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p54では『日本人は誰も知らないが、アメリカでは彼(小泉)は”隠れ統一教会”と見られています。』 と書き、 p58では『「日本から来ている留学生にとんでもないのがいる。慶應の学生が日本で婦女暴行で捕まり、そのほとぼりが冷めるまでこっちにいるというのだ。なんでも父親は二流の官庁の長官をしているので、警察には睨みが利いたらしい。それで、事件をもみ消して、息子をこっちに寄こしたというんだ」この言葉が蘇ってきたときに私は直感 flash of intuition で、これは小泉純一郎に違いないと思った。年代もピタリと一致するし、海外に出る理由として婦女暴行(レイプ)などという容疑 suspicion はそうそうあるものではないからだ。』 と書いている。
その他、いろいろ官邸の飯島秘書官には頭の痛い事実がこれでもかと書かれているわけだ。
しかし、読み進めていくと妙に釈然としなかったり矛盾する記述があることに気づく。
これらは、大抵私のフリーメイソンの基礎知識(笑)とコンフリクトするものだ。
この藤原 肇氏自身がメイソン員なのではないかという疑問が当然起こる。
氏自身のプロフィールによれば、もともとが石油探査の地質学のプロであり、一環してオイルビジネス周辺に関わってきたとのこと。
すでに、ここで自身もメイソンだと言っているようなものであり、地中の資源を掘り起こすビジネスはこの集団の専売なのは知られているところだし、なんらかの閉鎖的なフラタニティーに入らなければ円滑にビジネスなどできない分野だろう。
まず、冒頭からパリを拠点とする三井物産の上層部とコネがあることが示唆されているが、
p69では、甘粕正彦は(私の理解では電通の創設にも深く関係している)、大杉栄殺害に先立って「密かにフランスに渡って大東会 Grand' Orient に入っている」と唐突に書いている。
Grand' Orient とはグランドリアン・フリーメイソンのことであり、一方のスコッティッシュ・ライト・フリーメイソン他と時には表向き反目しつつ合同で歴史の裏を形成してきた勢力のことだが、藤原氏は一切の説明もなくこれを書いており、これ以降この本の最後までフリーメイソンという単語は出てこない。
また、もう一つ奇妙なこととして、p86からは田中真紀子氏がアメリカ留学時に「クエーカー教徒のフレンズ学園」を選んでいたことが書かれているが、この後も藤原氏は一環してクエーカー教徒の「平和思想」が日本の戦後憲法の礎であり、明治に遡って「日本の近代化」に貢献したとして礼賛する姿勢を崩さない。
クエーカー教徒を隠れ蓑にした悪意のサークルがあることを知らないはずはないと思われる経歴の藤原氏が一切このことに言及しないのはどういうことなのだろうか。
例えば、マンハッタン計画の執行最高責任者で日本への原爆攻撃を決定したヘンリー・スティムソンはクエーカー教徒であると同時にスカル・アンド・ボーンズ結社員だったのだろうと私は考えている。
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200410020000/
http://darkwing.uoregon.edu/~isp/oct_2000.htm
また、日本への原爆攻撃を事実上決定した大統領であるエドガー・フーバーもクエーカー教徒を公言しており、同時にフリメーソン33階級だったのも事実だ。
ついでに私のアスパルテーム開発に絡む過去記事では、
「レイトン博士はクェーカー教徒であるが、原爆製造のマンハッタン計画においてウラニウムの抽出技術を開発した。」などという記述もある。
やけに原爆開発に関係する「クエーカー教徒」が多いし、その人脈はナチスにも濃く繋がっている。
そして、日本ではクエーカー教徒は天皇家の教育にも深く関わっているが、藤原氏はこちらの関係だけしか書いていない。
日本では、この「国際派」の人脈は緒方貞子氏などの私から見たら「暗黒人脈」にも深く関係している。
このような側面を一切書かずに、小泉「ゾンビ政治」を叩く藤原氏とは何者なのか。
この人は、またノルウェイなど (p143) のヨーロッパの貴族階級のテイストを評価しながら、日本の”ゾンビ政治”の元凶として森元首相周辺の政治家の資質を問題にしている。
そして、それらの問題の行く末に”賤民資本主義”が到来 (p151) し、その過程では電通などによる「洗脳選挙」があり、暗に電通を批判している。その間、”ポピュリズム”の一現象としてホリエモンなども批判している。
これらのことはすべて尤もな主張であり、まともな神経をしていればこれらの主張に異論を挟む人は少ないだろう。
