現在地 HOME > 戦争66 > 1162.html ★阿修羅♪ |
|
□イラクの選挙に関するIAC声明 [TUP速報] 大馬鹿者が何の意味も無い話を、こわ高く大仰に語っていることよ
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/492
メディアもブッシュ政権も調子に乗って、イラク選挙を民主主義の勝利と吹聴するが
、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
抵抗勢力の攻勢が激化する中、1月30日にイラク選挙が強行されました。主流
メディアにはちょうちん持ちの報道が多く流れ、2月2日の一般教書演説でも
ブッシュ大統領は明るい未来を描いて見せました。スンニ派はボイコットし、
実施された選挙そのものにも問題点が多すぎるこの選挙に対して、国際行動セ
ンター(International Action Center、IAC)が選挙翌日、声明を出したので紹
介します。IACはアメリカのクラーク・ラムゼー元司法長官が立ち上げ主宰
し、平和・連帯・真実を目的として国内外で共同行動を提起している、ニュー
ヨークに本拠を置く団体です。
TUP/寺尾光身
---------------------------------------------------------------------
国際行動センター(IAC)声明 イラク選挙について
「大ばか者が、何の意味も無い話を、こわ高く大仰に語っていることよ」
−ウィリアム・シェイクスピア
≪訳者註:『マクベス』5幕5場≫
メディアもブッシュ政権も調子に乗って、この週末に行われた選挙を民主主義
の勝利と吹聴している。だが、この選挙はイラク現地では何の変化ももたらし
ていない。選挙翌日の1月31日月曜日、イラクの人びとが眠りから覚めたと
き、自分たちの国は15万の米軍の占領下にあり、CIAお抱えのアヤド・アラ
ウィは大統領に据えられたまま、さらに14箇所に常設軍事基地を建設するペン
タゴンの計画が依然として進行中であった。
民主主義とは、「人民による支配」を意味している。この日曜日の出来事は、
単に軍事占領と傀儡政府による支配の引き伸ばしに過ぎない。
これは意味の無い選挙であった。
この一場の政治劇は、正確にはとても選挙と言うことさえできないものであ
る。選挙といえば、いずれ就任して何らかの権力を行使する者を、有権者が候
補者から選ぶことができるものだ。今回の選挙では、有権者は任意の候補者に
投票することも、政党に投票することさえもできなかった。そうではなく、リ
ストに投票することを許されるだけだった。そのリストにどんな複数の政党、
どんな複数の個人が記載されているのか、知るすべが無かった。これらのリス
トはブレマーに指名された選挙高等弁務団が承認したものだった。7700人の候
補者の名前は公表されておらず、したがって実際に一票を投じられたのが誰な
のか、わかるはずがなかったのだ。
このような手続きで結果として選ばれた候補者に、行政権、立法権を執行する
ことなどできはしない。暫定的国民議会を構成し、その議会が占領軍の監督の
下に憲法草案を作成することになる。
イラク国民には占領反対に票を投ずる機会は与えられなかった。匿名の候補者
リスト、イラクを植民地化しようとする米国の計画を改変する力もない、米国
の承認を受けた候補者のリストに投票することしか許されな
かったのだ。
もちろん、イラク国民は自己の未来を決定するのだから、自由で開かれた選挙
で投票することを望んでいたのに、占領側は候補者名簿に載っていなかったの
で、選挙に対するどのような主張も、無意味になっていた。
この戦争でアメリカに殺された10万以上の人びとには投票する機会は与えられ
なかった。むろん、アブグレイブの拷問部屋の中の囚人にも。
1955年のイラクに引き戻す。
伝えられるところによると、ブッシュ政権はこの選挙は、過去50年間で初めて
の民主主義的選挙であると言明している。ここで、この前の民主主義的選挙と
言っているのは、米英によって政権の座に据えられた独裁政権の下での、行政
