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万博夏対策 ツルが二声鳴く前に
夏。愛・地球博(愛知万博)会場への「ペットボトル持ち込み不可」に対する不満が募っている。弁当は、首相のツルの一声で解禁された。今度こそ、柔軟に対処しようよ、言われる前に。
会場のあちこちに、座り込む人がいる。飲料水の売り場には人だかりができている。
夏の日差しは、VIPにも一般の来場者にも、平等に、そして容赦なく降り注ぐものである。
「駅で並び、入り口で並び、パビリオンで並び、そして水を買うのにまた並ぶとは思わなかった」と驚く来場者の声は、どこへ消え入ってしまうのだろう。
こうした声に答えぬままに入場者数が目標を超えたとしても、この万博を「成功」と呼べるのだろうか。それでなくても名古屋の夏は蒸し暑く、渇きを覚えやすいのに。
博覧会協会は、「なぜペットボトルを持ち込むことがいけないの」という素朴な問いに、まっすぐ向き合おうとしていない。
持ち込み不可の主な理由は、ころころ変わる。いわくテロ対策、いわく警察庁からの指示、いわく外国館からの要請…。それらを踏まえた協会としての判断はどうなのか。
来場者が持ち込みを求める理由は、あまりにも明快だ。
炎天下で動けば汗をかく。水分が足りなくなる。幼児やお年寄りは、重篤な脱水症状を起こしやすい。
だがそんな時、糖分のとりすぎは禁物だ。血糖値が急激に上がると、さまざまな悪影響が体に出る。水かお茶を小分けして、小まめに補給するのが最も効果的という。市販の清涼飲料水には甘いものが多いし、売り場の数もまだ十分とは言い難い。
では水筒ならどうかといえば、持って歩いてみたら分かると思うが、魔法瓶は結構重い。人込みには不向きである。むしろ、水筒の持ち込みはよくて、透明で中身が見やすいペットボトルがなぜだめなのか、その理由がもうひとつよく分からない。
村上龍氏のベストセラー小説「半島を出よ」にある、「自分たちはこれほど必死で日本全体の治安を考えているんですよというパフォーマンスにすぎないのだ」という一節が、ふと頭に浮かんでしまう。
優先順位の問題ではないはずだ。相手は“命の水”だから。日陰の増設なども含めて、テロも熱中症も同時に予防するのが、協会の職責なのである。
長久手会場地球市民村のガイドブックには、確か「私にできることは、なんだろう。」というタイトルがついていたと思ったが。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
*よい社説です。
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