一見して悪者イメージのアメリカのネオコン政治の傀儡である小泉政権周辺を叩く正気の人ではあり、これは分かりやすいが、よく読むと矛盾したところも多い。
この人は日本の「近代化」を是としているのとクエーカー人脈に同情的なので、新渡戸稲造などは日本人の鏡としているようだが (p146) 、本の終わりのほうになって自身の評価する歴史上の人物を挙げている。
これらの人物のなかには、その評価のままに取っていいものか疑問の人物が多い。
藤原氏は”近代日本の歴史上で最も優れた政治家は誰か?”という章 (p285) でまず、児玉源太郎と後藤新平を挙げている。その理由として、
「児玉源太郎は日本のモルトケ Helmuth von Moltke で参謀総長だが、陸相、内相、文相、台湾総督と歴任し、彼が育てた後藤新平は児玉に続く逸材 one in a thousand であり、戦前の日本はこの2人の政治家によって、近代的な国家 modern nation の路線がつくられたのです。また、日本では真に優れた人は政治家にならないし、政治家になっても首相にはなりません。ナポレオン三世 Loui Napoleon を相手に大英帝国の基盤を確立した、ハリス外相 James Harris だって首相になってませんから」
と外国の研究者に言うのだそうだ。
そもそもこの人は、始めから「近代国家」の成立を促した戦争経済のことは当然のこととしているようだ。
このあたりから俄然としてこの藤原氏の言説にはあやしい陰が差す。
児玉源太郎は日露戦争勝利の功労者とされ、とくにその戦費調達では大きな動きをしたはずである。
1904年に行われたという戦費調達の相手のなかにははクーン・ロエブ商会も入っていて、このこと自体が当時のイギリス政府の意向であったのは今では明かなことだろう。
このクーン・ロエブ商会 (Kuhn-Loeb) はロスチャイルド財閥のフロントであり、後の(1977年以降)リーマン・ブラザース (Lehman Brothers) である。
この会社の日本ヘッドクォーターは現在、六本木ヒルズの31Fにあり、藤原氏の批判するホリエモンの日本放送買収劇場に出資した会社として知られている。
時を隔てて、氏の批判する人物と評価する人物の背後には同じ金融集団がいるということを藤原氏が知らないはずはないのではないだろうか。
▼参考
http://www.lehman.com/careers/japan/lbj.html
【リーマン・ブラザーズの日本での活動は、1904年に日露戦争の戦費調達のために日本政府が発行した外債引受を行ったときから現在に至るまで、ほぼ100年にわたります。日本には1973年に東京駐在員事務所を、そして1986年に東京支店を開設しました。これにより、東京を中心にアジア地域全般において事業を展開する体制が整いました。1997年には、東京がニューヨーク、ロンドンとならぶリーマン・ブラザーズの主要三拠点のひとつとして位置づけられ、アジア・太平洋地域の金融取引の中心となり、今日に至っています。】
*本店所在地*
【名称: リーマン・ブラザーズ・ジャパン・インコーポレーテッド (リーマン・ブラザーズ証券会社) 本店: ケイマン諸島、グランドケイマン、サウス・チャーチ・ストリート、アグランド・ハウス、私書箱309号 メイプルズ・アンド・カルダー気付】
お馴染みの税金天国だ。
また、児玉源太郎配下の後藤新平も決して持ち上げられる人物とは思えない。
(最近NHKが”その時歴史が動いた”でこの児玉源太郎を取り上げていたのは興味深い)
▼後藤新平の経歴▼
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/mascomiron_yomiurico2.htm
このサイトのキャッシュにはこのような情報がある。
【後藤新平の履歴(1857〜1929)】
岩手県水沢市の小藩出身。幕末の蘭学者高野長英の親族。須賀川医学校を卒業して医師となりも愛知県立病院長を経て内務省に入る。1892年衛生局長(現在の厚生省事務次官)。その間ドイツに留学し、プロイセン国家の統一ドイツ建国過程をつぶさに見て、ビスマルク政治に憧憬したと伝えられている。1895年日清戦争で台湾を割譲させたが、4代目台湾総督になった児玉源太郎が後藤を見出し民政長官となって赴任。後藤は、「アメと鞭を併用した辣腕政治」で判明するだけで抗日ゲリラ1万1千余名を虐殺している。結果的に「台湾島民の鎮圧と産業開発で名声を高めた」。
後藤は、台湾総督府初代民政長官を皮切りに、以後、1906年満鉄初代総裁、1908(明治41)年桂太郎内閣の下で逓信大臣兼鉄道院総裁、1916(大正5)年寺内正毅内閣の下で内務大臣、続いて1918(大正7).4.23日外務大臣、山本権兵衛内閣の下で内務大臣再任を歴任し、晩年に伯爵の位を得ている。植民地政策の統合参謀本部・満鉄調査部を設置したのも後藤である。未解明であるが、阿片政策にも手を出しており、その収入が機密費として縦横に駆使された形跡がある。