権も立法権も持たない諮問機関を選ぶという代物だった。この諮問機関の唯一
の機能といえば、傀儡政権に正当性の仮面をかぶせることであって、この選挙
はイラク国民が米英石油企業の支配下におかれているという事実を変えるもの
ではなかった。その後3年も経ずして、この腐敗した独裁政権は、圧倒的な人
民の革命的蜂起によって倒された。そのとき以来、米英はイラクを以前のよう
な半植民地状態に戻そうと努めてきた。今回の選挙は米英のこの計画の一環な
のだ。
米政府は中東に民主主義を持ち込みたいと表明したことなど、一度たりともな
かった。元米国務長官ヘンリー・キッシンジャーは、米国の中東政策を、「中
東の石油は極めて重要なので、アラブ諸国の手に委ねることなどできない」と
要約した。アメリカは、米軍を駐留させている中東諸国のどの国においても、
民主主義を持ち込む努力などしたことはない。クウェート、サウジアラビア、
アラブ首長国連合の国民はみな、封建独裁政権の下、自由選挙も、市民的自由
も、市民的権利も、労働者の団結権も、女性の権利も、一切無い所で生きてい
るのだ。
この選挙は占領下で行われたものだ。
この選挙がどのような状況の下で挙行されたかをはっきりさせることが重要で
ある。15万以上の米軍がこの国を占領し、イラク国民に銃口を向けてパトロー
ルしている。イラク全土で、米占領軍は前例の無い治安対策をいくつも強行し
ている。発見即発砲の夜間外出禁止令、国境閉鎖、自動車禁止、イラク国内で
の旅行制限、その他である。
この選挙は米国大使ジョン・ネグロポンテの采配の元で行われた。ネグロポン
テは1981年から1985年まで駐ホンジュラス米大使を務め、コントラ・テロリス
トと暗殺団に関わった人物である。ネグロポンテが大使であった間のホンジュ
ラスは、レーガン政権がニカラグア、エルサルバドル、グアテマラ国民にたい
して暴虐な攻撃を行うための出撃基地であった。≪訳者註:ネグロポンテにつ
いては、『TUP速報310号 新・駐イラク米国大使の暗い経歴 04年5月16日』
[TUPアンソロジー『世界は変えられる』第II集(七つ森書館)に所収]に詳し
い。コントラはレーガン米大統領がCIAに作らせたニカラグアの反革命武装組
織で、多数のサンディニスタ民族解放戦線メンバーを暗殺し、その政権を崩壊
に導いた。≫
ネグロポンテの前任者であるポール・ブレマーがこの選挙の諸規則を作った。
選挙の実行組織、選挙高等弁務団はブレマーが指名し、米政府の認可条件に適
合しない政党にはすべて資格を与えない権限を持っていた。退任する前にブレ
マーは、選挙によって無効とすることのできない一連の条項を公布した。国際
法に違反するその条項の多くは、イラクの天然資源の略取と経済支配に関する
ものである。イラク国民がどの候補者リストに投票しようとも、イラク国民の
未来に影響を及ぼす決定が、ウォールストリートからの司令で動く占領政府に
よってなされ続けているのである。
ネグロポンテを支援しているのが、米企業のために外国の選挙を不正に操る長
い経験を持ち、政府からも資金が出ている二つの組織、米国民主党国際研究所
と共和党国際研究所である。両組織とも、米国民主主義基金および米国際開発
庁と密接に連絡を取りながら仕事をし、外国での秘密活動のためにCIAに利用
されてきた。例えば、民主的に選出され人気もあったベネズエラ大統領ウゴ・
チャベスを失脚させようとして、クーデタや罷免国民投票の画策に関わったの
が両組織である。また、ウクライナで確実に親米の国家元首を据える工作にも
加わった。
ベトナム人民に対するアメリカの戦争の最中にも、似たような選挙が行われ
た。軍の占領下、アメリカが管理して行われたもので、真のベトナム自身の政
府を成立させるようなものでは決してなかった。ベトナムでアメリカが画策し
て行ったどの選挙でも、占領下政府に正当性を与えたり、抵抗を終わらせたり
することはできなかった。同じように、イラクのこの選挙も銃を突きつけられ
ながら行われたものであり、戦争犯罪人によって管理され、CIAのトンネル会
社の演出によるものだった。これが民主主義といくらかでも関係があるなどと
装うとは言語道断である。
この選挙には全く信頼が置けない
