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01/17 17:50 一層強まる「神の国」意識 同性婚、中絶禁止に照準
ブッシュ米大統領は昨年十一月の大統領選で、聖書を絶対視する
キリスト教福音派を中心とした宗教右派の大量動員を原動力に再選
を果たした。信仰の力でアルコール依存を克服した「ボーン・アゲ
イン」(生まれ変わった)クリスチャンとして福音派に共鳴する大
統領は、米国が「神の国」との意識を一層強め、信仰に根差した保
守的な価値観を反映した社会づくりを二期目の政権で目指す。
大統領に「貸し」をつくった形の宗教右派勢力はかつてない大き
な政治的発言力を背景に、聖書が禁じながら法律で認められている
同性結婚、妊娠中絶の非合法化に照準を定め、「神の国」体現へと
動き始めた。
▽貢献と報償
「票を投じたわれわれの望みをかなえる。それが政治の役割だ」
保守系団体「アメリカの価値」の会長で、宗教右派の有力者ゲリ
ー・バウアー氏は大統領選直後、ブッシュ再選に貢献した自分たち
が報われるのは当然だと強調。福音派の中には、第二期ブッシュ政
権下で「信仰心の厚い社会」に向けた具体的前進がなければ、二〇
〇六年の中間選挙、〇八年の大統領選で共和党の勝利はないと、〓
(始めダブルミニュート)脅し〓(終わりダブルミニュート)をか
ける指導者もいる。
宗教右派が当面の最大の目標とするのが、同性婚の違法化。昨年
、マサチューセッツ州などで同性婚が法的に認められたことに危機
感を抱いた宗教右派は、合衆国憲法を修正して「結婚は男女間に限
る」と明記するよう働き掛けを強めている。
▽毎朝の祈り
大統領選と同時に十一州で行われた住民投票では、同性婚を違法
とする州憲法修正提案がすべての州で可決された。連邦議会でも昨
年七月、上院に憲法修正案が初めて上程された。採決に至らぬまま
廃案になったが、「次の四年間で憲法修正を勝ち取るのは現実的目
標になった」(福音派のチャールズ・コルソン伝道師)と、宗教右
派は自信を深める。
また妊娠中絶問題でも、合法とした一九七三年の歴史的な連邦最
高裁決定を覆すため、最高裁判事の布陣を保守派多数になるようロ
ビー活動を展開している。
大統領は「中絶問題をリトマス試験紙にはしない」と、退任間近
とみられるレンキスト長官ら後任判事の指名では、中絶に関する見
解は問わないと繰り返す。しかし、毎朝の祈りを欠かさず、聖書を
愛読する敬虔(けいけん)なキリスト教徒である大統領が中絶容認
派を指名する可能性はほとんどない。
▽神のご加護
大統領選で敗れた民主党も、キリスト教の影響力が強い南部で二
〇〇〇年選挙に続いて一州も勝利できなかったことから、「宗教的
価値に真剣に訴えないと永久に勝利できないのでは」と危機感を強
めている。
党全国委員長の選出問題では、昨年の大統領選予備選で当初、最
有力候補だったディーン前バーモント州知事が立候補を表明したが
、「あまりにも左寄り」(党関係者)として、中道・保守にアピー
ルする人材を擁立しようとする勢力と路線対立が起きている。
「神のご加護を」
歴代米大統領の就任宣誓はほぼ例外なく、この言葉で結ばれてき
た。大統領は二期目のスタートに当たり、もう一度この言葉の重み
をかみしめるに違いない。(ワシントン共同=沢井俊光)
20050117 1750
[2005-01-17-17:50]