★阿修羅♪ 現在地 HOME > 戦争66 > 806.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
イラク選挙いよいよ開始 media@francophonie
http://www.asyura2.com/0502/war66/msg/806.html
投稿者 外野 日時 2005 年 1 月 30 日 02:31:04: XZP4hFjFHTtWY

media@francophonie
http://blog.livedoor.jp/media_francophonie/tb.cgi/13244136

2005年01月29日

イラク選挙いよいよ開始

イラク国内の投票は今度の日曜日ですが、金曜日から在外投票がはじまりました。この選挙についてル・モンドとラ・リベルテの記事を3本ご紹介します。
1本目はパリの在外投票所でイラク人有権者に取材した記事。2本目は現在バグダッドに駐在しているスイス人外交官への電話取材から現在のイラクの状況を再構成したもの。3本目はつい最近までイラクにいたスイス人へのインタビュー記事です。

AP通信によると、イラク国内の有権者数は約1400万人、14カ国にちらばるイラク国外の有権者数は120万人。
イラク暫定国会の議席数は275議席。
立候補者は7700人。
投票所の数は5220箇所。
選挙に携わる業務を行う人の数は14万人、となっています。
このほかにクルド自治政府議会の111議席に463名、イラクの18地方の地方議会に1万800人が立候補しています。

Les Irakiens de France ne sont pas nombreux a se deplacer aux urnes
投票したフランス在住イラク人の数は少ない

1月28日付け ル・モンド−AFP
元記事はこちら
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3218,36-396017,0.html

(翻訳はじめ)
フランスや近隣諸国に在住しているイラク人のうち、わずか数10名が、1月28日金曜日、パリでイラク総選挙のために投票した。その内の多くが、シーア派やクルド人の比例代表名簿に投票したと答えている。

国際移民機関(OIM)によってパリ市内の小学校に設置される投票所の数は4箇所になることが予定されていた。しかし選挙人登録者の数が非常に少ないことから、その内の2箇所のみが実際に稼動した。

フランスのみならずベルギー、スイス、スペイン、イタリアのイラク人もパリで投票することになるため、1万人以上が選挙人登録を行うと予想されていた。それに反し、9日間で登録を行った人の数は1041人だった。

「生まれて初めて投票しました。すごく嬉しいです!」とファティヌ・コスロは話した。彼女はイラク最北部のドフク生まれの32歳の若いクルド人だ。コスロさんは比例代表名簿「クルド人連合」に投票したと教えてくれた。クルド人連合は、ジャラル・タラバニとマスード・バルザニが率いるクルドの2大政党によって構成されている。

「はれがましい日」

コスロさんの親戚で、同じくドフク出身の35歳のエミン・モハメドさんもクルド人連合に投票した。「はれがましい日です。私たちクルド人にとって、自分のアイデンティティを示すことの出来る日です。私たちはいずれはクルドの独立を望んでいますが、今すぐにというわけにはいきません。アメリカ人については、今のところイラクに留まってくれるほうがましだと思っています。アメリカ人がいなくなったら最悪の状態になるでしょう」とエミン・モハメドさんは語った。

シーア派の聖都の一つであるケルバラ生まれの電気工で、50歳のアジ・アル・ジブリーさんはカン(訳註:フランス北部)で暮らしている。「私はアラウイ首相派の比例代表名簿に投票しました。これは大事な選挙です。民主主義への象徴的な一歩です。私たちはアラウイのような、行動できる人物を必要としています」とアル・ジブリーさんは話した。

そして「アラウイはイラクを現在のカオス状態から抜け出させることが出来る人です。それに、アラウイには他の候補者にはない国際的なキャリアがあります」と付け加えた。

バジル・アブデルグハニさんもまたシーア派で、リール(訳註:フランス北部)で飲食業を経営している。「大きな喜び」を感じたとアブデルグハニさんは「サダム・フセイン時代には一度も投票しませんでした。選挙は茶番でしかなかったからです」と語った。

「今日は『統一イラク』の比例代表名簿に投票しました」とアブデルグハニさんは語る。「統一イラク」はイラクの偉大な宗教指導者であるシスタニ師が支持しており、アジズ・ハキムが率いている。「私の家族は全員イラクにいます。絶対に投票しなければなりません。国民的な義務です。また、我が国が憲法を持つために非常に重要な通過点でもあります」とアブデルグハニさんは付け加えた。

「占領下」の選挙

パリで印刷業に従事するジェナン・ダヴィッドさんは「私は『統一キリスト教徒』名簿に投票します。存続を脅かされているイラクのキリスト教徒社会が消え去ることがあってはなりません」と説明した。

