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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050120k0000m030178000c.html
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「2期目に興奮している。優先課題は対テロ戦争の勝利と、自由と民主主義を広めること。国内では社会保障と税制の改革だ。財政赤字削減にも取り組む」。20日の就任式を前に、ブッシュ大統領は米紙ワシントン・ポストとの会見で語った。
ブッシュ氏は2期目の人事で、閣僚15人のうち約3分の2にあたる9人を交代させる大ナタを振るった。その顔ぶれからは、ブッシュ氏が政権内の意見対立を嫌い、「忠誠度の高い仕事師」を要所に配することで自身の政策を実行させる意向がうかがえる。ホワイトハウスが外交・内政を一元的に支配する「直轄政権」の誕生の様相が濃い。
目玉は、政権内強硬派から「敵地」とまで呼ばれてきた国務省指導層の交代だ。チェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官ら強硬派と対立を続けた国際協調路線のパウエル国務長官の退任を、ブッシュ大統領は承諾。大統領の「腹心」のライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を新国務長官に起用した。
ライス氏は18日の指名公聴会で「今こそ外交の時だ」と語り、イラク戦争で傷ついた同盟国・友好国との関係再構築に意欲を示した。同氏自身の外交路線は「中道派」とも「同時多発テロ以降は保守化した」とも言われ、明確でない。同氏が、新国務副長官に「共和党伝統の現実的外交」派と見られる米通商代表部(USTR)のゼーリック代表を選んだこともあり、ライス外交は「イデオロギーでなく現実的な問題解決を重視する国際協調路線を取るのでは」との見方が一部でささやかれているが、この分析もやや単純過ぎるかもしれない。
ライス氏を含めて2期目のブッシュ政権が、イラク戦争で傷ついた米欧関係を修復しようとするのは間違いない。だが、それは「イラクでの大失敗という現実のプレッシャーに押されてのもので、他に選択肢がない」(米外交問題評議会のチャールズ・カプチャン上級研究員)からと言える。「米欧間で多くの『談笑』は行われるだろうが、具体的進展は期待できない」との見方が強い。
政権内の基本的な権力構造を見ても「単独行動主義による対テロ戦争の遂行」という、これまでのブッシュ政権の路線の変更につながる要素はほとんどない。1期目の政争を勝ち抜いたのは、強硬派のチェイニー副大統領とラムズフェルド国防長官であり、国際協調路線のパウエル国務長官は敗れ去った。ラムズフェルド氏は現在、イラク問題で批判にさらされているが、チェイニー氏は無傷に近い。「1期目の外交政策を支配したのは、おそらくチェイニー副大統領だ。ライス氏はブッシュ大統領の側近だが、国務長官になれば大統領との接触時間は極端に減る。2期目ではチェイニー氏の力がさらに増すだろう」(カプチャン氏)と見られている。
中東民主化を掲げてイラク戦争を立案したネオコン(ネオ・コンサーバティブ=新保守主義)派も、イラクの泥沼化で傷ついたとはいえ、一定の影響力を維持している。政権内ネオコン筆頭格のウルフォウィッツ国防副長官は、ラムズフェルド長官とともに当面、留任する。
ネオコンのシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」のゲーリー・シュミット事務局長は「ブッシュ大統領の遺産はイラクでの成功にかかっており、大統領は主要課題で政策変更はないと言っている」と語る。だがイラクでの成功戦略については「どうすべきか明確なものはない」と声を落とした。路線変更もなく、戦略も見いだせないまま、「勝利」と「成功」の掛け声だけが踊るなか、2期目が船出する。