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社説:
視点・郵政国会延長 族議員の反対はどこまで本気か
郵政民営化関連法案について、政府・与党は国会会期内(19日まで)の衆院通過を見送り、国会の会期を延長する方針を固めた。国会議員が夏休みも取らずに審議を続けるのはご苦労なことだが、実態はどうだろう。衆院では自民党議員46人が反対に回れば法案は否決される。自民党執行部は反対派が何人出るか、依然読み切れず、決着を先送りしたに過ぎない。
一方、反対派もどこまで本気で反対を貫くつもりなのか、どうも疑わしいのである。党内では法案を修正し、さらに改革を骨抜きにして反対派と妥協を図る案が取りざたされている。執行部からは「反対派の多くは全国特定郵便局長会に向け抵抗した姿をアピールしたいだけだ」との声も聞く。本音では、形ばかりの修正でメンツを立ててもらう手打ちの儀式を待っているというのだ。
実は会期延長は、反対派の本気度を測る局面でもある。
国会の会期を延長するには本会議で議決が必要だ。民主党など野党は延長に反対している。民営化法案と同様、自民党議員が本会議で大量造反すれば、延長は否決され国会は閉会する。この場合、民営化法案は廃案となり、「廃案は内閣不信任と同じ」と明言してきた小泉純一郎首相が総辞職か、衆院解散・総選挙に踏み切る可能性が出てくるからだ。
そんな覚悟はあるのか。反対派は今、延長に反対しているが、解散を恐れているのか、ここで勝負をかける気配はない。「修正の様子を見てから」などと決着を先送りすればよしとする。反対派もその程度の話としか見えないのだ。
指摘してきた通り、今の法案は既に形だけの民営化、分社化法案だ。国会審議を通じて、よりましな法案に修正されるなら大歓迎だが、その可能性がないのなら、緊急性に乏しいこともあり、今国会で廃案になっても差し支えない。その結果、総選挙となり、改めて小泉政治を問い直すというのも、それはそれでいいと思う。
ところが現状は、首相と族議員双方が妥協してお茶を濁す道に入りつつあるのではなかろうか。形式やメンツが重視され、肝心の理念は忘れ去られていく。何度も繰り返されてきたパターンだ。確かに政治には妥協も必要だが、余りに志が低くないか。この間、日中関係など内外の緊急課題への対応はおろそかになってきた。国民にとっては、この方が深刻だ。
自民党が民営化方針を選挙のマニフェストに掲げて、どれだけ年月が経過しただろう。そろそろ党内議論を決着させたらどうか。
こんな方法もある。自民党議員全員が集まり、多数決を採って法案の賛否を決めるのである。議員はその決定に従い、嫌なら党を去る。水面下で妥協するより、よほど国民には分かりやすいし、マニフェスト時代にふさわしい党議のあり方というものだ。(論説委員・与良正男
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20050611k0000m070150000c.html
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