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<2005年1月28日 朝刊 1・2面>
ヘリ墜落心的被害認定/昨年8月・沖国大事故
住民2人日米が補償へ
宜野湾市の沖縄国際大学で昨年八月に起きた米軍ヘリ墜落事故で精神的ショックを受け、医療機関で「墜落事故が原因の精神的疾病」と診断された周辺住民二人が、那覇防衛施設局に治療費などを請求、補償する方向で日米間でほぼ合意していることが二十七日、分かった。同事故で周辺住民の人的被害が認定されるのは初めて。米軍の事件・事故に関し、日本政府が心的被害の治療費を補償対象とした例について、防衛施設庁の担当者は「記憶にない」としている。
施設局によると、事故後、周辺住民二人が医療機関の診断書とともに治療費などの補償を施設局に請求。防衛施設庁は米軍の公務中の事故などの損害賠償請求権を規定した日米地位協定五条五項に基づく補償請求と認定し、米側と協議中。
米軍側も治療費の本人負担分の全額支払いなどの補償についてほぼ同意しており、近く二人に治療費などが支払われる見込み。
同五条五項は、米軍の公務中の事故で米側のみに責任のある場合、補償額を米側75%、日本25%の支払い分担を規定している。
日本側が請求者に補償費を全額支払った後、米側に分担額を請求する。
心的被害の補償について施設局は「肉体的被害と同様、医師の診断書を基に事故との因果関係が確認されれば、完治するまでの間の治療費などを補償する」としている。
施設局は、周辺住民が同事故で受けた心的被害について宜野湾市と合同調査を実施したが、補償請求した二人は調査の対象外だったという。
施設局は、調査対象を拡大する予定はないとしている。
宜野湾市の伊波洋一市長は「墜落事故が原因の精神的疾病が認められた二人以外にも、ヘリや航空機の飛行に不安感を持つ市民は多い」と指摘。「イラク派兵などで飛行回数が激減しているものの、飛行すれば苦情は絶えない」と話している。
◇ ◇ ◇
2人「要経過観察」
那覇防衛施設局は二十七日、沖国大への米軍ヘリ墜落事故で周辺住民が受けた心的被害について、宜野湾市と合同実施したアンケート調査結果を発表、「経過観察が必要」と診断された住民が二人いることを明らかにした。
調査期間は昨年十一月二十四日から約一カ月間。宜野湾市内の沖国大の近隣住民の百三十二世帯、二百八十一人が対象。このうち、保健師が面接した八十九世帯、百九十九人から回答を得た。
アンケートの質問は「不安で落ち着かない」「泣きたい気持ちになる」「眠れない」など、主に現在の精神状況に関する十七項目。
回答内容を保健師と臨床心理士が分析した結果、「調査時点では特段、緊急に支援する必要がない」と診断されたのが百九十七人。一方、「緊急に支援する必要はないが、今後より注意深く経過を観察する必要がある」が二人だった。
経過観察が必要とされた二人の住民への対応について施設局は「保健師と臨床心理士が連携を密にとりながら、適切に対処する」とし、治療費などを要する場合は補償も検討する。
施設局は「事故直後に心身の不調を訴えた住民で、時間の経過とともに症状が軽くなっている住民に対しては、特段の支援はこの時点で必要ない」と判断。ただし、症状が軽減した住民から今後、再度心身の不調の訴えがあった場合については「速やかに対処する」方針。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200501281300.html#no_1
昨年8月に起きた米軍ヘリ沖国大墜落事故で、事故現場周辺住民2人が、事故が原因の「精神的疾病」と診断され、那覇防衛施設局に治療費など損害賠償を請求、日本政府と在日米軍は日米地位協定18条5項に基づいて補償金を支払うことで27日までにほぼ合意した。既に補償額の査定も終え、支払いに向け最終調整している。補償金はいったん日本側が全額を負担し、米側にその75%の償還を求める。
施設局によると、米軍関係者の公務中・外の事件、事故による心的被害への補償については、被害者の遺族に対し慰謝料が支払われる例があるが、「精神的疾病」を理由に治療費などを補償するのは初めて。
これとは別に、施設局と宜野湾市が事故現場周辺住民を対象に昨年11月24日から12月19日にかけて実施した「心の健康調査」でも、2人が今後心的外傷後ストレス障害(PTSD)にならないよう経過観察が必要と診断されていた。
施設局はこの2人については、現在のところ補償金支払いの対象外と見ているが、今後精神的疾病と診断されれば補償手続きを取る方針。
施設局などの調査は宜野湾市宜野湾、沖国大近隣の132世帯(281人)を対象に実施する計画だったが、実際には保健師による面接調査が可能だった89世帯(199人)について実施した。
精神的疾病と診断され賠償請求した2人は調査予定者にも入っていなかった。施設局によると、2人は事故現場周辺に住み、ヘリ墜落事故が原因で精神的ショックを受け、医療機関で精神的疾病と診断され、個別に那覇防衛施設局に賠償請求した。
施設局は「事故との因果関係が確認されれば、疾病として完治されるまでの間の治療費等について補償することとしている」と説明している。
<ニュース用語>日米地位協定18条5項(民事請求権)
在日米軍の軍人らが米軍基地外で起こした公務中の事件・事故で、日本政府以外の第三者に損害を与えた場合の賠償請求権などを定める。被害者から防衛施設局が損害賠償請求を受け、内規に従って補償額を査定。防衛施設庁が在日米軍と協議して決定する。米軍に責任がある場合は、日本政府が25%、米側が75%を分担。補償決定後、当面は日本政府が100%支払い、後に米負担分の償還を求める。
(琉球新報) - 1月28日10時51分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050128-00000013-ryu-oki