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(回答先: イラク派遣反対訴え 松山駐屯地に請願書提出[愛媛新聞]14日、16日 投稿者 なるほど 日時 2005 年 1 月 23 日 05:06:53)
自衛隊のサマワ派遣反対を訴える市民たち。自衛隊はいまでは、海外でも活動するようになった=松山市南梅本町の陸上自衛隊松山駐屯地正門前で
[憲法を旅する]
<8> 自衛隊とサマワ派遣
命守った「正しいこと」
兵器使う恐怖 知る隊員
最終兵器を持つ世界屈指の「軍隊」 だが
9条はいまも戦力放棄を求めている
「自衛隊はイラクに行くな!」。 そう書かれた横断幕を掲げた市民が松山市南梅本町にある陸上自衛隊松山駐屯地の正門前に集まった。「米軍に加担するな」 「海外派兵を許すな」 と口々に叫ぶ市民たち。正門から出てきた迷彩服の隊員は直立不動で「私には答えられません」 と繰り返した。先月12日のことだ。
憲法9条2項は、戦力の不保持を宣言したが、発足から半世紀を経た自衛隊は隊員24万人。イージス艦や90式戦車など最新兵器をそろえた世界屈指の「戦力」 を持つようになった。松山駐屯地でも、正門を入ってまず、目に飛び込んでくるのは74式戦車だ。105ミリ砲を装備。全長9・4メートル、重量38トンの巨体に圧倒される。
□ ■ □
自衛隊と憲法9条の関係を考えるようになったのは昨夏、松山駐屯地に体験入隊取材してから。ジェット戦闘機を迎撃する35ミリ連装高射砲や、分厚いコンクリートの陣地も撃ち抜く155ミリりゅう弾砲を操作する隊員の姿は、戦争映画の一場面を見ているようだ。
しかし、訓練を終え、一緒にテレビを見ながら談笑した隊員は、心優しい青年たちばかりだった。自衛隊が違憲の存在と非難され、つらくないのか。大きな殺傷力を持つ兵器を扱うことに恐怖感はないのか。そんな疑問が募った。
松山駐屯地の隊員たちに疑問をぶつけてみると、「憲法は取り立てて考えたことはありません」 と口をそろえた。
入隊希望者の面接を担当する松山地方連絡部の士官は「銃を撃ちたくて自衛隊に入りたい人なんていませんよ」 と笑う。「社会の役に立ちたい」 「体を動かすのが好き」 というのが志望動機の大半だ。災害救助で活躍する自衛隊員の姿に感動した希望者も少なくないという。
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地方連絡部の海士長は「高校を卒業する時、やりたい仕事がわからず、なんとなく入隊した。海外派遣などは考えもしませんでした」 と入隊した01年春を振り返った。
その年9月に発生した米国同時多発テロで環境が一変したと感じている。武力攻撃事態法など有事関連法が相次ぎ成立。海上自衛隊はインド洋で洋上給油任務に従事し、陸上自衛隊はイラクのサマワに派遣された。
海士長は「行けと言われたら海外でも出動します。しかし、銃を人に向け、引き金を引けるとは思えません。銃砲の威力を知っていますから」。 松山駐屯地のベテラン隊員は「市民の抗議は私たちの生命や身体の安全を考えてくれたもの。ありがたいという思いもあります」 と話した。
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兵器を使う恐ろしさを知っていながら、命令があれば「戦地」 へ駆けつける隊員たち。サマワで活動する陸上自衛隊本隊を後方支援する「イラク復興支援業務隊」 の第3次要員に、松山駐屯地の隊員も加わった。やりきれない気持ちになった。
終戦後の47年、文部省が発行した「あたらしい憲法のはなし」 の中で、「戦力放棄」 は「けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」 と説明されている。
「正しいこと」 にこだわったからこそ、自衛隊は1人の命も奪わず、1人の命も奪われずに半世紀を過ごせたのではないだろうか。
(鈴木 健輔)
9条(2) 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
http://mytown.asahi.com/ehime/news02.asp?c=5&kiji=619