この選挙は、国際監視団が来ていない点でほとんど類まれであった。投票行
動、投票用紙が正規のものかどうか、開票行動などの部外者による監視が全く
無かった。唯一行われた監視も米国民主党国際研究所のような機関によって訓
練を受けた監視者によるもので、言ってみればCIAによるものだ。
選挙過程を見守る国際監視団がいないのだから、選挙自体、選挙を実行してい
る主体−ブッシュ政権−の信用度と同程度の信用しか得られはしない。ブッ
シュ政権こそ大量破壊兵器のことで嘘をつき、アルカイダとイラクの結託のこ
とで嘘をつき、この戦争と占領に関すること全てに嘘をついていたではないか。
この選挙は一つの広報活動キャンペーンだった。
米国で占領反対が勢いを得てきている。下院議員を含め、多くの人びとが占領
を終結せよと要求し始めた。
この選挙は、事態が前進しているという幻想を作りだすべく演出されたもので
あり、昨年6月28日に行われたまやかしの政権移譲と変わらない。狙いは占領
を正当化する新たな虚構を捏造(ねつぞう)することだ。大量破壊兵器に関する
数々の嘘が明るみに出されてきた。9月11日の攻撃にイラク人が関与していた
ということも嘘だったとわかった。そこで今度は、ブッシュ政権は占領継続を
正当化する大義として民主主義にとびついたのだ。
アメリカはイラクに民主主義をもたらさなければならないとか、アメリカがい
なければこの国は内戦に陥るしかないという主張は、人種差別以外の何もので
もない。それは大英帝国や他の帝国が他国をまるごと植民地とすることの正当
化のために使った議論の焼き直しである。
投票した人の多くは、自分の国の占領終結を確かなものとする過程の一部であ
ると思って選挙に参加したのだ。どの世論調査も、イラク人の圧倒的多数が占
領の即時停止を求めていることを示している。ひとたびこの選挙が占領延長と
国土の不法占有の正当化に役立つだけであることを悟れば、これまでにない激
しい憤りと抵抗を起こさずにはいないだろう。
高投票率というのは作り話だ。
投票率が圧倒的な高さだったとメディアは報じているが、多くの地域で投票所
が開かれなかったり、投票所には人影も無かった。ファルージャ、サマッラ、
ラマディでは投票したのは一握りの人びとにすぎなかった。在外イラク人では
有権者の80%が投票しなかった。このことは低投票率は安全に問題があるから
であるという神話を否定するものだ。投票率が低かったのはイラク国民が占領
に反対し、この選挙が自国を占領している者の広報活動の一つであることがわ
かっているからである。
イラク国民は占領の即時終結を求めている。
本当に民主主義のことを思うのであれば、イラク国民が占領に反対しているこ
とは素直に理解できる。イラクの人びとが軍隊の即時引き揚げを求めており、
それも選挙を演出し、傀儡政権を樹立させておく前に、引き揚げるよう求めて
いることは、世論調査が繰り返し示してきた。
国内全域で抵抗が強まっていることは、イラク国民が占領軍についてどのよう
に感じているかを示している。占領軍は民主主義をもたらすためにいるのでは
ない。むしろ、それがもたらしたのは、死、破壊、拷問である。イラク国民と
世界中のますます多くの人びとが占領の終結を求めているのである。
2005年1月31日
--------------------------------------------------------
翻訳:寺尾光身(TUPメンバー)
原文URL: http://www.iacenter.org
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TUP速報
配信担当 萩谷 良
電子メール: TUP-Bulletin-owner@y...
TUP速報の申し込みは: http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/
*問い合わせが膨大な数になっています。ご返事が書けない場合がありますので、
ご容赦ください。
■TUPアンソロジー『世界は変えられる』(七つ森書館) JCJ市民メディア賞
受賞!!
■第II集 も好評発売中!!