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日韓条約:
韓国、外交文書公開 個人の対日請求権消滅
【ソウル堀信一郎】韓国政府は17日、1965年に日韓両国が国交樹立のために締結した日韓条約のうち、請求権処理と経済協力を定めた日韓請求権経済協力協定の関連文書5件を公開した。今年は条約締結40周年に当たるが、関連外交文書の公開は日韓双方で初めて。文書の中で、韓国政府が協定締結で個人の対日請求権が消滅することを確認し、その後の個人補償については「韓国政府が義務を負う」との見解を示していたことが分かった。
公開されたのは、請求権関連57件のうちの5件で全1200ページ。5件の文書公開を求めた昨年2月のソウル行政裁判決に沿って韓国政府が公開を決めた。今後、日本に徴兵・徴用された韓国人の遺族団体などが当時の韓国政府見解を基に補償を求めるのは必至だ。
韓国政府は今後も日韓交渉の外交文書を公開する方針。日本と北朝鮮は02年9月の日朝平壌宣言で、日韓と同じように国交正常化に伴い、経済協力方式で請求権問題の解決を図ることを確認しており、韓国の文書公開は、将来の日朝協議にも微妙な影響を与えそうだ。
公開された韓国外務省(当時)から韓国経済企画院にあてた64年5月11日付の公電では「(条約で)請求権問題が解決されれば、個人請求権も含めて解決されるので、韓国政府は個人請求権の保有者に補償義務を負う」と表明している。
また、北朝鮮の請求権問題に関しては、64年3月の韓国外務省訓令に「協定文に明文化しない代わりに、両政府がそれぞれ適切な説明で自国民を納得させる」と明記されていた。当時、韓国は朝鮮半島における唯一の合法政府と主張していたが、協定締結を優先し、玉虫色の決着を図ったことがうかがえた。
また、文書では韓国が62年までの交渉で、日本に徴用・徴兵された韓国人死傷者を103万2684人と推計し、被害者への賠償だけで3億6400万ドルを要求したことが分かった。だが、韓国政府が実際に行った補償からは、負傷者は除外された。
請求権問題では62年11月、当時の大平正芳外相と金鍾泌(キムジョンピル)中央情報部長が会談し、日本が経済協力を行うことで一括処理する方針が決まった。
<日韓条約>
1965年6月22日、日韓が国交樹立のために締結した日韓基本条約と、日韓請求権経済協力協定、日韓漁業協定、在日韓国人法的地位協定、文化財協定の四つの協定、付帯文書25件をまとめた総称。日韓会談は51年の予備会談を経て、52〜65年まで7回に及んだ。最大の争点となった請求権問題は「日本の敗戦と韓国の独立に伴う財政的・民事的な債権債務の相互清算」と説明されている。
毎日新聞 2005年1月17日 13時21分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20050117k0000e030069000c.html