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画像は昨年7月にサマワで撮ったもの。サマワ総合病院近くの広場にあった掲示板に張られた「Fuji News」(自衛隊の活動や日本の文化を紹介する広報紙)だが、破られていた。既にこの頃からサマワ市民の不満はかなり高まっていたのだ。
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この間、イラク関係のトピックを紹介できなかったが、今月末の直接選挙を控えイラク情勢はますます緊迫したものとなっている。衝撃的かつ、起こるべくして起こったことと思ったニュースは、イラクでのイスラム・シーア派最高指導者アリ・シスターニ師の側近などシーア派の要人達が相次いで殺されたことだ(関連報道)。イラクの人口の6割を占めるシーア派は選挙戦で有利なため、期日通りの今月末の選挙実施を求めてきた。
他方、もともと少数派で選挙で不利な上、米軍やイラク暫定政府がスンニ派を敵視し、ファルージャ総攻撃など一般市民を巻き込んだ無差別な殺害・拘束、破壊行為を繰り返している為、スンニ派イラク人の米国や暫定政府に対する信頼は回復不可能なまでに失われており、同派有力イスラム組織「イラク・イスラム法学者協会」等も選挙のボイコットを呼びかけている。
こうした状況の中で、スンニ、シーア両派の関係は険悪なものになりつつある。相次ぐシーア派への攻撃も、こうした状況の中で起きていると言ってもいいだろう。現在の状況も深刻だが、怖いのはむしろ選挙後だ。選挙の正当性をめぐり、スンニ、シーアの対立は決定的なものとなり、最悪、内戦状態にまで発展する恐れすらある。
サダム・フセインがシーア派を抑圧してきたとは言え、サダム政権崩壊後はスンニ、シーアの間に目立った対立はなかった。現在のスンニ派とシーア派の関係悪化は米国の対イラク政策の失敗以外何ものでもないだろう。
サマワ情勢も不安定さを増している。ブログの読者の皆さんもご存知のように、今月11日には不発だったとは言え、信管付きのロケット弾が自衛隊の宿営地に着弾した(関連報道)。気になるのは、最近、サマワでは「自衛隊が米軍支援のために来ているのではないか」という疑念を持つ住民達が少なくない、ということだ(ある意味疑念ではなく、自衛隊イラク派遣は日本の対米追従の政策そのものと言えるのだが)。
先日、サマワにいる情報提供者から、「住民の間に“自衛隊が米軍のために空軍施設を建設している”という噂が流れている」という報告が届いた。たとえ事実と異なる噂であっても、イラクでは住民同士の口コミの情報が最も信頼されているだけにバカにできない。サマワの住民達の中に自衛隊への攻撃をしかける者が出ても不思議はないのだ。
こうした不信感の背景には、自衛隊の活動が成果をあげてないというサマワ住民の不満があるのだろう。サマワではこの一ヶ月、ロクに電気が配給されていないそうである。元より電力の復旧は自衛隊には荷が重い仕事ではあるのだが、1980年代に日本企業がイラクでのインフラ整備で活躍したため、サマワの住民の自衛隊への期待の高さはハンパでは無かったのだ。それだけに反動は大きい。ある住民は「この一年、自衛隊はあれをやる、これをやると言っているが結局何もしていない。占領支援のために来ているのでなければ、何をしているのか?」と私の情報提供者に語ったという。
イラク情勢に関しては、これから他の情報提供者からも報告が届くだろう。詳しいことは新聞や雑誌等のメディアで発表していきたいと思う。
画像は昨年7月にサマワで撮ったもの。サマワ総合病院近くの広場にあった掲示板に張られた「Fuji News」(自衛隊の活動や日本の文化を紹介する広報紙)だが、破られていた。既にこの頃からサマワ市民の不満はかなり高まっていたのだ。
2005年 01月 19日
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