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英豪軍のサマワ撤退が確定した.自衛隊がサマワに残ることはすでに(日米の間で)確定していると推定される.その結果――自衛隊はついに1950年にGHQの指令によって警察予備隊として創設されて以来始めての「実戦」に巻き込まれることになるのである.
2転・3転していた英豪軍のサマワ撤退がいよいよ確定したようだ.日米英豪の4ヶ国が29日からロンドンで英豪軍のサマワ撤退後の体制について協議することになった.撤退は来年5月と見られているが,いよいよイラク派遣自衛隊が丸腰でサマワに取り残されることになる.(実際はいつでも戦闘に入れるよう機関銃・対戦車砲など戦闘用火器を携行しているのは周知の通り) 米軍が陸自部隊の警備に入るという観測もあるが,そうなるとサマワは否応なしに完全な「戦闘地域」にならざるを得ない.その場合イラク特措法の規定からしても自衛隊は撤退せざるを得ないということになるから,おそらくこのオプションは行使されないだろう.米軍が入りさえしなければ,サマワは自治の確立した安定地域である(ないし,あった).
19日夜の英軍戦車のバスラ刑務所突入では,イラク人2名が死亡し,英軍タンク1台が地元住民の投げた手投げ弾で炎上した.21日には憤激した地元バスラ住民がイギリス兵士の身柄をイラクの司法機関に渡すよう要求して,5000人を超えるデモに発展した.バスラ裁判所は奪還された英兵2人に殺人容疑で逮捕状を出している.サマワではサドル派600人が集会を開き要請があればいつでもバスラ支援の民兵を送ると宣誓している.バスラ州評議会に続き,サマワを州都とするムサンナ州評議会も英軍に対する断交を決議した.こうなると陸自も同時期に撤退させたいというのが外務省の本音だろう.
勘ぐった見方をすると,19日のイギリス兵士2名(うち一名は諜報部員)のイラク警察との銃撃戦・逮捕・拘留とその後の英軍戦車10台を繰り出した前代未聞の刑務所破り作戦は,イギリス軍がサマワから撤退するための口実を作るために偽装された工作活動であった疑いすらある.(この英国諜報部員の活動の最終的な目的は今のところ不明だが,通常テロリストと呼ばれるようなある種の破壊活動に従事していたことは確かである.)もし,そうであったとすれば,自衛隊がサマワに残ることはすでに(日米の間で)確定していることになる.これを疑うのは以下のような状況証拠による.
現在イラクに駐在している英軍兵士は8500人でバスラ,メイサン,ムサンナの南部各州で治安維持活動に当たっている.18日付読売新聞によると,「7月に漏洩した英政府の内部文書では来年半ばまでに段階的に3000人まで削減する案が盛り込まれていた」という.英豪軍が,サマワからの撤退を日本政府に非公式に打診しているというニュースが国内に伝わったのは,TBS12日,朝日新聞13日,時事14日となっている.極東ブログは,この報道について,打診の時期などに不明な部分が多く虚報ではないか?と分析している.
ここで一転18日付のサンデー・テレグラフは「英国政府は大幅撤退案を棚上げし,撤退の期限設定も当面取りやめた」と報じた.理由はイラクが本格的な「内戦状態」に陥りつつあることに対応したものだという.(この日付がバスラ事件の前日であることは注目されてよい.)26日に共同通信がもう一度これをひっくり返して,「オブザーバー紙はイラク駐留英軍が来年5月に本格撤退を開始するとした駐留多国籍軍の撤退計画文書を,英米両政府が来月中に発表すると伝えた」と報じた.このとき,「英政府は既に,陸上自衛隊が駐留する南部サマワなどから英軍を撤退させる方針を日本政府に内密に伝えた」という確認があるので,12日〜14日の報道は虚報ではなかったと見てよいだろう.