しかしながらフランス在住のイラク人で投票しなかった人は大多数にのぼり、「占領下の選挙」であるとして投票を拒否した。

フランス在住イラク人会の会長であるアミル・アル・ファルゲは「アメリカの支配下で、どうやって議員や知事を選べというんですか?もちろん選挙は必要です。ただし、米軍撤退後でなければなりません」と説明した。イラク人会は今回の選挙が「茶番」であり、「イラクを宗教・民族各派の間で分裂させようとする試み」だと批難している。

イラク戦争反対委員会の委員長、スブヒ・トマは「非常に残念なことですが、アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュから押し付けられたこのような選挙がまったく民主的ではないのは明らかです。イラクでは主に宗教者の側から、イラク人に対して投票を強制するような脅迫が行われています。選挙の論点は民族問題だけです。このままでは内戦は避けられません」と断言する。
(翻訳おわり)

L'OeIL DE BERNE A BAGDAD
バグダッドにベルンの目

1月28日付け ラ・リベルテ Roger de Diesbach
元記事はこちら
http://www1.laliberte.ch/news_evenement.cfm?id=158921

(翻訳はじめ)
少数派のスンニ派指導者からボイコットされたこの選挙は、アル・カイーダに近いアンサル・アル・スンナを含む様々な「レジスタンス」運動による死の脅迫の元で行われる。米国によってその首に2500万ドルの懸賞金を賭けられているスンニ派テロリストのリーダーでイスラム過激派のアブ・マスード・アル・ザルカウイは、イラクの多数派であるシーア派にしか利するところないこの選挙に対する全面戦争を宣言した。事実、日常的な殺戮は継続しており、且つますます増加している。昨日、バグダッドの来た120kmに位置するサマラでは爆弾搭載車輌によるテロで11名のイラク人が殺害され、イラクの他の都市では小競りあいで13名が命を落とした。

候補者は標的?

このような懸念すべき情勢は、しかしスイス大使館の書記官をひるませはしない。書記官はバグダッドのスイス連絡事務所で「ここからそれほど遠くないところで大きな爆発が発生したばかりです。でも私の身に危険はありません。事務所からまったく外出していません。ここ数日、バグダッド市内では人々は簡単に銃の引き金を引くんですよ」と語った。

事務所で電話取材に答えてくれたイラクのスイス使節団団長のマルティン・アッシェンバッハーは、選挙への立候補者の身の安全が憂慮すべきものだと認めた。日曜日の選挙で、さまざまな役職へ立候補している人の総数は1万9000人に達する。イラク総選挙のほかに、20ほどの別の地方選挙が予定されているためだ。

各党の党首以外は、立候補者の大多数は顔を隠して選挙活動を行っている。しかし選挙人名簿がついに公表され、現在立候補者の身元は周知のものとなった。これらの立候補者は、反政府派からテロの標的として狙われる危険性はないのだろうか?マルティン・アッシェンバッハーは、そのような懸念は当然あると認めた。その3分の1が女性である2万人の人々の安全確保は難しい仕事だからだ。そして死の危機に脅かされながら、有権者はどうやって投票所に赴くのだろうか?アッシェンバッハーによれば、イラクの各地方やバグダッド市内の各地域で危険の度合いは異なっている。しかし選挙のために規定された安全対策は、この選挙に賭けるイラクの熱意の度合いを示している。幹線道路はイラク国内でほとんど全面的に封鎖され、爆弾テロを回避するため、市街地を車輌で通行することは禁止される。おそらく今夜から、火曜日の朝まで、夜間の全面外出禁止令が実施される予定だ。イラク人は徒歩で投票所に赴かなければならない。

しかし、1400万人の有権者を受け入れなければならないイラク国内の5200箇所の投票所の安全はどうやって確保すればよいのだろうか?アッシェンバッハーは各投票所の周囲に10数名の警察官が配置されると見ている。また、投票所には身分検査所も備えられ、鉄条網で取り巻かれる。投票所付近の各市街には米軍の応援も配置に付く予定だ。ロイター通信によれば、特に安全が不安視される地区では、投票所の場所がどこになるか、まだ公表されていない。投票所の場所は、張り紙によって選挙の直前に告知される。また特に危険度が高い地方では有権者は選挙人登録を行った直後に投票を行うことができる。非常に危険ないくつかの町の住民は、バグダッドで投票を行うことも可能だ。

4万人の選挙監視人

不正な投票が行われるリスクは巨大なのではないのだろうか?アッシェンバッハー書記官は、他国で選挙が行われた時と同じように、選挙違反者の取り締まりに助っ人として参加することを要請されたのだろうか?「いいえ、この選挙には欧米外国人による選挙監視人はいません。しかしイラク全国のNGOや政党を代表するアラブ人、イラク人からなる4万人の監視人が配置されます」とアッシェンバッハーは答えた。しかしながら、イラク財務大臣のアデル・アブデル・マハディは「治安悪化のためにすべての地域に選挙監視人を送ることは不可能になりました」と語っている。

