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(回答先: 米偵察要員イラン潜入、核施設など情報収集…米誌報道 (読売新聞) 投稿者 彗星 日時 2005 年 1 月 19 日 01:53:49)
今回のニューヨーカー誌の記事をめぐる展開で気になることがあります。
@ ブッシュ大統領就任式の直前であること
今回国防総省はこの記事に関して記者会見を行って”噂に基づいたものであり、細部に不正確な点が多い”と反論していますが、イランでの諜報活動や軍事攻撃の準備を行っていることについては否定していません。そればかりか、”イランの現体制が核兵器開発へのヤシンを明らかにし、テロ組織への支援を展開していることは世界的な脅威”として軍事攻撃という選択肢を残していることを明らかにしています。問題はこの国防総省の”大筋は認める”とのコメントが出されたのは、ブッシュ大統領の2期目の就任式4日前であるということです。すなわち、ブッシュ政権は米国(?)の安全のために(???)中東を民主化する戦略を2期目ではさらに発展させることを宣言しているともとれます。
A CIAではなく軍が主導?
ニューヨーカー誌も指摘していますが、CIAの弱体化が顕著です。CIAの国外での秘密工作には上下両院の委員会への報告などが義務付けられています。これは1970年代のCIAの活動に対する反省から加えられた規制ですが、このような縛りを避けるために、国防総省主導で作戦を実行しています。その国防総省のトップにはネオコンが居座っており、いまや米国の安全保障政策はネオコンの掌中にあるといえそうです。
昨年の大統領選挙で共和党の勝利が決定した際に、チェイニー副大統領が”我々の政策は国民の審判を受け、承認された”と語りましたが、この政策とはまぎれもなくネオコンの戦略。
イラク戦争で戦後の対応のまずさにもかかわらず、国防長官、副長官が留任し、十分な能力を持っていないと誰しもが認めるスノー財務長官は選挙戦中の盲目的なまでの活動ぶり、”イエスマン”であるがゆえに数ヶ月は職に留まる・・・といった人事でも既に明らかです。
一部にはブッシュ政権は1期目の孤立主義からの修正を図るなどといった楽観論も見受けられますが、これは全くの期待はずれに終わるのではないでしょうか。関係の改善というのは、昨年の”ロシアを抱き込み、ドイツを許し、フランスを罰する”という戦略に見られるようなあくまでも相手を見ながら、二国間関係を構築することによって、孤立化は避けるというものになり、国連を軽視する姿勢には変わりはありません。ローマが共和政時代に、同盟内の集団的自衛というシステムからローマを中心とした二国間の協定に基づく同盟へと変貌し、勢力を拡大したのと同様に、米国は自国を中心とした2国間関係を中心にして同盟を築く方向を模索するでしょう。米英同盟、米豪、日米・・・などなどです。欧州に対しても、個々の国々に対する対応を変えることによって、欧州の結束を緩める方向に作用するでしょう。なお、EU拡大をにらんでまとめられたEU憲法ではEU大統領と外相の設置は定められていますが、外交と安全保障に関しては加盟国の拒否権など独自の権限を認めています。
話をアメリカに戻すと、ブッシュ政権は”パクス・アメリカーナ”構築のためには”中東の民主化”は不可欠だと考え、イラク戦争はその第1段階に過ぎず、2期目に入るにあたって、次の戦略的攻撃目標を定めたと理解すべきなのでしょうか。