疑問点は2つある.なぜ(英軍は段階的撤退を)よりによってサマワから始めなくてはならないのか?という点,もう一つは上記のようにこの件に関する決定(ないし報道)が2転3転したのはなぜか?という点である.第1点に関しては,「サマワは治安がよいから治安権限を委譲できる最初の候補地」ということになるのだが,本当にそうだろうか?もちろん撤退が進むことは大いに歓迎すべきことではあるのだが.19日の英軍の行動などを見ると,「これから治安権限の引継ぎを行おう」などという友好的な気分でないことは確かだ.これに第2点が加わると何か非常に不透明かつ不可解な動きのあることを感じるのは筆者だけではないはずだ.
さて,英豪軍撤退後の筋書きは容易に想像できるような単純極まりないものになる.自衛隊基地ないし部隊への本格的攻撃(小規模のものはすでに何度か発生している)が当然勃発し(実際には謀略的にでも起動されると考えた方がよい),自衛隊はついに1950年にGHQの指令によって警察予備隊として創設されて以来始めての「実戦」に巻き込まれることになるのである.つまり,これまで固く守り抜いてきた処女(純潔)をその場で失うことになる.それは客観的に見て,日本国憲法の蹂躙であり,白昼衆人環視の中での公然たるレイプ以外の何ものでもない.これがレイプ魔と噂されるヒットラー・小泉の待ち望んでいることだろうか?
(総理大臣が憲法違反を犯したときの罰則というのはあるのだろうか?また,特別国会で審議中の共謀罪の本旨は国際犯罪組織の摘発にあるということのようであるが,国内法によって外国人を共謀の罪に問うことはできるのだろうか?皮肉なことに共謀の原語はConspiracy=陰謀であると言う.これが現実化すれば,まさに陰謀罪として裁かれなくてはならない案件である.陰謀史観として排除されてきた分析が日の目を見る日も近いのかもしれない.)
もし,自衛隊が撤退するということになったら,それはほとんどイラク戦争の本当の終わりの始まりを意味するものになるだろう.イギリス・オーストラリアに続き,韓国もイラク派遣軍3200人のうちの1/3にあたる1000人を撤退させ,規模を縮小することを検討している.イラク派遣の韓国軍は米英に次ぐ3番目の規模である.米軍はザルカウイなどの手配中のテロリストが潜んでいるなどの言い掛かりをつけて,イラク南部の都市ファルージャ,北部のタルアファルなどの市街地を完全包囲し戦車で封鎖して総攻撃を仕掛け,住民を殺戮するという戦争犯罪を重ねているが(犯罪を隠蔽するために,タルアファルでは市街に住む現地レポータを殺害した),イラク国民は屈することなく頑強に抵抗を続けている.むしろレジスタンス組織は市民のバックアップを得ていよいよその本領を発揮しつつあるようだ.
スンニ派の宗教権威であるイスラム法学者協会は9月15日声明を発表し,「シーア派への全面戦争」を呼びかけるザルカウィの宣言を激しく非難した.声明文では「この種の危険な宣言は、祖国を分裂させ国民同士の内戦に火をつけようとして,占領勢力こそが最も望んでいることである...テロリストの方針のためにすべてを失うことになる.」と述べている.テロリストをあやつって無差別攻撃を仕掛け,イラクの各宗派の対立を煽って内戦に導こうとする米英の邪悪な意図は完璧に見破られていることが察知されよう.同じ日にアンバル州ではレジスタンス運動の主翼を担うイラク・レジスタンス組織が宣言文を発表し,アルカイダを統率すると言われるザルカウィの「シーア派への全面戦争」の呼びかけを明確に拒絶し,「シーア派を殺せと言う呼びかけは,あらゆるイラク人,スンニ派.シーア派を焼き払う炎に等しい」と非難した.この宣言文には,ムハンマド第1軍,イスラム軍,アル・カカ旅団,イラク・ムジャヒディン軍,ナシル・サラハディン旅団が署名している.