おそらく国連の助言に従ったのだろう。イラク自身の選挙を運営するのはイラクだ。各国の代表から構成されており、カナダが主導的な役割を果たしている「イラク選挙のための国際ミッション」は、選挙の実施状況とその合法性を検査している。

「何も後悔していません」

この選挙の際、スイス人外交官は何をするのだろうか?アッシェンバッハーは大使館に待機する予定だ。「外出するのははここのところあまりにも危険になりすぎています。それほどの危険を冒す意味はありません。私はアラビア語ができますから、アラブ系のラジオやテレビで選挙について情報を集めます。投票を終えた人の話も聞くつもりです」

歴史が創られようとするまさにその時、その最前線に身を置くマルティン・アッシェンバッハーは自分自身の命の危険は感じないのだろうか?ボディガードは3人の南アフリカ人だけで十分なのだろうか?アッシェンバッハーは答える。「怖くはありません。身の安全は守られていると感じてきます。戦争終了後にこのポストを引き受けたことを後悔はしていません。イラクは論争の焦点になっていますし、この状況を間近で観察できるのは非常に興味深いことです。それに、あまりにも長い間国外に出ることができなかったイラクの人々にビザを発行するという仕事がありますし、戦後の準備も進めています。スイスはすでにイラク向けの輸出をかなり再開しています。主要な輸出品は薬品です。ひとたび情勢が落ち着けば、大きな変化がおきるのではないかと予想しています。スイス企業のイラクでの評判は高く、通商におけるイラクのポテンシャルは無視できないものです。そこにはスイス、イラク両国にとっての利益があるのです」
(翻訳おわり)

"Des elections valent mieux que rien"
「何もしないよりはましな選挙」

1月28日付け ラ・リベルテ Jacques Berset
元記事はこちら
http://www1.laliberte.ch/news_evenement.cfm?id=158921

(翻訳はじめ)
国連のイラク・ミッションの団員であるフリブール人ジョルジュ・ベルセは、どんな犠牲を払ってもこの選挙は実施されねばならないと考えている。ベルセはフリブール大学とベルン大学で学業を修め、昨年7月からクウェートとバソラを本拠に活動している人権の専門家で、2ヶ月間のバグダッド滞在を終えたばかりだ。

あなたは選挙に賛成していますね。しかし、選挙実施のための条件はあまりにも不十分にしか整っていないのではないですか?

選挙の実施を延期しても、安全面でもイラクの将来の展望に関しても、情勢が改善されるという保証はありません。今回の選挙が、18選挙区で実施される予定の新たな選挙を準備するための、任期わずか12ヶ月の国会を発足させるためのものであることを忘れてはなりません。選挙終了直後から、この暫定国会で選挙の準備がはじめられると良いなと思っています。暫定国会では憲法制定委員会、予算委員会、社会福祉委員会などが設置される予定です。

バグダッドでの日常はどのようなものですか?

閉じ込められたような気分ですよ!15分に一回は戦闘機か、でなければ1〜2機のヘリコプターが飛び交っているんですよ!このような状況下で民主主義について考えるのは非常に困難なことです。私がバグダッドで過ごした2ヶ月間に、一日に28回の爆発が発生した日もありました…。そのうち、報道されるのは20〜30%くらいです。

アメリカの駐留は長引きそうですね…

実際、米軍は引き上げる準備は出来ていませんね。現場に設置したインフラを監視しなければなりませんから、明日帰国というわけにはいかないですよ!でも、イラク人が事態を自らの手に取り戻しつつあるように感じました。そして、イラク人がアメリカの援助ばかりではなく、ヨーロッパの援助も当てに出来るようになればいいなと思っています。

南部ではイギリスの評判が良いようですが?

イギリスは、バソラの地元住民に対して良いアプローチを採りました。ただちに社会問題と開発問題に着手したのです。イギリスが植民地経営の経験に豊富であることは一目でわかります。イギリスは数多くのイラク・英国合同ミッションを発足させ、それらの代表団を国外に派遣しました。病院、診療所、大学の再建にも非常に積極的に関与しています。たとえそれでもシーア派が全てのイギリス人が外国人占領者だと思っていたとしても、現在のところはそれを必要悪だと考えています。

しかしバソラでの虐待問題は情勢を大きく変える可能性があるのではないですか?

全てはシーア派の宗教指導者や部族長がどう反応するかにかかっています。彼らは人々の感情を沈静化させることも、刺激することもできますからね!また、バソラを含むイラク各地で高まっている急進的なイスラム運動がどう進展するかにもかかっています。
(翻訳おわり)

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 戦争66掲示板



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。