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02/09 18:47 王冠かけた危険なゲーム 国王の「クーデター」
非常事態を宣言し直接統治に乗り出したネパールのギャネンドラ
国王。軍部を動員して政党指導者らを拘束した国王の「クーデター
」に、最大政党ネパール会議派幹部は「王冠をかけた危険なゲーム
」と反発。直接統治に失敗すれば、ヒンズー神の化身とされ約二百
五十年間続いたネパール王室の終えんもあり得る。
▽政党政治の失敗
「政党指導者は汚職にまみれ、国民の利益を見失った」
国王は一日、反政府組織ネパール共産党毛沢東主義派の支配拡大
で選挙が実施できず、平和と治安を確保するため三年間にわたり複
数政党制を停止すると宣言した。
これに対し人権活動家は「一九九〇年の民主化以降、政党政治が
失敗を重ねたのは事実。しかし、だからといって国王の暴挙が許さ
れるわけではない」と批判する。
相次ぐ汚職やテロに嫌気した国民の間では国王の直接支配に期待
する声も強いが、この活動家は非常事態下での通信や報道、政治活
動の規制に国民は三年も耐えられないと指摘した。
▽王国の野望
「二〇〇一年六月の王室銃撃事件以来の国王の野望が『クーデタ
ー』でついに実現した」(消息筋)
王宮内で当時の皇太子がビレンドラ国王夫妻らを射殺したとされ
る事件に、現国王が関与していたとの見方は国民の中に今も根強い
。現国王が兄ビレンドラ国王の民主化路線に反対、「強い王国」再
現の野望を抱いていたのか。
「一度手にした権力を手放すはずはない。三年後に形ばかりの選
挙を実施してかいらい政府をつくり、国王支配体制を固める」。消
息筋は国王の狙いを分析した。
▽鍵握る毛派
国王の直接統治の成否は、毛派を抑止できるかどうかにかかって
いる。
会議派幹部は「軍は国王に属しており直接統治でこれまで以上に
機能的に行動できる可能性がある」と指摘。また国王が半年間の報
道規制を敷いたことから、消息筋は「人権侵害などの批判を気にせ
ずにすむこの時期に、軍は毛派を徹底的にたたく。その後、交渉を
持ち掛けて選挙実施の環境を整えるつもりではないか」とみる。
毛派は非常事態宣言を「中世の封建専制」と強く批判、交渉には
応じない構えだ。今後、報道規制に抵抗するため外国人記者が多く
滞在する首都カトマンズで軍事作戦を強化させる懸念もある。
▽連携の動き
毛派は各政党に共闘を呼び掛けているが、会議派幹部は「毛派が
武装闘争を放棄しない限り共闘はない」と言明、国王側に対抗する
ため統一共産党など毛派以外との連携を強める方針を示した。
しかし会議派幹部は「今は立憲君主制を支持するが、将来は分か
らない」と述べ、国王が治安・平和回復に失敗すれば「王制打倒、
共和制樹立」に国内世論が大きく傾く可能性を示唆。そうなれば、
政党側が毛派と手を組む可能性もある。
「共和制移行は必然」とみる消息筋は「クーデターで王制は〓(
始めダブルミニュート)死期〓(終わりダブルミニュート)を早め
た」と予測した。(カトマンズ共同=古池一正)
20050209 1847
[2005-02-09-18:47]