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□アメリカのIAEAでの失敗 [IRIBラジオ日本語ニュース 解説から]
http://www.irib.ir/Worldservice/japaneseRADIO/news.sun.htm#kaisetu
アメリカのIAEAでの失敗
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IAEA国際原子力機関の事務局長選挙を前に、アメリカが、またひとつ、挫折を味わったようです。ワシントンポストが、アメリカ政府高官の話として伝えたところによりますと、IAEA定例理事会の理事国少なくとも15カ国が、エルバラダイ事務局長の再選阻止を求めたアメリカの要請に反対したというのです。また、イギリス、カナダ、オーストラリアなど、アメリカの親しい同盟国すら、この要請に反対を示しています。現在、アメリカ政府は、事務局長の任期を2期までとすることを理由に、彼の辞任と、後任者選びを求めているのです。
こうした中、多くの政治アナリストは、アメリカ政府がエルバラダイ事務局長に反対しているのは、イランの核問題の調査方法と、イラク戦争における彼の対応に理由があるとしています。エルバラダイ事務局長は、国連のブリクス武器調査団長とともに、アメリカのイラク侵攻直前まで、イラクに大量破壊兵器は存在していないと主張していました。そしてイラク占領から20ヶ月が経った現在、エルバラダイ事務局長とブリクス委員長の主張が正しかったことが証明されています。また、エルバラダイ事務局長は、イランの核開発についても、常に平和性を強調し、イラン政府当局の査察団に対する協力に感謝を示しています。ここ2年間の彼のこうした姿勢は、アメリカ政府の激しい怒りをかいました。アメリカは、イランの核問題に関して、会話を盗聴してまで、エルバラダイ事務局長に圧力をかけようとしたのです。
アメリカ政府は目下、エルバラダイ事務局長を辞任させることで、IAEAにおける自らの立場を強めようとしていますが、こうした動きは、アメリカの最も親しい同盟国にすら、認められてはいません。政治評論家は、オーストラリアなど、定例理事会の他の理事国が、新たな候補者を打ち立てることに反対した場合、唯一の候補者であるエルバラダイ事務局長の、再選へのチャンスが広がるだろうと見ています。そうなれば、彼は、5年任期の3期目を務めることになるのです。
ブッシュ大統領は、しばらく前から、核技術の平和利用における各国の法的権利を制限する目的で、NPT核不拡散条約・追加議定書の見直しを強調してきました。もしアメリカが、エルバラダイ事務局長の再選を防ぐことができなければ、この新しい追加議定書の批准に向けた動きは、間違いなく、孤立するだろうと見られています。
こうしたことから、アメリカの明らかな反対にも拘わらず、エルバラダイ事務局長が再選されれば、それは、アメリカのIAEAでの挫折を示すものだと言えるのです。