の問題でしかないのだ。……
私は、窒息性ガスを使用するために、どれだけの費用が必要かを冷静に研究してほしいのだ。……われわれは、馬鹿気た原則で手を縛られているべきではない。……
われわれは、ルールや、その他のドイツの都市を、この方法で溺れさせ、大部分の住民が常時治療を必要とするようにすることができる。
……とりあえず、数週間または数か月後、私はあなたに、ドイツを窒息性ガスで溺れさせる命令を出すだろうが、やる時には徹底的にやらなければならない。それまでに、この問題の冷静な研究を、そこらで右往左往している制服を着た興ざめのする御幣担ぎのメダカの群れにではなくて、まともな判断力のある連中にやってほしいのだ》(『アメリカの遺産』85・8/9)
チャーチルも、スターリンも、トルーマンも、戦争犯罪人として被告席には座ったことはなかった。
ニュルンベルグ裁判所は、さらに恥ずべき犯罪を煽った著者たちを、被告として告発していない。その内から、特に熱狂的な二つの事例だけを紹介しておこう。一九四二年には、これこそ本物の意味での“ジェノサイド”を煽る本、アメリカのユダヤ人、テオドール・カウフマン著、『ドイツ人は消滅すべきだ』が発表された。その主要な主張はこうだ。《ドイツ人は、反ナチであろうと共産主義者であろうと、たとえユダヤ人が好きであろうとも、生きる価値がない》。カウフマンの結論はこうだ。《戦後に二万人の医者を動員して、一日に一人で二五人づつのドイツ人の男女に不毛化手術を行えば、三か月で子供を作れるドイツ人が一人もいなくなり、以後、六〇年でドイツ人種は完全に絶滅する》
この本は、反ユダヤ主義を養う上で格好の拾い物だった。ヒトラーは、すべてのラディオ放送局で、この本の抜粋を読み上げさせた。もう一つの同じ扱いを受けた本は、一九四四年に発表されたソ連の作家、イリア・エレンブルグの著書、『赤軍への訴え』である。
《殺せ! 殺せ! ドイツ人の中には、生きている者の中にも、これから生まれてくる者の中にも、無実の者はいない! 同志スターリンの命令を実行し、穴に隠れた野獣のファシストを、撃滅し続けろ! ドイツ女の高慢さを、暴力で打ち砕け! 彼らを正当な戦利品として取り扱え! 奪え! 殺せ! 殺せ! 勇敢な赤軍の兵士たちよ、君達の止むに止まれぬ攻撃によって》([ナチス・ドイツの]デーニッツ提督著『一〇年と二〇日』の引用による)
以上に挙げた内、一つとしてニュルンベルグで告発されたものはないし、その有様は、それを隠していた各国の元首たちについての状態と良い勝負だった。
同じく、二〇万人の民間人が犠牲となったドレスデンの爆撃は、ソ連軍がすでに目標を超過達成していた状況下に行われ、何らの軍事的理由もなかったにもかかわらず、イギリスとアメリカの責任者は誰も告発されなかった。
同じく、三〇万人の民間人が犠牲となった広島と長崎への黙示録的な原爆投下は、天皇がすでに降伏を決定していた状況下に行われた。この場合にも、やはり、何らの軍事的必要性もなかったにもかかわらず、その罪を犯したトルーマンは告発されなかった。
同じく、ベリアもスターリンも、たとえば彼らは、何千人ものポーランド将校をカチンの森で虐殺しながら、その罪をドイツ人になすりつけていたのだが、やはり、まったく告発されなかった。
[後略]
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