その政治的軌跡は、伊藤博文の後継者。後藤は言論統制に著しく関与している。
1919(大正8)年、後藤は、寺内内閣の総辞職を機会に欧米視察の旅に出た。訪問先はアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、オランダ。帰国するやいなや、「大調査機関設立の議」建白書を政府に提出している。これは、アメリカのCIA(中央情報局)のような強力な組織を設立せよという構想であった。
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後藤新平は1906年に満鉄(南満州鉄道)の初代総裁になっており、電通の創設にも関わっている。
興味深いところでは、”ボーイスカウト日本連盟の初代総長”にもなっている。(以上Wikipedia)
この周辺の興味深い話は「阿片王」とのことだが未読。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104369039/250-0851218-6701002
この満州に深く関わる後藤新平を持ち上げ、電通などによる「洗脳選挙」を批判するという藤原氏の分裂的な態度はまたしても不可解だ。
また興味深い記述として、福沢諭吉とともに西園寺公望と中江兆民も日本の近代化に貢献したと評価しているが(p291) 、西園寺と中江はともにフランスのグランドリアン・フリーメーソンに感化された形跡があり、ジャン・ジャック・ルソーを日本へ紹介し、日本の「民主化」に貢献したとされている。
藤原氏はこのルソーも米国憲法の礎となったとしてその「平和思想」を礼賛しているし、このような思想を日本へ持ち帰ることになった幕末から明治期の「留学生」たちと、それを促進した”グラバー”なども評価している。
藤原氏はまた、トーマス・グラバーなどは日本への着任当時、上海を拠点とする東インド会社系列のジャーディン・マセソンのフロントでまだ22才の小僧だったことや、実質的に武器商売が主目的であり、造船やビールなどの話は副次的なものであったことなどは一切書かず、この人物が幕末期の日本の「内戦」を煽っていたことなどは「近代化」の前には気にしないようだ。
氏の矛盾するところは、まだ多くあるが、中国の石油政策に関してもその「指揮官」として呉儀(ウーイー)国務院副総理を高く評価している。この中国がユノカル買収に乗り出したのは「痛快」とのことで、日本の石油政策の貧弱さを指摘している。
これは小泉首相との会談を振った女性としてのエピソードに絡めているが (p252)、ここで藤原氏が自身も「ユノカルの前身」の会社で働いていたことを書いている。
紙面の都合もあるだろうが、氏が批判するアメリカ政府の人形として、アフガニスタンの大統領になったカルザイがユノカルの社員だったことも全く書いていないし、躍進する中国の表の顔とは別の面もあるはずなのに一切このようなことに触れないのは、所謂国際主義的な人々の特徴である。(例えば、トヨタの奥田碩氏や富士ゼロックスの小林陽太郎氏:ノルウェイの王室結社に参加しているところが興味深い)
そして、本書における一番面白い矛盾は、日本の大学教育の水準の低さを嘆く藤原氏の子供が「シカゴ大学」に行っているということだろう。
この大学こそ、氏の忌み嫌うポピュリズムの権化であるブッシュ政権の思想的背景であるネオコンのカリスマであるレオ・シュトラウスが拠点としていた大学なのだから。
なぜ、このような矛盾した言動がこの本には目立つのか考えてみる。以下推測。
* この本自体、今年の911選挙で「大勝」を果たした小泉政権に反対する、投票数では全体の半数に迫る「不満分子」のガス抜き用に企画された。これは所謂「B層」の少しだけ上のレイヤーを狙った企画ものであり、この本の情報を鵜呑みにしたところで、精神監獄Matrixの基本構造は変わらない。よって安全。
* 藤原氏は石油業界が一部の閉鎖サークルによって運営されているという事実を公言したくない。
これは自身のビジネスに直接跳ね返るだろうし、一般人は「知らない方が幸せ」なこともあるという態度が見え隠れする。
* 藤原氏が評価する歴史上の人物は、ことごとくフリーメイソン組織員もしくは関係者であり、「歴史を造ってきた」メイソン組織としての暗に肯定的なプロパガンダ文書としても読める。
これは、別著者の「石の扉」ほど露骨ではないものの、「上品」な宣伝文書として下層メイソン員のなかでは読まれるかもしれない。
【石の扉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104146056/250-0851218-6701002