一説によれば現在イラクレジスタンスは100万人の戦士を擁すると言われている.レジスタンスを支援したという容疑で米軍に拘束されているイラク人は増加する一方で,収容所はすでに満杯になってしまった.これを見るだけでもレジスタンスの増勢は明らかである.イラク政府軍から出された収容所を拡張したいという要請は,「監視兵の要員が足りないからダメ」と米軍から一蹴された.イラク・レジスタンス・レポートの伝えるところによると,米軍は窮余の一策として検挙者の四肢を銃で打ち砕いて釈放するというむごたらしいことまで始めたらしい.
すでに米軍兵士の間には厭戦気分が蔓延し,相当数(米陸軍軍医総監7月28日発表で帰還兵の30%)が精神に異常を来たしているほか,脱走も後を絶たず,中にはイラクに同化して(イスラム教徒に改宗し)イラク女性と結婚してしまう例などもあると言う.イラク占領軍の全面撤退を語るのには未だ尚早であるにしても,日本軍がこの5月で撤退することになるのか否かは,この戦争ひいてはアメリカの世界軍事戦略の今後の展開を占う大きなイベントになるに違いない.もちろん国内的にも小泉ファッショ政権のこれからの危険な一年間(とその後)を決定する最大の分岐点になると言えよう.【馬場英治】
イラク撤退問題:日米英豪が29日からロンドンで協議 (毎日新聞,2005-09-29)
報道:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20050929k0000e010043000c.html
日米英豪の4カ国の外務・防衛担当者は29日から10月3日までロンドンで、イラク南部サマワに駐留する陸上自衛隊やサマワの治安維持を担当する英豪軍の今後の体制について協議する。政治プロセスの進展次第で英豪軍は来年5月にもイラク撤退に着手することを検討しており、各国は「出口戦略」についても意見交換する。
4カ国会合は、ロンドンで開催されるイラク南東部に展開する多国籍軍参加国の会議の機会を利用して行われる。
イラク復興特別措置法により政府はサマワに陸自隊員約600人を派遣。部隊の警備は陸自で行っているものの現地の治安維持活動は活動内容に含まれておらず、英豪軍が担当。英豪軍が撤退した場合、現地の治安は地元の治安組織が担うことになる。政府内には、イラクの治安組織の任務遂行能力に不安があることから、英豪軍が撤退方針を固めた場合には、陸自も撤退に着手すべきだとの見方が強い。
同法に基づく自衛隊の活動の基本計画は12月14日に期限切れとなる。小泉純一郎首相は期限切れの直前に延長・撤退の判断をする考えを明らかにしている。【古本陽荘】
毎日新聞 2005年9月29日 11時39分
阿修羅:http://www.asyura2.com/0505/senkyo14/msg/1317.html
投稿者 あっしら 日時 2005 年 9 月 29 日 13:17:04: Mo7ApAlflbQ6s
【参照】
【極東ブログ】 「英豪によるサマワ撤退打診」ニュースはどこから出たか?
レジスタンス支援容疑者で「収容所は満杯・監視兵不足」
英軍、来年5月イラク撤退 来月発表と英紙.(共同通信,2005-09-25)
サマワの地方議会、英軍と「断交」 バスラ事件に反発 【朝日新聞,2005-09-24】
英軍突入事件、バスラ裁判所判事が英兵2人に逮捕状 (読売新聞,2005-09-24)
英軍は市街地に入るなと警告=サドル師派バスラ衝突で非難 (時事通信,2005-09-24)
イラク・バスラ県評議会、対英協力停止を採択 【読売新聞,2005-09-22】
タルアファルでイスラム・メモ通信員が暗殺された――イスラム・レジスタンス・レポート
イラクにおけるイギリスの陰謀 【RIIB ラジオ日本語,2005-09-22】
バスラで英軍が刑務所に突入、拘束の英兵2人を奪還 【読売新聞,2005-09-20】
2人のイギリス兵は爆発物を車に積んでいた 【新華社,2005-09-19】
英軍がイラク撤退棚上げ、近く旅団再配備…英紙 【読売新聞,2005-09-18】
イラク・レジスタンス組織はザルカウィの「シーア派への全面戦争」の呼び掛けを拒絶した!