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【モスクワ=内藤泰朗】ロシア革命の発端となった血の日曜日事件から二十二日で百年。同事件は生活に苦しむ市民のデモが発端となった。いままたロシアでは旧ソ連時代から続いていた特恵制度廃止に反発する年金生活者の抗議デモが全土に拡大しており、プーチン政権は、事件を想起させる市民の不気味な動きに神経をとがらせている。
事件は一九〇五年一月二十二日、首都ペテルブルク(現サンクトペテルブルク)で起きた。政治的自由や戦争の中止、八時間労働日の実施などを皇帝ニコライ二世に求めて冬宮前に集まった群衆に軍が発砲し、百人以上が死亡。首都は大混乱に陥り、後の革命の序章となったとされる。
その百年後の今月十日から始まった高齢者らによるデモは、モスクワで、国際空港に通ずる幹線道路の実力封鎖だけでなく、全土の各地方都市に波及し、サンクトペテルブルクでは十五日、デモに参加していた年金生活の男性が車にひかれて死亡、初の犠牲者が出た。
これまでに、数十の都市で数百人から一万人規模のデモが連日のように行われ、二十一日には政情が不安定な南部カフカス地方で、昨年の北オセチア共和国ベスランでの学校占拠事件を阻止できなかった責任を追及し、ザソホフ共和国大統領の退陣を求めるデモにまで発展している。
混乱のきっかけとなったのは、露政府が今月実施した社会保障制度改革だ。地下鉄など公共交通機関の無料乗車や薬の無料制度など高齢者や軍人らに対する特恵を廃止する代わりに、毎月一定の補助金を支給するというもの。だが補助金の額はわずかで、年金生活者らの財布を直撃した。
二〇〇〇年に発足したプーチン政権下で国民の不満がこれほど拡大したのは初めて。隣のウクライナで反政権勢力の「オレンジ革命」が成就したばかりでもあり、警戒を強める政府は連日、閣議を開いて対応策を検討している。
プーチン政権の危機感の強さは、イワノフ国防相が学生の反発を気にして、徴兵猶予をいっさい認めない「全員徴兵制」の導入を一年先送りしたことにも表れている。高齢者に加え、若者たちまでがデモに参加するようになれば、「革命」のにおいがさらに強まるためだ。
プーチン政権は、事態に慎重に対応しつつ地方の有力者たちの責任を問う構えを見せており、デモの拡大を契機に中央集権化がいっそう強化されることも予想される。
1月22日3時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050122-00000010-san-int