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(回答先: 中国副首相の会談キャンセル、野田氏が外相発言に反論(読売新聞)【ああ野田君って自民党に戻ってたのね】 投稿者 happyblue 日時 2005 年 6 月 08 日 02:34:03)
呉儀副首相の「ドタキャン事件」の真相
なぜ、中国の呉儀副首相(共産党政治局員)による「ドタキャン事件」が起こったのか。ここでは、マスコミ各社が報じていない事を含め、その背景を精査してみたい。
5月23日午前9時前、在日中国大使館の熊波参事官(政治担当)から外務省アジア大洋州局の泉裕泰中国課長に電話連絡があった。これが中国側からの第一報であった。曰く、呉儀副首相に緊急の公務が生じたので、同日午後4時20分の小泉純一郎首相との会談を中止したい。さらに続けて、ついては羽田空港に駐機している中国政府専用機の離陸手続きと給油をお願いしたい、と。結果として、このウソの説明を真に受けた日本は、呉女史一行を大連経由で次の目的地モンゴルのウランバートルまで発たせたことになる。
それはともかく、同午前9時過ぎ、議長公邸に河野洋平衆院議長を表敬していた呉女史のもとに北京から直接電話が入った。相手については王家瑞共産党対外連絡部長、唐家セン国務員(前外相)の両説があるが、いずれにしても、小泉首相とは会談せずに離日するよう共産党中央の指示が伝えられたというのだ。さらに10時頃、王毅駐日大使から電話で外務省の谷内正太郎事務次官に対し「公務のための帰国である。他意はない」との公式連絡があった。その後は、報じられているように、呉儀副首相は同10時からの新聞社主催のシンポジウムで講演し、正午からは奥田碩日本経団連会長主催の昼食会に出席するなど、きちんと予定をこなした。そして、専用機で離日したのが午後2時35分。ドタキャンの憂目にあったのは小泉首相だけではない。その日の午後5時15分から会談がセットされていた岡田克也民主党代表もその"被害者"である。では、なぜ、中国の国家指導部は副首相の会談を中止させたのか、そしてその決定はいつ行われたのか。胡錦濤国家主席は22日午後、自民党の武部勤幹事長と公明党の冬柴鉄三幹事長と会談した。中国首脳が日曜日に会談に応じるというのは異例のことだ。国会会期中のため週末を利用しての訪中を余儀なくされた武部一行への最大限の配慮である。配慮するには、それなりの理由があった。それは、件の胡錦濤発言「近年、日本には目にしたくない動きがある」に繋がるのだが、靖国神社参拝問題に関して、武部らがそれなりの"釈明"をするために北京を訪れるものと、中国側は理解していたということだ。一言でいえば、ボタンのかけ違いである。
そもそもは、16日の小泉首相の衆院予算委員会での答弁にある。民主党の仙谷由人政調会長の質問にこう答えたのだ。「戦没者に対する追悼の仕方に他国が干渉すべきではない。追悼の誠をささげるのがなぜいけないのか。私には理解できない。(靖国神社に)いつ行くのかは適切に判断したい」さらに、20日の参院予算委員会でも「大局な的判断して参拝している」と言い放っている。
自らの靖国参拝への中国の批判に真っ向から反論した首相の真意を説明するため、場合によっては遺憾の意を伝えるため、与党幹事長が雁首そろえてやって来ると、中国側は判断していたに違いない。それがまったく逆だったのだ。21日に会った王家瑞党対外連絡部長に対し、武部幹事長は「日本には中国の批判を内政干渉と受け止める向きもある」と述べた途端、同部長はキレてしまった。それでも、この話はなかったことにしようと、会談終了間際に双方が一致し、翌日の胡錦濤との会談に繋いだのであった。
がしかし、そこでも日本側から何ら"釈明"らしきものがなかったため、先の「目にしたくない」発言となったのだ。つまり、こういうことだ。この問題を放置したら中国国内がもたない、というより共産党政治局内で指導部批判が噴出する心配が出てきたのだろう。現在、政治局常務委員は胡錦濤総書記を含め9人いる。その中で序列第2位の呉邦国全人代常務委員長、第4位の賈慶林全国政治協商会議主席、第5位の曾慶紅国家副主席、黄菊第一副首相の4人が、「反日」で知られる江沢民前国家主席系とされる。
胡錦濤が共産党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3ポストを掌中にしてから、徐々にだが江沢民系と見られた人物は枢要なポジションから外されてきている。各地方の省長(地方政府代表)と地方の党書記(地方組織責任者)など、胡錦濤色が強まりつつある。だが、肝心な党中央の政治局常務委員だけではなく、政治局員もまた13人(局員候補1人)中6人が江沢民系である。要は、胡錦濤主席と温家宝首相(序列第3位)の2人が危機感を強め、たとえ外交儀礼からして指弾されても、呉女史を小泉首相に会わせない方が得策と判断したということだ。会えば、靖国問題を持ち出さざるを得ない。持ち出せば、参拝すると言うに違いない。中国の副首相・党政治局員が日本首相の口からいま改めて靖国神社参拝を言われて、ノコノコと帰ってくるわけにいかなかったのだ。
従って、恐らく22日の夜か23日未明に、招集された中南海(共産党幹部の居住区)での緊急会議で決まったのではないか。その場に居合わせたのは、胡錦濤、温家宝ら政治局幹部の少数と、呼び出された王家瑞、唐家セン、戴秉国筆頭外務次官、武大偉外務次官(前駐日大使)ら対日政策関係者だろう。そして当日朝、「緊急の公務出来」を理由に会談中止を申し入れてきたのだ。まさに、その「公務」とは小泉首相に会わずに離日することだった。確信犯の首相は、まず間違いなく今年も参拝するだろう。日中関係のさらなる悪化を止めるには、もはや参拝する場所(拝殿)を変えるか、私人としての参拝しかない。
http://www.insideline.co.jp/column/column.html
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