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イラク選挙「世界の目必要では」 選挙監視の経験者懸念
イラク国民議会選挙の投票が30日始まった。これまで国連は、紛争後の選挙などには国際選挙監視団を派遣してきたが、今回は米国の要請を拒み、編成しなかった。戦闘が続くアフガニスタンの大統領選や和平合意後の東ティモール選挙に監視団を送った日本も、「治安が悪すぎる」と派遣を見送った。各地で選挙監視を経験した日本の関係者は、行方を危惧(きぐ)している。
「外国人が立ち会うことで保たれる投票の自由と公正が、今回は保証されないのではないか」。カンボジアなど10回近く海外の選挙監視に国連やNGOのメンバーとして参加した小川秀樹・山口県立大助教授(48)は懸念する。
93年のカンボジア総選挙では武装勢力が投票に行かないよう住民を脅したり、投票箱を奪い取ったりしないかが心配された。有権者リストのチェックや投票箱の管理は、海外からの監視員の役目だった。国連は今回、隣国ヨルダンでイラク人監視員の研修を行うにとどまっている。「恫喝(どうかつ)や無言の圧力によってゆがめられることはないか。禍根を残す可能性がある」と、小川さんは言う。
00年、ボスニア・ヘルツェゴビナの市町村議会選挙の監視に参加した福岡市の労務管理コンサルタント会社代表、秋山勝洋さん(54)は「選挙は国造りの一歩だが、世界が一致して国造りをするという形が見えない」と話す。イラクでは選挙で宗教対立が深まるとの見方があるが、「民族が複雑に入り組むボスニアもそうだったが、選挙となると民族や宗教を超えた国造りへの思いが現れた。イラクもそうあってほしい」と願う。
中東問題に詳しく、パレスチナ総選挙の監視活動に参加した池田明史・東洋英和女学院大教授(49)は「教育水準が高く、形の上では選挙の経験がある国民。手続き面ではうまくいくかもしれない」と見る。だが、投票が実施されない地域が出るのはほぼ確実で、「選挙に行かなかった人を含め、国民全体が結果を受け入れられるかどうか」と心配する。 (01/30 18:28)
http://www.asahi.com/international/update/0130/007.html