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イラク調査団のケイ氏、米政府のイラン強硬姿勢を批判
2005.02.10
Web posted at: 12:19 JST
- CNN
http://cnn.co.jp/usa/CNN200502100005.html
ワシントン(CNN) ブッシュ米大統領が一般教書でイランを「世界最大のテロ支援国」と名指しで批判するなど、米政府がイランに核開発計画を廃棄するよう強く警告している問題で、イラクの大量破壊兵器に関する米調査団を率いたデビッド・ケイ氏は9日、イランに核兵器保有の意志はあるはずだと述べた上で、ブッシュ政権のイランに対する態度はイラク戦争開戦前のイラクに対するものと似すぎていると指摘し、米国の強硬姿勢を批判した。
ケイ氏はCNNに対し、「まるでデジャビュ(既視感)だ。国防長官が、イランの核兵器保有がいかに危険か演説しはじめた。副大統領が、核保有国イランがテロリストを支援したらどうなるかと警告しはじめた。そしてコンドリーザ・ライス(国務長官)が、『武力行使は検討していない……まだ』と言い始めた」と述べ、ブッシュ政権高官がイランについてこのところ発しているメッセージが、イラク戦争開戦前のものと恐ろしいほど似通っていると指摘した。
ケイ氏は、03年3月のイラク戦争開戦に至る過程で、「イラクの大量破壊兵器の脅威」を強調するための「情報」はほとんどが、イラク国外の反フセイン勢力が米政府に提供したものだと説明。同様に現在、イランに核兵器開発の意志があるという論拠にされている情報のほとんどは、政権転覆をねらう勢力が米国に提供しているものだと明らかにした。
イランはウラン濃縮計画などは全てエネルギー利用のためだと主張し、計画廃棄を拒否しているが、ブッシュ政権はこれは核拡散防止条約(NPT)違反にあたるとして、国連安全保障理事会への付託を主張している。イラク戦争開始前にもブッシュ政権は、イラクへの武力行使を認める安保理決議の採択を求めて、国連外交をさかんに展開した。
訪欧中のライス補佐官はブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)加盟国の外相会議に出席した後、「イランが国際社会への義務に従わないなら、国際原子力機関(IAEA)の決まりに則って安保理に付託するしかない」と述べ、「メッセージは明白で、イランの人々は自分たちが何を言われているのか理解する必要がある」と改めてウラン濃縮計画の廃棄を要求している。
こうした動きについてケイ氏は、「イランの核開発問題について、米国は何をどこまで把握していて、何を把握していないのか、その情報収集の現状についてまとめて精査した政府報告さえまだない。なのに、もうイラン攻撃を視野に入れているとは、信じがたい事態だ」と批判している。
一方でケイ氏は、イランが核兵器所有を目標としていることは間違いないと断言し、「イランが過去18年間にわたり、NPT条約上の義務をごまかしてきたと示す、決定的な証拠をIAEAは提示している」と説明する。
「しかしだからといって、核兵器開発の最終段階に乗り出したと証明されたわけではない。そこに向かうための、準備段階の作業は明らかにすべて終えているが。今の課題は、イランが最後の行程に踏み出さないよう防止するための、外交的な足がかりをどう見つけるかだ」とケイ氏は述べ、あくまでも外交による問題解決を最優先させるべきだと強調した。
「失敗すべきはイランの政策で、米国の外交ではない」とケイ氏は警告している。
ケイ氏は国務省を経て、湾岸戦争後は国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の核部門代表となり、イラクの核疑惑査察を担当する。03年6月、大量破壊兵器をめぐる米調査団団長(CIA特別顧問)に任命された。